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王様から秘密のお願いされちゃった 7
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俺は食事を自室……といってもディアヴの部屋と繋がっているのだが、そこでとることにした。
魔道具だと言っていたから、ディアヴの魔力でエロい悪戯をされる可能性もあるんじゃないかという、今までの学習をフルで生かした気遣いだ。いくらディアヴにヤられまくっているのを知られていても、姉や使用人の前でビックンビックンする羽目になるのは嫌だ。
「はぁ……ディアヴの奴……酷い……」
ふと頭の中で電球がピコーンと光った。後ろが埋まっていても前はフリーなんだから、童貞を捨てることはできるんじゃないか?
王様の様子から童貞を捨てることの難しさを知ったが、逆に言えば、この世界の理から外れるために童貞を捨てるというのもありなのではないだろうか。使用人に女性はたくさんいるが、きっとBL世界の力的なものが働いて女性相手はうまくいかないだろう。BLの呪いが解けたら俺の尻も疼かなくなり、男のあれを見て発情することもなくなるはずだ。希望を捨てるには早い。
女が駄目なら男がいる。今まで俺に突っ込んできた男たちに、後ろの良さを教えてやればいいんだ。散々俺に突っ込んできたんだから、一人ぐらい譲歩してくれる人間はいないだろうか。
……寮の年上の友人、シェーバルは真面目に俺を気にかけてくれている様子だった。正直あいつに突っ込みたい欲はないが、肉体的には王様同様後ろを弄れば一発で勃つ自身がある。
「後ろはディアヴ専用……。それなら浮気には当たらない。うん、それでいこう。学園が始まってもコレを入れて生活するなんてことになりませんように」
服の上から腰を撫でて、俺は一体どこに向かいたいのかわからなくなってきた。まだ十代後半にさしかかったばかりなのに、人生がハードモードすぎて一寸先は闇だ。
部屋の姿見に全身を映してみたが、侯爵家の高級品を身に着けていてもにじみ出るモブ臭。
どこにでもいる茶色の髪、さらさらでも剛毛でもない髪に艶はあまりない。瞳の色は髪と同じ茶色で、前髪と同化しそうだ。特筆するほど配置が悪くも良くもない顔は、一つ一つの印象が薄くて記憶に残りにくい。背は高くないが、女性よりは高い。ディアヴもカイン王子も俺より頭ひとつ分ぐらい背が高いから目立つ。二人ともそもそもの顔面偏差値が高い上に、銀髪と金髪というキラッキラな付属品がある。
二人に挟まれたら俺は宇宙人だろう。有名なアレだ。このネタを理解してくれる人は王様しかいないと思うと、無性に会いたくなる。無性に会いたいこの気持ちはもしかして……なわけない。
ぼんやりと暮らしてきた今世、初恋もまだだった気がする。身体だけ先に開発され尽くして、人生ってままならない。
魔道具だと言っていたから、ディアヴの魔力でエロい悪戯をされる可能性もあるんじゃないかという、今までの学習をフルで生かした気遣いだ。いくらディアヴにヤられまくっているのを知られていても、姉や使用人の前でビックンビックンする羽目になるのは嫌だ。
「はぁ……ディアヴの奴……酷い……」
ふと頭の中で電球がピコーンと光った。後ろが埋まっていても前はフリーなんだから、童貞を捨てることはできるんじゃないか?
王様の様子から童貞を捨てることの難しさを知ったが、逆に言えば、この世界の理から外れるために童貞を捨てるというのもありなのではないだろうか。使用人に女性はたくさんいるが、きっとBL世界の力的なものが働いて女性相手はうまくいかないだろう。BLの呪いが解けたら俺の尻も疼かなくなり、男のあれを見て発情することもなくなるはずだ。希望を捨てるには早い。
女が駄目なら男がいる。今まで俺に突っ込んできた男たちに、後ろの良さを教えてやればいいんだ。散々俺に突っ込んできたんだから、一人ぐらい譲歩してくれる人間はいないだろうか。
……寮の年上の友人、シェーバルは真面目に俺を気にかけてくれている様子だった。正直あいつに突っ込みたい欲はないが、肉体的には王様同様後ろを弄れば一発で勃つ自身がある。
「後ろはディアヴ専用……。それなら浮気には当たらない。うん、それでいこう。学園が始まってもコレを入れて生活するなんてことになりませんように」
服の上から腰を撫でて、俺は一体どこに向かいたいのかわからなくなってきた。まだ十代後半にさしかかったばかりなのに、人生がハードモードすぎて一寸先は闇だ。
部屋の姿見に全身を映してみたが、侯爵家の高級品を身に着けていてもにじみ出るモブ臭。
どこにでもいる茶色の髪、さらさらでも剛毛でもない髪に艶はあまりない。瞳の色は髪と同じ茶色で、前髪と同化しそうだ。特筆するほど配置が悪くも良くもない顔は、一つ一つの印象が薄くて記憶に残りにくい。背は高くないが、女性よりは高い。ディアヴもカイン王子も俺より頭ひとつ分ぐらい背が高いから目立つ。二人ともそもそもの顔面偏差値が高い上に、銀髪と金髪というキラッキラな付属品がある。
二人に挟まれたら俺は宇宙人だろう。有名なアレだ。このネタを理解してくれる人は王様しかいないと思うと、無性に会いたくなる。無性に会いたいこの気持ちはもしかして……なわけない。
ぼんやりと暮らしてきた今世、初恋もまだだった気がする。身体だけ先に開発され尽くして、人生ってままならない。
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