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王様から秘密のお願いされちゃった 4
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ボウ王子は俺たちがイったらずるりと抜けて、出したものを綺麗に舐めとって満足そうに日向ぼっこをしている。
俺はこういう展開にもう諦めを抱いているから、そうダメージを受けなかったんだが、王様はベンチに横たわったままツーッと涙を流していて可哀想だった。あんなことになったのは俺のせいなのもあるから、せめてもの償いに王様の服を整えた。
「ボウ……俺はお前の親だぞ……。まだ回収していないシチュエーションがあったなんて……」
「あ、近親……」
「言うなよ……」
王様は俺よりも経験豊富そうだけど、諦めていないようだ。童貞を捨てたいって言っていたのをかなえてあげたい気持ちが湧いてくる。だけど、俺は王様に勃ったけれど、王様はどうなんだろう。
自慢じゃないが、俺はモブ中のモブ。あっさりと地味な顔立ち、背も高くなく髪や目の色も地味だ。王様は主役級じゃないが、きつい顔立ちの美形だ。男同士でも見苦しくない。
ディアヴはなんで俺でいいんだろう。あそこの具合が余程いいのだろうか。それなら王様も満足してもらえるかもしれない。勃起さえすればあとは俺がのっかればなんとかなるはずだ。
「今度はボウ王子抜きで会いませんか」
「俺の魔力じゃ、魔石を使ってもボウがいないとここまで転移できない」
「あぁ……」
不条理な世界なりに、王様や俺が童貞を捨てる機会を徹底的に排除しようとしている。こんな世界と一人で戦い続けていた王様に同情するし、同じ転生者のよしみもある。
「じゃあ、王様が俺を呼び出すとか。何か権限を使っていけませんか?」
「もうすぐイリアスが帰ってくるから、自由がなくなるんだよ」
王様はベンチに座りなおした。灰になったボクサーのポーズがよく似合っている。
「摂政閣下ですか」
「そう、お前の婚約者ディアヴの遠縁のヤンデレ。帰ってきたら三日三晩は監禁状態になるだろう」
「すごい愛されてますね」
「…………まぁ」
ちょっとだけ頬を染めて口ごもる王様は可愛かった。俺の親と言ってもいい年なのに肌も瑞々しかったし、この世界の主役は王様かもしれない。
「王様は摂政閣下が好きなんですか?」
「え? イリアスを好きとかはない。オレ女の子のほうが好きだもん。おっぱいは女の子にしかないから。ロンはディアヴに恋愛感情があるのか?」
「ない、ですね」
この国の貴族は恋愛結婚が多い。姉も格の違う家に嫁いだ理由は互いに恋に落ちたからだと聞いている。もちろん家と家の政略結婚もあるが、その場合も互いを尊重して仲良くするものだ。
「なんでディアヴにあんなに惚れられているんだ?」
「それは俺が聞きたいです……。俺は具合がいいらしいんですが、ディアヴは知らずに襲ってきたみたいだし」
「具合……そんなところにチートあってもな……」
「ね……」
二人でお通夜のような空気になった。そこに、ひょいとボウ王子がマスコットよろしく膝に乗ってくる。この空気の原因の半分はお前のせいだと思うぞ?
「童貞卒業は無理そうだから帰る。ロン、オレは飾りの王だけど、いちおう王だから困ったことがあったら頼っていい。カインにも便宜を図るよう伝えておくから」
「え、いいんですか」
「さっきの、失敗したけど心意気は買う。オレも覚悟を決めておくから、次はお互い童貞卒業しような」
「はい!」
王様がボウ王子と魔法を使って去っていく。
キラキラと輝く魔法の残滓が綺麗だと眺めていると、薔薇の茂みが蹴り倒されてディアヴが立っていた。
俺はこういう展開にもう諦めを抱いているから、そうダメージを受けなかったんだが、王様はベンチに横たわったままツーッと涙を流していて可哀想だった。あんなことになったのは俺のせいなのもあるから、せめてもの償いに王様の服を整えた。
「ボウ……俺はお前の親だぞ……。まだ回収していないシチュエーションがあったなんて……」
「あ、近親……」
「言うなよ……」
王様は俺よりも経験豊富そうだけど、諦めていないようだ。童貞を捨てたいって言っていたのをかなえてあげたい気持ちが湧いてくる。だけど、俺は王様に勃ったけれど、王様はどうなんだろう。
自慢じゃないが、俺はモブ中のモブ。あっさりと地味な顔立ち、背も高くなく髪や目の色も地味だ。王様は主役級じゃないが、きつい顔立ちの美形だ。男同士でも見苦しくない。
ディアヴはなんで俺でいいんだろう。あそこの具合が余程いいのだろうか。それなら王様も満足してもらえるかもしれない。勃起さえすればあとは俺がのっかればなんとかなるはずだ。
「今度はボウ王子抜きで会いませんか」
「俺の魔力じゃ、魔石を使ってもボウがいないとここまで転移できない」
「あぁ……」
不条理な世界なりに、王様や俺が童貞を捨てる機会を徹底的に排除しようとしている。こんな世界と一人で戦い続けていた王様に同情するし、同じ転生者のよしみもある。
「じゃあ、王様が俺を呼び出すとか。何か権限を使っていけませんか?」
「もうすぐイリアスが帰ってくるから、自由がなくなるんだよ」
王様はベンチに座りなおした。灰になったボクサーのポーズがよく似合っている。
「摂政閣下ですか」
「そう、お前の婚約者ディアヴの遠縁のヤンデレ。帰ってきたら三日三晩は監禁状態になるだろう」
「すごい愛されてますね」
「…………まぁ」
ちょっとだけ頬を染めて口ごもる王様は可愛かった。俺の親と言ってもいい年なのに肌も瑞々しかったし、この世界の主役は王様かもしれない。
「王様は摂政閣下が好きなんですか?」
「え? イリアスを好きとかはない。オレ女の子のほうが好きだもん。おっぱいは女の子にしかないから。ロンはディアヴに恋愛感情があるのか?」
「ない、ですね」
この国の貴族は恋愛結婚が多い。姉も格の違う家に嫁いだ理由は互いに恋に落ちたからだと聞いている。もちろん家と家の政略結婚もあるが、その場合も互いを尊重して仲良くするものだ。
「なんでディアヴにあんなに惚れられているんだ?」
「それは俺が聞きたいです……。俺は具合がいいらしいんですが、ディアヴは知らずに襲ってきたみたいだし」
「具合……そんなところにチートあってもな……」
「ね……」
二人でお通夜のような空気になった。そこに、ひょいとボウ王子がマスコットよろしく膝に乗ってくる。この空気の原因の半分はお前のせいだと思うぞ?
「童貞卒業は無理そうだから帰る。ロン、オレは飾りの王だけど、いちおう王だから困ったことがあったら頼っていい。カインにも便宜を図るよう伝えておくから」
「え、いいんですか」
「さっきの、失敗したけど心意気は買う。オレも覚悟を決めておくから、次はお互い童貞卒業しような」
「はい!」
王様がボウ王子と魔法を使って去っていく。
キラキラと輝く魔法の残滓が綺麗だと眺めていると、薔薇の茂みが蹴り倒されてディアヴが立っていた。
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