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38 初めて見た時から変わらず綺麗

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 ラウルが素晴らしい笑顔で俺に口づけた。その台詞を聞いた途端に、俺の身体のこわばりも解け、ラウルの指が奥まで侵入した。
 なにかを探すように指がゆっくりと動くのを、目を閉じて感じていた。その時。

「——っア!?」
「ここ?」
「んっ、ん、なんだこれ、ひ、ぁ……っん」

 ラウルの指が探り当てた一点に、身体がびくんと跳ねた。そこはだめだ、落ち着かない。でももっと触れてほしい。
 おかしな声が上がるのを堪えようとしているのに、口を開くと声が漏れでてしまう。下の方からぐちゅぐちゅと粘着質な音が響くのもゾクゾクする。

 あっという間にラウルの指が増やされて、内部に与えられる快感にビクビクと震えることしかできなくなった。
 前も痛いほど張り詰めてしまったから、自分の口を塞いでいる手と逆の手で掴んで慰めようとした。だけど、ラウルに「手はこっち」と背中に誘導されて、しがみついているだけになってしまう。

「っく、ラウル……ぅ、ちんこきつい」
「サク……少しだけ我慢して」

 ラウルが少し身体を離して、ガチガチになったものを俺の散々ほぐしたところにあてがった。やっぱでかくて厳しいと思ったが、これ以上指で弄られて悶えているだけというのもまだるっこしい。
 当てるだけで、俺の顔を迷子のような顔で見るから、つい笑ってしまった。

「今さら迷うなよ。ほら、お前がしっかり準備したんだからいけるだろ」
「……っうん。サク、好き」
「はは……っぅ……く……っ」

 きつかったが、苦しいだけで痛みはなかった。指一本でやばかったのがほんの少し前なのにすごい。やればできるもんだ。
 挿れただけで、感極まったように動きを止めたラウルの顔を見ると、ぼたぼたと涙を流している。なんでお前が泣くんだ!?

「っ、なに、泣いて」
「だって……サクと……してる。気持ちいい……っ」

 頭をぎゅっと両手で引き寄せられて、体勢はかなりきついのに許せてしまう。身体が大きくなっても、俺よりちんこが高くてもラウルが可愛い。
 こうなったらお互いに気持ちよくなりたい。
 ラウルだって口調が女というだけで、心も身体も男だ。

「ラウル、お前、動け。このままじゃ、イけないだろ」
「でも」
「もういってんだ。俺は頑丈だから壊れたりしねえよ」

 こんなところでも、ラウルに兄貴風を吹かせてしまう。盲目的に俺を信じて心を預けてくるラウルは、俺にとっても可愛くてたまらない。
 それに、こういうやり方があるってことは、これがいいってなった先達がいるってことだ。二人で楽しく幸せになるために、何でも試していったほうがいい。ただでさえ、俺たちは男同士で普通じゃないんだから。

「サク……ァ、きもちいい、あぁ」
「んぅっ……んっ……くぅ……んっん」

 ゆっくりと腰を動かしながら、ラウルが気持ちよさそうな声を上げている。器用なラウルはこんなときも器用に、さっき俺が反応していた部分を擦るように動くから、俺もすぐに苦しいよりも気持ちよくなってくる。
 口を開けば、ラウルよりもやかましくしてしまいそうで、年上のプライドが許さなかった。
 だんだん、さっき責められた部分だけじゃなくて受け入れている部分全体が痺れるように熱くなってくる。これは……なにかまずいことになってしまいそうだ。

 ラウルと俺の腹の間で頼りなく揺れている俺のモノを握った。前の刺激に快感が増幅してほっとする。
 俺だって男なのに、ラウルに突っ込まれているだけで満足してしまいそうで怖い。

「は……ぁ……んぅ……んっ」
「サク、サク、もう……ぁあっ!」
「ン――ッ!!」

 ラウルの切羽詰まった声と、受け入れた部分で感じる悦楽が……やばかった。自分で自分のを握っていたけれど、握っているだけでほとんど動かしていなかった気がする。
 男同士でするのがこんなに気持ちがいいなんて知らなかった。

 脱力してラウルが俺に乗っかってきたが、潰されたりはしない。でっかくなったなぁとその背を抱きながら思うだけだ。

「……あっ、サク、ごめんなさい」
「いいよ。もたれておけ。……すごく良かった」

 少しだけ迷って、男は快感も隠せないから見てわかるだろうけれど、いちおう伝える。
 俺の言葉に、ラウルが俺の顔じゅうにキスをしてくる。犬みたいだ。

「私も……私も」
「またしような」
「うん」

 花が咲くように笑うラウルは、初めて見た時から変わらず、すごく綺麗だった。

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