モブの俺が甥っ子と同級生からエロいいじめをうけまくるのは何故だ

甥っ子と王子様と王子……さま？ 2

　ディアヴの行動は完璧で、授業直前で席には座れたが、身体がおさまっていないから辛い。教室に入った瞬間三馬鹿と目が合ったのも拍車をかけた。あいつらも俺の状態に気付いたようだった。馬鹿にされるかと思ったが、複雑そうな表情をされたので余計に惨めだ。同情するならちんこくれ。

　扉が開いて先生が入ってくる。こちらにも俺が発情中というのはバレた。ちらりと見られただけで先生のアレがいいところを擦ってくれるのを思い出して、後ろがきゅんきゅんする。先生の棒……ください。

　ディアヴは涼しい顔だが、逆隣のカイン王子はチラチラと興味津々といった視線を投げてくる。目が合ったら笑顔でウインクされた。どういう意味のウインクなのか知りたいような、知りたくないような複雑な気持ちだ。いっそ王子の……流石に駄目だ。王族に何かやらかしたら命が危ない。

　授業が始まったが、当然頭に入るわけもなく、全員から視姦されている気分で興奮が高まる一方だ。俺が一番変態……つら……。
　もういっそ全員でいいからヤって欲しい……。

　淡々と授業は進み、俺にとって長い時間が過ぎた。この授業が終われば昼休みだ。少し長い休憩時間なら、どっかで一発できるかもしれない。

「ビチュード、聞いていましたか。本日履修した教科書のページを答えなさい」
「えっ、アッ……あの」

　先生はドＳだったー！！　やばい、教室中の注目が集まる。ディアヴは俺のほうを一顧だにしない。どうしたら……ん？　何かにょろっとしたものが教科書のページを指している。なにこれ。いや、考えている余裕はない。

「85ページ、です」
「よろしい。具合が悪いのですか？」
「い、いえ。大丈夫です。この席になったばかりで緊張してしまって」
「ここは学びの場です。席順は勉学とは無関係。慣れなさい」
「はい。先生」

　会話を終えた瞬間に授業終了のベルが鳴った。俺は目の前のにょろっとしたものが気になって動けない。教科書のページの上にそのまま居座ったそいつは、まるで教科書を読んでいるような雰囲気だ。知性がある？　そういえばページを教えてくれていた。これ、どうしたら。

「気に入った？」

　ディアヴの逆側から声がかかった。カイン王子の持ち物なのか？

「あの、これ、なんでしょうか」
「おれの兄弟。最近生まれたばかりで好奇心旺盛だから連れてきちゃった」

　にこにこと微笑んでいる表情はいつも通りだ。王子に唯一気やすい口をたたくディアヴに助けを求めようと振り向くと、いつの間にか教室には俺たち三人しかいない。
　昼は皆が食堂で食事をとるけれど、早く行かないと人気メニューがなくなってしまうからそうなんだろうけど！