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1 気付いたら断罪シーン

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「お前たちの罪は白日の下に晒された」

 なんだこれ。
 話しているのは、目に痛いほどの煌びやかな金髪に宝玉のような青い目をもち、白地に金の装飾のある衣装を着た、いかにもな王子。その背後にはパッとしない地味めの少女。モブの中のモブといった雰囲気だ。
 王子は彼女を守るように立っている。あれの何がいいかわからないけど、この場の中心になっていることだけはわかった。記憶にないが嫌悪感だけが止まらない。間違いなく俺はあのモブ少女が嫌いだ。
 そして肩から背中にかかる痛み。そう、俺は何者かに床に押さえつけられている。床に垂れている編まれた銀色の髪は位置的に俺のもののようだ。
 さて俺は誰でしょう。

「タタリース侯爵家アイリーン、並びにヒューゴ、両名をガダクツク牢獄へ生涯幽閉とする。当然、アイリーンと私の婚約は消滅する」

 アイリーンじゃない、俺は男だからヒューゴか? あっ、痛い痛い、編まれた髪を掴んで顔を上げさせられた。痛いから、間違いなく俺の頭と繋がっている髪で間違いないだろう。そのままザクザクって、髪切られました。頭が急に解放されて軽くなる。首が斬られたわけじゃないのは良かったのかもしれないが、なんで?

「いくら最強の魔法使いといえど、魔力封じの手枷をつけられ、媒体である髪を奪われては魔法も使えまい」

 あー、そういう設定ですか。俺は魔法使いなのね。せっかく魔法使いなのに、魔法を封じられて残念すぎる。一回ぐらい魔法を使ってみたかった。だけど手枷が重くて身体の自由がきかない。魔力封じというのが効いているのだろうか。魔力だけじゃなく身体の自由も封じられている感じがある。
 お隣では俺と同じ銀髪の美女が、俺よりは丁寧に捕縛されている。これがアイリーンか、あっちもなんかびっくりした顔をしている。見開い紫の瞳で金髪王子のほうを、次に俺を見てがっくりと項垂れた。ごめん、がっかりさせてしまって……。

 それから、二人揃って仲良くお隣の牢獄へ入れられた。うーんこのじめっとした感じ、地下牢ですねわかります。
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