モブの俺が甥っ子と同級生からエロいいじめをうけまくるのは何故だ

触手な王子様をお持ち帰り 8

　自室に戻って時間を確認すると、もう昼近い。今日はディアヴが休みの届を出してくれているだろう。狭く質素な自室だけど、自分の部屋は落ち着く。茶を入れて、少しずつ食べている焼き菓子を昼食代わりにしようと取り出した時、部屋のドアが乱暴に開かれた。

「よう、おじさん、昼飯持ってきてやったぞ」
「スコーリョ！？　お前……ノックしろよ」
「ハイクォーリが来ててお前が来てなかったから、ヤり殺されてんじゃないか見に来てやったんだろ」

　よく見ると少し息が上がっている。昼休みにパンを持って走ってきてくれたのだろうか。三馬鹿の親玉のくせに、優しいじゃないか。その優しさに免じてディアヴに言いつけないでいてやろう。我ながら甘い。
　学園を卒業したらこいつとも縁が切れるだろう。庶民と貴族の生活はそれほど分断されている。自分が庶民になれば、学園の全てから縁が切れるということが、俺に余裕を与えている。どれだけ嫌でもあと二年我慢すればいい。言うほど嫌でもないのが問題なんだけど。

「さっきまで寝てたから回復した。パン嬉しいよ、ありがと」

　菓子の箱を戻して、さっそくパンにかぶりついた。柔らかいパンに肉と野菜が挟んである、購買でもちょっと高いやつだ。美味い。庶民のパンはもっと固いと聞いているから、今のうちに堪能しよう。

「ヤられてたのは否定しないのか」
「お前らも散々ヤったろ。ディアヴに見つかると潰されるからさっさと帰れよ」

　家が潰されるのか玉が潰されるか……。べつに俺のことを大事にしている感じじゃないのに、ディアヴにも困ったものだ。ディアヴとしかヤれないのは残念だが、国を挙げての行事はちょいちょいあるから、また機会もあるだろう。こうなったら学園の童貞をたくさん食って、リア充撲滅運動をしてもいいかもしれない。女の子との初エッチで入れる穴間違えて失敗したらいいんだ。
　ささやかすぎる復讐を胸にパンを食べ終えると、スコーリョがまだいる。棒立ちでじっと俺を見て両手はかたく握りしめられている。何かを我慢しているような様子だ。腹が減っているのだろうか。もう食べちゃったからパンはかけらも残っていない。

「ごちそうさま。お前は戻らないと午後の授業に間に合わないんじゃないか？」

　指先についたソースを舐めながらスコーリョを見上げると、あからさまに股間が膨らんでいる。
　わざわざ授業を抜け出してやりたいぐらい男にハマって可哀想。見つかったらディアヴに何されてもいい覚悟なんだろうか。こうなっている時点でスコーリョに対するざまあが成ったような気がする。
　どうせ肉体はエロを欲しているし、食って食って食いまくって卒業と同時にとんずらするのがいい……？

「……やらせろ」
「え？」
「嫌じゃないんだろ、俺たちとヤってたの。お前の穴が忘れられないんだよっ」

　どんと突き飛ばされて、床に押し倒された。すぐそこにベッドがあるのに！！