32 / 44
幕間2
別荘にて(後)
しおりを挟む
一日目は近所の林を散策した。
別荘が見えない位置に行ってはいけないと言うのに、すぐに光一が行方不明になりそうになる。 光一にはGPSが取り付けられた。肇は啓一にくっついているので大丈夫だ。陽菜ちゃんは俺にくっついている。
光一は兄が見てくれて、肇と啓一は裕志が見ている。陽菜ちゃんは俺と諒さんを両側に従えて嬉しそうだ。
「諒さんは、お花を見つけてね。健吾さんは木の実よ」
「かしこましました、姫」
諒さんがニコニコしながら花を探している。大きめの木ばかりで草も少ないから、花も木の実も見つけられない。
兄と光一がカブトムシを見つけてきた。
啓一と肇に「いいな!」と言われて得意気だ。
祐志は……顔がひきつっている。もしかして虫が苦手なのかな。でも、子供達に悟られないように頑張っている。
頑張れと心の中でエールを送っておいた。
はっとして横を見ると、諒さんが悪い顔で笑っていた。そっくりな顔で陽菜ちゃんも。
この親子……。
話を変えたほうが良さそうだと判断して、他の話題を振った。
「二人とも、夜ご飯は何が食べたい?」
「カレー!」
陽菜ちゃんが答える。きゅっと繋いだ手を離さないようにする。
「諒さんも、食べたいよね?」
ニコニコと念を推しておく。
約束したからね。裕志をいじめたらご飯は作らないと言ってある。
「食べたい……」
「じゃあ先に戻って手伝ってもらおうかな」
「うん!」
陽菜ちゃんは料理に興味があって、いつも手伝いをさせている。
将来はいいお嫁さんに……はぁ。お嫁さんになった方が良いんだろうけど、寂しいな。
別荘に戻って陽菜ちゃんと料理した。諒さんは林の中で何かを感じたらしく、パソコンを開いてデザインを始めていた。
夕飯は夏野菜たっぷりのカレーにした。大量に作ったのに、子供達の食欲がすごくて一気になくなってしまって驚いた。皆大きくなりそうだ。
久しぶりに陽菜ちゃんと長い時間を過ごして、啓一と光一が女の子だったらどうだったのかなと考えた。
……外に出せない。
変な男に目をつけられたら困る。
二人とも出産時に入院してたから血液型も第二性もわかってる。
アルファで良かった。ベータでも良いけど。オメガは駄目だ。心配で外に出せない。
二人ともアルファの男の子で良かった。
「健吾、どうした?」
「ん? 陽菜ちゃんが可愛いから、女の子がいたらどうだったのかなって考えてた」
「その割に険しい顔だったけど……」
「女の子だったら心配過ぎて外に出せないなって考えてたんだ」
「健吾に似てたら出せないけど、啓一と光一ぐらいな感じなら大丈夫だろう」
「何言ってるんだよ。今でもあんなに可愛いのに、変な奴に目をつけられたらどうするんだ」
「健吾は俺の目がおかしいっていつも言うけど、健吾も大概だと思うよ」
啓一と光一は祐志のミニチュアだ。
ものすごく可愛い。俺に似なくて良かった。自分の顔はどうも辛気臭くて好きになれない。
お互いの顔の方が良いと言いあって、一日目の夜は更けていった。
◇
二日目は午後から小川遊びをして、やっぱり光一だけが転んだ。光一は笑いながら服を脱いで、乾かすと言って全裸で走り回っていた。二日目にして野生が目覚めたようだ。
啓一もいつの間にか一緒に走っていて、肇も混ざって走り回っていた。最後は陽菜ちゃんも参加していて、楽しそうだった。
ここに来て良かった。
走り回る子供達を見ていると、いつの間にか兄が横にいた。懐かしい話を振ってみる。
「俺が川で転んだら兄さんが着替えさせてくれたよね。泣きそうにしてたら飴までくれて……嬉しかったのを覚えてるよ」
「健吾は要領が良くなかったからな。侑も転んだりしていたけど、父の前ではしなかった」
「そうなの? 鈍臭いの、俺だけだと思ってたよ」
「そんなことはない。子供の頃は皆、大差なかった」
そうなんだ。俺は自分だけが駄目だと思ってた。少しだけ心が軽くなった。
「休みに便乗させてくれて、ありがとう。俺も祐志も子供達がこんなに山を楽しむとは思ってなかったよ」
「子供は何でも楽しむ。諒が我が儘言って悪かったな。料理は手抜きで構わない。疲れたら休めよ」
「うん。もう子供達は子供達同士でやってくれるから、ずいぶん楽になったから大丈夫。ご飯楽しみにしてて」
兄とこんなに話すのは初めてだ。いつも短文しか話さない人がこんなに話すなんて、兄も楽しいのかもしれない。
◇
夜はとても早かった。
夕飯を食べて風呂に入った子供達は、布団に乗った途端に眠ってしまった。ピクリとも動かない。
