74 / 79
学園に帰ってきましたが同棲状態で何をどこまでできるかな 4
しおりを挟む
コルトはディアヴの命令には絶対服従だそうだが、命令をしておかないと暴走するらしい。俺の尻からディアヴの精液を啜ろうとしたのは、やってはいけないと言われていなかったからだって……。いい加減変態には慣れたつもりだったけど、俺は自分の浅さを思い知った。
こんな奴とうまくやってるディアヴなんなの!?
「おじさんに触るな。行動を制限するな。いいな」
「はい」
コルトがいると気持ち悪くてディアヴに縋ってしまう。ディアヴは機嫌が良くなるけれど、コルトの視線は厳しくなる。俺に敵意を向けるとディアヴに叱られるのも、恍惚と受け入れているから気持ち悪さ倍増だ。
ディアヴがコルトに接触を許すのは、靴磨きや寝癖直しだけだ。寝癖直しの時のコルトを見たらめちゃくちゃ勃起していて、俺は部屋の隅で小さくなって存在感を消していた。
他人の勃起で期待しちゃう身体になったけど、コルトのあれには反応しなくて心底ホッとした。あれにも欲情するようになっていたら、人間としてのなにか大切なものを全て失っている気がする。
ディアヴと一緒に行動できる時はいいが、そうでない時はコルトがつかず離れず俺を監視するようになった。コルトとどうにかなる可能性はなくなったけれど、あいつに見られていると思うだけで気力が萎える。……ディアヴの掌の上で踊らされているようだ。
再開した学園で、俺は思いっきり腫れ物を触るように扱われている。教師たちは学園が壊された経緯を知っているだろうし、事情通の貴族なら生徒でもある程度事態を把握している。
まだ一年以上も学園生活があるのに、ぼっちすぎて寂しい。
「ビチュード、ビチュード」
少し離れた位置にいるコルトと反対側の陰から、静かに俺を呼ぶ声が聞こえた。コルトに気取られないように近づくと、寮で良くしてくれていたシェーバルだ。
癒し系の顔立ちに、張り詰めていた気持ちが緩んだ。コルトから姿は見えるけど顔が見えないように位置を変える。
「シェーバル……」
「隙がなくて、声をかけられなくてごめん。こんな状況のままビチュードを放って卒業しなきゃならないなんて」
シェーバルは一つ上の学年だ。あと数ヶ月で卒業してしまう。恋愛感情で好きというわけではないから、卒業してからまで一緒にいられるとは思わない。でも、いちばん俺に優しくしてくれたような気がするから、友達として好きだった。
「ディアヴの監視があるから、あんまり話しかけないほうがいい」
「ビチュード。友達との話もハイクォーリは許さないのか?」
はっとシェーバルの顔を見た。俺と同じモブ全開のカピバラ風味の優しい顔立ち。まさかディアヴと天秤にかけるはずはないだろうと思わせる人畜無害顔だ。
これは……イケる?
こんな奴とうまくやってるディアヴなんなの!?
「おじさんに触るな。行動を制限するな。いいな」
「はい」
コルトがいると気持ち悪くてディアヴに縋ってしまう。ディアヴは機嫌が良くなるけれど、コルトの視線は厳しくなる。俺に敵意を向けるとディアヴに叱られるのも、恍惚と受け入れているから気持ち悪さ倍増だ。
ディアヴがコルトに接触を許すのは、靴磨きや寝癖直しだけだ。寝癖直しの時のコルトを見たらめちゃくちゃ勃起していて、俺は部屋の隅で小さくなって存在感を消していた。
他人の勃起で期待しちゃう身体になったけど、コルトのあれには反応しなくて心底ホッとした。あれにも欲情するようになっていたら、人間としてのなにか大切なものを全て失っている気がする。
ディアヴと一緒に行動できる時はいいが、そうでない時はコルトがつかず離れず俺を監視するようになった。コルトとどうにかなる可能性はなくなったけれど、あいつに見られていると思うだけで気力が萎える。……ディアヴの掌の上で踊らされているようだ。
再開した学園で、俺は思いっきり腫れ物を触るように扱われている。教師たちは学園が壊された経緯を知っているだろうし、事情通の貴族なら生徒でもある程度事態を把握している。
まだ一年以上も学園生活があるのに、ぼっちすぎて寂しい。
「ビチュード、ビチュード」
少し離れた位置にいるコルトと反対側の陰から、静かに俺を呼ぶ声が聞こえた。コルトに気取られないように近づくと、寮で良くしてくれていたシェーバルだ。
癒し系の顔立ちに、張り詰めていた気持ちが緩んだ。コルトから姿は見えるけど顔が見えないように位置を変える。
「シェーバル……」
「隙がなくて、声をかけられなくてごめん。こんな状況のままビチュードを放って卒業しなきゃならないなんて」
シェーバルは一つ上の学年だ。あと数ヶ月で卒業してしまう。恋愛感情で好きというわけではないから、卒業してからまで一緒にいられるとは思わない。でも、いちばん俺に優しくしてくれたような気がするから、友達として好きだった。
「ディアヴの監視があるから、あんまり話しかけないほうがいい」
「ビチュード。友達との話もハイクォーリは許さないのか?」
はっとシェーバルの顔を見た。俺と同じモブ全開のカピバラ風味の優しい顔立ち。まさかディアヴと天秤にかけるはずはないだろうと思わせる人畜無害顔だ。
これは……イケる?
31
お気に入りに追加
1,233
あなたにおすすめの小説
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。
かーにゅ
BL
「君は死にました」
「…はい?」
「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」
「…てんぷれ」
「てことで転生させます」
「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」
BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる