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触手な王子様をお持ち帰り 10

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「なんだこいつは」
「ノックしろ、ディアヴ」

 床で半ケツを晒してびくびくのたうっているスコーリョに、汚物を見るようにディアヴが顔をしかめている。気持ちはよくわかる。

「スコーリョは同じクラスだろ。休んでいる俺を心配して昼飯を持ってきてくれたんだ」
「それが何でこうなっている」

 聡明なディアヴにも、この事態は想像もつかなかった状況のようだ。俺もボウ王子をけしかけたはいいものの、どうしたらいいかわからない。そんなに頭が良くないんだって……。状況の説明はある程度本当にしておかないとぼろが出るだろう。スコーリョに突っ込まれたことだけ秘密にしておけばいいのか?

「昼飯をもらった時に、スコーリョに告白されて押し倒されたんだが、ボウ王子が助けてくれたんだ」

 スコーリョの告白は「お前の穴が忘れられない」だけどな。俺自身に惚れているわけじゃない。未遂だったことにしてやるんだから、黙って触手攻めでビックンビックンしてろ。

「お前が俺にネクタイを贈るから、俺の恋愛対象が男だって思われていい迷惑だ」

 男なら妊娠しないから、多少無茶してもいいと思われている節がある。あのディアヴがハマった身体だと気になってしまうんだろう。ハイクォーリの……って生唾飲む奴の多かったこと。で、いっかいヤると今度は具合の良さに嵌るというスパイラル。
 ディアヴも俺の穴に執着しているに違いない。経験豊富そうだけど、まだ十代半ばじゃ出会えていないということもあるだろう。経験を積んでいけば俺よりもいいものに出会えるはずだ。そうすれば俺はお払い箱。何としても学園在学中に俺に飽きてもらいたい。

 好かれる必要もないから、スコーリョを放置してディアヴに文句を言い続ける。日替わりちんこを楽しんでいたことは言わなきゃばれない。俺はいつでも拒否の言葉を発していた。身体は大歓迎していたけど。

「お前がハマった穴なら具合がいいはずだって言われて」
「言われて?」
「…………」

 俺は頭が良くない。頭が良くないのにしゃべり続けたらボロが出る。というか、ボロが出た。どうしよう。

「ぐぅっ」

 その時カエルが潰されたような声がして、スコーリョが弛緩した。ずるっとちょっと大きくなったボウ王子が出てくる。えんがちょ。
 ボウ王子は俺たちの視線を集めていることに気付いたのか、パッと光って綺麗になった。やっと俺のあれぐらいの大きさなのに、魔法を自由自在に操れるのはさすが王子というところか。

「ボウ王子、助けてくれてありがとうございます」

 いいってことよ、そんな感じで俺の足を伝って上ってきたボウ王子が俺のポケットに収まる。前に先生が使った透明のチンコ型エロ触手のようだ。アレもこんなサイズだった。ボウ王子は薄いピンク色をしているから余計卑猥だ。大人のおもちゃをポケットに忍ばせるメス堕ち男子。
 俺の属性すごい。外見は変わらずモブのままなのに。

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