別荘の風呂は、温泉を引っ張ってきて露天風呂風の設えになっている。浴槽も広いし、かなり贅沢だ。
兄夫夫に了解を取って先に入らせてもらった。
「立派な風呂だな」
「うん……」
祐志にもたれて、天窓に映る星空を眺めようとしたけれど、湯気で見えなかった。
「……あれ設計ミスかな」
「窓を開けてないからじゃないか?」
そういうことか。
でも、明日もあるし今日は疲れた。祐志が窓を開けてくれようとするのを止めて、目を閉じた。
「健吾? 寝たのか。お疲れ様」
俺は翌朝までぐっすり眠ってしまった。
朝は祐志がとても嬉しそうにしていた。祐志は俺のお世話をするのが好きなんだそうだ。いつもは主夫だし、俺が世話をしているから、たまに俺の世話ができると喜ぶ。
◇
別荘での休暇も残すところあと一日になった。
啓一と肇は薪や落ちていた枝を使って、小さな家を使った。秘密基地だそうだ。完成した家は、子供にしては良い出来で、二人共天才じゃないかと思った。
「あれ取っておきたいなぁ……」
「そうだね。とりあえず写真写真」
諒さんが楽しそうに写真を撮りまくっている。兄も肇を褒めている。ほとんど啓一が作ったとはいえ、肇も頑張っていた。
「大きくなったらけーちゃんと住むんだ!」
「僕は運命の番と結婚するから駄目だよ~」
「ぼくがけーちゃんの運命じゃないの?」
「違うよ。肇には肇の運命がいるよ」
「やだー! けーちゃんがいい」
びっくりした。
啓一、そんなこと考えてたんだ。いつ運命の番なんてことはを知ったのだろう。
……運命ねぇ。よくわからないな。
俺は祐志が好きだけど、運命かと言われると微妙だ。運命は本能的なものだから、出会ったら発情待った無しだと聞いている。そもそも滅多に聞かないし。
家を撮り終わった諒さんが木の根に躓いた。兄が諒さんを抱きとめて、様子がおかしくなった。
「健吾、片付けは大体終わったから……あ」
「祐志ありがと。どうしたの?」
「子供達、帰れるな! 車は借ります」
急に祐志が帰ると言いだした。
うちの車では子供達全員は乗れない。兄の車は七人乗りの大きな車だから、そちらで帰るらしい。でも何で帰るのかと思ったら、兄が手招きした。まだ諒さんを抱きとめたままだ。
「発情期だ。悪いな。予定より早かった」
「はっ……健吾、ごめん」
熱に浮かされたような諒さん。
体に力が入らないようだ。俺は他人の発情を見るのは初めてだった。諒さんがこの状態だと、兄もかなり辛いだろう。
まず子供達を車に押し込んで、荷物を運び出す。子供達が車に入った段階で、兄が諒さんを抱き上げて別荘に入った。俺は子供達と車で待機だ。祐志が施錠して、慌ただしく別荘を後にした。
「帰りは一緒で嬉しい!」
「そうだね。しばらくうちに泊まっていくと良いよ」
「やったー!」
無邪気な肇の声が車に響く。陽菜ちゃんが後ろから内緒話みたいに、話かけてきた。みんなに聞こえてるけど。
「あのね、パパと諒くんは運命のつがいなのよ」
「え、そうなの?」
「うん。諒くんが教えてくれたの。でもパパには内緒よ」
「何で内緒なの?」
「諒くんは、パパに愛されてるかんじがいいんだって。運命ってわかったら、諒くんがパパを大好きなのがばれちゃうから駄目なんだって」
すごく分かったような言い方をしてるけど、陽菜ちゃんは絶対わかってない。諒さんの言葉をそのまま言ってるんだろう。「良く知ってるね」と言ったら満足そうに席に戻っていった。何事もなかったように子供同士で話している。
諒さんと兄さんは仕事関係で出会ったとしか聞いていない。兄が諒さんに惚れ込んで結婚したとしか聞いていなかったから、諒さんの言葉は意外だ。
子供達の話題も運命の番って何?なんてことになっている。
啓一が説明していて、陽菜ちゃんが愛よ!なんて茶々を入れてて面白い。
子供でも恋愛の話には興味あるんだね。
楽しい長期休暇だった。
別荘が見えない位置に行ってはいけないと言うのに、すぐに光一が行方不明になりそうになる。 光一にはGPSが取り付けられた。肇は啓一にくっついているので大丈夫だ。陽菜ちゃんは俺にくっついている。
光一は兄が見てくれて、肇と啓一は裕志が見ている。陽菜ちゃんは俺と諒さんを両側に従えて嬉しそうだ。
「諒さんは、お花を見つけてね。健吾さんは木の実よ」
「かしこましました、姫」
諒さんがニコニコしながら花を探している。大きめの木ばかりで草も少ないから、花も木の実も見つけられない。
兄と光一がカブトムシを見つけてきた。
