上 下
22 / 25

22 言葉責め3(これ言葉責めであってる?)*

しおりを挟む
 こんな屈辱的なこと、ヒューゴは絶対に許さない。だけど俺とダールによって開発されたヒューゴの身体は、もうダールのものがなければおさまらない。諦めて楽しんじゃおうぜヒューゴ。

 溢れる魔力の制御のために嫡子の座を追われて結婚する必要もなくなったヒューゴは、外見も力も関係なく、いつも傍らにあった魔力だけが友達だった。感情のない純粋な力である魔力は、何でも願いを叶えてくれる。それで満足していたはずなのに、ダールが他人と身体を重ねる喜びを教えた。彼が対等に語り、笑い合う楽しさを教えてくれたじゃないか。
 見上げたダールは、蔑むような口調とは裏腹に、楽しそうに笑っている。取り澄ました帝国の貴族たちとは違う、心からの笑顔だ。

「まだ恥ずかしがってんのか?」
「ダール……お前が、欲しい」
「お望みのままに、閣下?」

 寝台に座るダールの足元に跪いたまま、ヒューゴは、羞恥に震える手で服を脱いだ。今まではダールが襲い掛かるようにして脱がせていたから、自分から脱いでみせるなんて初めてではないだろうか。

 俯いているから少し伸びた銀の髪が視界に入る。そうだ、俺は美しく強い魔法使いだ。
 ダールが俺を捨てたくても、魔法で繋ぎとめることだってできる。何も不安に思うことなどない。
 かくなる上は、ギンギンにやる気を主張しているダールのものを攻略して、今度はダールにお願いだと言わせたい。
 俺からは鏡が見えないが、ダールからは俺の後ろ姿が見えている。美しい俺の裸体はさぞかし扇情的に見えていることだろう。

 ダールのものを手に取り、ちゅっと音を立てて先端に口づけた。ぴくりと反応するそれに可愛げなどかけらもないが、愛おしい。
 浮いている血管を舌先でツーっとなぞり、先端を唇で浅く食むと、ぷくりと雫が浮いてくる。ダールの手が俺の頭に置かれて、手触りを楽しむように髪に指を絡めてきた。

「帝国の偉大なる魔法使い、は、こちらも、ずいぶん上手だな」
「ん……、仕込んだのは、誰だ」
「はは、後ろが足りないのか。棒でも突っ込んでやろうか」
「……ここはダールの肉棒専用だ」

 ダールのものを舐めたり吸ったりしながら、空いた片手で己の後孔を弄っている。魔法の力が戻ったために少し出し過ぎた潤滑用の水分が、内腿を伝って下りている。
 後ろではぐちゅぐちゅと、口ではぴちゃぴちゃじゅるりと下品な音を立てている。

「ヒューゴ、くっ」
「ふぁ……っ」

 指では入口付近を広げるので精いっぱいだ。早くダールのモノがほしいと思い、咥えて吸ったところ、引きはがされて顔にかけられた。この俺の美貌になんてことを。
 イラっとしてダールを睨むと、いい笑顔で笑っている。

「お前の顔によく似合ってる」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕

hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。 それは容姿にも性格にも表れていた。 なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。 一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。 僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか? ★BL&R18です。

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。

猫宮乾
BL
 異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

メゴ ~追いやられた神子様と下男の俺~

てんつぶ
BL
ニホンから呼び寄せられた神子様は、おかしな言葉しか喋られない。 そのせいであばら家に追いやられて俺みたいな下男1人しかつけて貰えない。 だけどいつも楽しそうな神子様に俺はどんどん惹かれていくけれど、ある日同僚に襲われてーー 日本人神子(方言)×異世界平凡下男 旧題「メゴ」 水嶋タツキ名義で主催アンソロに掲載していたものです 方言監修してもらいましたがおかしい部分はお目こぼしください。

若さまは敵の常勝将軍を妻にしたい

雲丹はち
BL
年下の宿敵に戦場で一目惚れされ、気づいたらお持ち帰りされてた将軍が、一週間の時間をかけて、たっぷり溺愛される話。

ご主人さまにはかなわない

ゆうきぼし/優輝星
BL
幼いころに誘拐をされ、唇を奪われたウィリアム。しかしそれがきっかけで育ての親たちの財産目当ての思惑に気づくことになる。ショックを受けながらも執事のグレンだけは自分の味方だと悟る。「お前だけは僕の傍にいてくれ」ウィリアムはグレンと共に自分の道を進んで行こうとする。 しかしグレンはヒトではなかったのだ……。 腹黒人外執事×無自覚純粋主人  *マークがついた回には性的描写が含まれます。 他サイトにも載せています。 ・執事アンソロジー(2022年6月発行)寄稿作品。一部改稿+書き下ろし

王子様のご帰還です

小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。 平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。 そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。 何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!? 異世界転移 王子×王子・・・? こちらは個人サイトからの再録になります。 十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。

ゲーム世界の貴族A(=俺)

猫宮乾
BL
 妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。

タチですが異世界ではじめて奪われました

BL
「異世界ではじめて奪われました」の続編となります! 読まなくてもわかるようにはなっていますが気になった方は前作も読んで頂けると嬉しいです! 俺は桐生樹。21歳。平凡な大学3年生。 2年前に兄が死んでから少し荒れた生活を送っている。 丁度2年前の同じ場所で黙祷を捧げていたとき、俺の世界は一変した。 「異世界ではじめて奪われました」の主人公の弟が主役です! もちろんハルトのその後なんかも出てきます! ちょっと捻くれた性格の弟が溺愛される王道ストーリー。

処理中です...