上 下
4 / 79

魔法学園のモブに転生、した? 4

しおりを挟む
 魔法の気配に目が覚めると、ディアヴが指先をくるくるさせてから窓の外へ指を向けた。すると部屋の中に滞留していた空気がさあっと出ていき、空気がすっかり入れ替わった。
 さっきドロドロにされた俺の身体もさっぱりしているし、服も整えられている。あれは夢だったことにしたいけれど、手首に縛られた跡は残っているし、身体が重くて後ろのあそこは感覚がない。何か漏らしても絶対気付けない。

 これどうしたらいいんだ。甥に犯されましたとか、どういうこと。この世界で男同士の恋愛が一般的だなんて話……あ、あった。同性婚制度あるし、王様の伴侶がたしか男だ。
 でもあれは何か特殊な状況だったみたいだし、王様は子沢山だからきっと愛人だか側妃がいるんだろう。同級生にもたしか王子がいた。ディアヴは仲が良かった気がする。俺自身はリア充と関わらないようにしていたから、王子と挨拶すらしたことがない。

「悪くなかった」

 ディアヴがしれっと感想を言うのに、俺は言葉を失った。あんなにされて「悪くない」程度!?
 すごく良かったって言われても微妙だけど!
 俺はキスもそれ以上も全部初めてだったのに。そもそも、なんで犯されたのか理由ぐらい教えてくれてもいいはずだ。

「……っ、けほっ、おま」
「黙れ。ずいぶん派手に喘いでいたから喉を痛めている。ずいぶん悦さそうにしていたな、おじさん」
「~~な、ゲホッゲホッ」

 外見年齢だけならディアヴのほうが上だ。なのに嫌がらせのようなおじさん呼ばわり。するっと制服のジャケットの下に入り込んだ手が、シャツの上から俺の乳首を摘む。
 途端にビクビクッと震えて力の抜ける身体。

 なにこれ。
 俺の身体おかしい。

 これじゃまるで、メス落ちした受けじゃないか。
 悪夢だ。前世の姉から与えられた腐知識が蘇る。まさか物語の世界に転生なんてのじゃないだろうな。まさかな。ああいうのは読んでいた話の中に入り込んでしまうとか、そういうのの筈だ。俺は魔法学園ものなんて読まされていない!

 感覚のない後ろには、まだディアヴのでかいのがハメられているような気分になる。
 こんなモブが受けだなんで……そりゃ、そんなジャンルもあったけど。王道じゃない。学園ものといったら、生徒会とかそういうのだろ?

「おじさんがこんなに淫乱だとは、な」
「や……ケホッ、あっ」
「残念だが、今日は時間切れだ。寮まで送ってやる」

 当たり前のように横抱きで身体を運ばれて、恐ろしいことに、フラグが立ちまくっている気がした。まさか継続する展開なのか!?
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

推しアイドルに認知されてました!

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:1,043

浮気αと絶許Ω~裏切りに激怒したオメガの復讐~

BL / 連載中 24h.ポイント:26,988pt お気に入り:2,011

 一枚のコイン 〜変わるは裏表〜

BL / 連載中 24h.ポイント:120pt お気に入り:41

噂の不良は甘やかし上手なイケメンくんでした

BL / 完結 24h.ポイント:7,746pt お気に入り:1,535

天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:113

嘘の日の誤解を正してはいけない

BL / 連載中 24h.ポイント:3,077pt お気に入り:270

気まぐれな快楽で社長は捕らえた男を壊す

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:24

処理中です...