啓一と肇に「いいな!」と言われて得意気だ。
祐志は……顔がひきつっている。もしかして虫が苦手なのかな。でも、子供達に悟られないように頑張っている。
頑張れと心の中でエールを送っておいた。
はっとして横を見ると、諒さんが悪い顔で笑っていた。そっくりな顔で陽菜ちゃんも。
この親子……。
話を変えたほうが良さそうだと判断して、他の話題を振った。
「二人とも、夜ご飯は何が食べたい?」
「カレー!」
陽菜ちゃんが答える。きゅっと繋いだ手を離さないようにする。
「諒さんも、食べたいよね?」
ニコニコと念を推しておく。
約束したからね。裕志をいじめたらご飯は作らないと言ってある。
「食べたい……」
「じゃあ先に戻って手伝ってもらおうかな」
「うん!」
陽菜ちゃんは料理に興味があって、いつも手伝いをさせている。
将来はいいお嫁さんに……はぁ。お嫁さんになった方が良いんだろうけど、寂しいな。
別荘に戻って陽菜ちゃんと料理した。諒さんは林の中で何かを感じたらしく、パソコンを開いてデザインを始めていた。
夕飯は夏野菜たっぷりのカレーにした。大量に作ったのに、子供達の食欲がすごくて一気になくなってしまって驚いた。皆大きくなりそうだ。
久しぶりに陽菜ちゃんと長い時間を過ごして、啓一と光一が女の子だったらどうだったのかなと考えた。
……外に出せない。
変な男に目をつけられたら困る。
二人とも出産時に入院してたから血液型も第二性もわかってる。
アルファで良かった。ベータでも良いけど。オメガは駄目だ。心配で外に出せない。
二人ともアルファの男の子で良かった。
「健吾、どうした?」
「ん? 陽菜ちゃんが可愛いから、女の子がいたらどうだったのかなって考えてた」
「その割に険しい顔だったけど……」
「女の子だったら心配過ぎて外に出せないなって考えてたんだ」
「健吾に似てたら出せないけど、啓一と光一ぐらいな感じなら大丈夫だろう」
「何言ってるんだよ。今でもあんなに可愛いのに、変な奴に目をつけられたらどうするんだ」
「健吾は俺の目がおかしいっていつも言うけど、健吾も大概だと思うよ」
啓一と光一は祐志のミニチュアだ。
ものすごく可愛い。俺に似なくて良かった。自分の顔はどうも辛気臭くて好きになれない。
お互いの顔の方が良いと言いあって、一日目の夜は更けていった。
◇
二日目は午後から小川遊びをして、やっぱり光一だけが転んだ。光一は笑いながら服を脱いで、乾かすと言って全裸で走り回っていた。二日目にして野生が目覚めたようだ。
啓一もいつの間にか一緒に走っていて、肇も混ざって走り回っていた。最後は陽菜ちゃんも参加していて、楽しそうだった。
ここに来て良かった。
走り回る子供達を見ていると、いつの間にか兄が横にいた。懐かしい話を振ってみる。
「俺が川で転んだら兄さんが着替えさせてくれたよね。泣きそうにしてたら飴までくれて……嬉しかったのを覚えてるよ」
「健吾は要領が良くなかったからな。侑も転んだりしていたけど、父の前ではしなかった」
「そうなの? 鈍臭いの、俺だけだと思ってたよ」
「そんなことはない。子供の頃は皆、大差なかった」
そうなんだ。俺は自分だけが駄目だと思ってた。少しだけ心が軽くなった。
「休みに便乗させてくれて、ありがとう。俺も祐志も子供達がこんなに山を楽しむとは思ってなかったよ」
「子供は何でも楽しむ。諒が我が儘言って悪かったな。料理は手抜きで構わない。疲れたら休めよ」
「うん。もう子供達は子供達同士でやってくれるから、ずいぶん楽になったから大丈夫。ご飯楽しみにしてて」
兄とこんなに話すのは初めてだ。いつも短文しか話さない人がこんなに話すなんて、兄も楽しいのかもしれない。
◇
夜はとても早かった。
夕飯を食べて風呂に入った子供達は、布団に乗った途端に眠ってしまった。ピクリとも動かない。
別荘の風呂は、温泉を引っ張ってきて露天風呂風の設えになっている。浴槽も広いし、かなり贅沢だ。
兄夫夫に了解を取って先に入らせてもらった。
「立派な風呂だな」
「うん……」
祐志にもたれて、天窓に映る星空を眺めようとしたけれど、湯気で見えなかった。
「……あれ設計ミスかな」
「窓を開けてないからじゃないか?」
そういうことか。
でも、明日もあるし今日は疲れた。祐志が窓を開けてくれようとするのを止めて、目を閉じた。
「健吾? 寝たのか。お疲れ様」
俺は翌朝までぐっすり眠ってしまった。
朝は祐志がとても嬉しそうにしていた。祐志は俺のお世話をするのが好きなんだそうだ。いつもは主夫だし、俺が世話をしているから、たまに俺の世話ができると喜ぶ。
◇
別荘での休暇も残すところあと一日になった。
啓一と肇は薪や落ちていた枝を使って、小さな家を使った。秘密基地だそうだ。完成した家は、子供にしては良い出来で、二人共天才じゃないかと思った。
「あれ取っておきたいなぁ……」
「そうだね。とりあえず写真写真」
諒さんが楽しそうに写真を撮りまくっている。兄も肇を褒めている。ほとんど啓一が作ったとはいえ、肇も頑張っていた。
「大きくなったらけーちゃんと住むんだ!」
「僕は運命の番と結婚するから駄目だよ~」
「ぼくがけーちゃんの運命じゃないの?」
「違うよ。肇には肇の運命がいるよ」
「やだー! けーちゃんがいい」
びっくりした。
啓一、そんなこと考えてたんだ。いつ運命の番なんてことはを知ったのだろう。
……運命ねぇ。よくわからないな。
俺は祐志が好きだけど、運命かと言われると微妙だ。運命は本能的なものだから、出会ったら発情待った無しだと聞いている。そもそも滅多に聞かないし。
家を撮り終わった諒さんが木の根に躓いた。兄が諒さんを抱きとめて、様子がおかしくなった。
「健吾、片付けは大体終わったから……あ」
「祐志ありがと。どうしたの?」
「子供達、帰れるな! 車は借ります」
急に祐志が帰ると言いだした。
うちの車では子供達全員は乗れない。兄の車は七人乗りの大きな車だから、そちらで帰るらしい。でも何で帰るのかと思ったら、兄が手招きした。まだ諒さんを抱きとめたままだ。
「発情期だ。悪いな。予定より早かった」
「はっ……健吾、ごめん」
熱に浮かされたような諒さん。
体に力が入らないようだ。俺は他人の発情を見るのは初めてだった。諒さんがこの状態だと、兄もかなり辛いだろう。
まず子供達を車に押し込んで、荷物を運び出す。子供達が車に入った段階で、兄が諒さんを抱き上げて別荘に入った。俺は子供達と車で待機だ。祐志が施錠して、慌ただしく別荘を後にした。
「帰りは一緒で嬉しい!」
「そうだね。しばらくうちに泊まっていくと良いよ」
「やったー!」
無邪気な肇の声が車に響く。陽菜ちゃんが後ろから内緒話みたいに、話かけてきた。みんなに聞こえてるけど。
「あのね、パパと諒くんは運命のつがいなのよ」
「え、そうなの?」
「うん。諒くんが教えてくれたの。でもパパには内緒よ」
「何で内緒なの?」
「諒くんは、パパに愛されてるかんじがいいんだって。運命ってわかったら、諒くんがパパを大好きなのがばれちゃうから駄目なんだって」
すごく分かったような言い方をしてるけど、陽菜ちゃんは絶対わかってない。諒さんの言葉をそのまま言ってるんだろう。「良く知ってるね」と言ったら満足そうに席に戻っていった。何事もなかったように子供同士で話している。
諒さんと兄さんは仕事関係で出会ったとしか聞いていない。兄が諒さんに惚れ込んで結婚したとしか聞いていなかったから、諒さんの言葉は意外だ。
子供達の話題も運命の番って何?なんてことになっている。
啓一が説明していて、陽菜ちゃんが愛よ!なんて茶々を入れてて面白い。
子供でも恋愛の話には興味あるんだね。
楽しい長期休暇だった。
23
お気に入りに追加
497
あなたにおすすめの小説


僕のために、忘れていて
ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────


欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点

キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)


Endless Summer Night ~終わらない夏~
樹木緑
BL
ボーイズラブ・オメガバース "愛し合ったあの日々は、終わりのない夏の夜の様だった”
長谷川陽向は “お見合い大学” と呼ばれる大学費用を稼ぐために、
ひと夏の契約でリゾートにやってきた。
最初は反りが合わず、すれ違いが多かったはずなのに、
気が付けば同じように東京から来ていた同じ年の矢野光に恋をしていた。
そして彼は自分の事を “ポンコツのα” と呼んだ。
***前作品とは完全に切り離したお話ですが、
世界が被っていますので、所々に前作品の登場人物の名前が出てきます。***
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる