60 / 62
悪役王子だるまにされたけど四肢を取り戻した 9 *
しおりを挟む
「なんだよ」
「いいえ? で、しますか? そこに触手もいるから、とっとと済ませるにはあれから粘液を取ればいい」
イリアスへの嫌がらせのつもりだったのに、嫌がっていないことが悔しい。だけど童貞喪失のチャンスだ。たぶん両想いだし……やってみよう!
「やる。触手、粘液をよこせ。イリアスは服を脱げ」
「かしこまりました」
「私はどうすれば」
「静かにしてろ」
「はい」
イリアスが従順にベッドに転がった。おれの手には触手が垂らした媚薬粘液がある。これをイリアスの後ろを慣らすのに使って、童貞を……捨てる……。妙な緊張感で心臓が爆発しそうだ。
「足を立てろ」
仰向けのまま足を立てたイリアスは、珍しく通常状態の性器を晒している。自分がされる側では興奮しないんだろう。うーん、まずはこれを勃起させたほうが良いかもしれない。ほら相手が気持ちよさそうなほうが、無理矢理感ないし……。
おれはイリアスの性器を粘液塗れの手で包んでぬちゅぬちゅと刺激を与えた。すぐに天を突く立派なそれを見ると、なぜか口の中に唾液が溜まってきてしまった。
指で慣らしている間、舐めたらきっと後ろの違和感も気にならないだろう。おれはとりあえずそれを口に含んだ。
「ドゥルマ、俺は何をしたらいい?」
上のほうからイリアスの声が聞こえたが、おれはもうしゃぶるのに夢中で聞こえなくなっていた。自分の身体が寂しくて、左手でイリアスの陰嚢を揉みながら、右手で自分の乳首を弄った。ああ、後ろを埋められたい。
「俺に挿れるなら慣らしてくれないと」
「んっ、ふぅっ……んっんっ」
口のなかのものを、おれが挿れたい。これが欲しい。どうしてこんなに欲しいんだ。
「ドゥルマ、自分から粘液を舐めたら、そうなるだろう」
後ろに何かが挿いった。ああああこれが欲しかった。でも、足りない。もっと太いのを……。
「テンタクル、邪魔をするな」
イリアスがびしっと注意すると、後ろのものが離れていった。
「ぅぁ、あ……、や、イリアス、足りない」
「二人で抱き合いたかったんだろう?」
「触手は数に含まないから……ぁっん、足りない」
「挿れられるものならここにある」
「あ……」
限界だった。仰向けのイリアスの上に跨って、自分から角度を調整して挿れていく。足がなかった時は持ち上げられて好き勝手使われていたけれど、今はおれが自分でこれを喰うんだ……。これは犯されているんじゃない。おれが、主導権を。
「んんん――!!」
思い切って腰を落としきったところでイってしまう。これは仕方がないだっておれの名前……。
「ぁ……っは、……あ」
「動いてくれないのか?」
「おれの、好きなようにする、から、黙って、ぁんっ! 馬鹿、触るなぁ」
イった余韻に浸っているところを、乳首を摘ままれて、イリアスの手を払いのけた。まだ全然足りないのはお互い様だ。イリアスを見下ろして文句を言えることが嬉しい。童貞はやっぱり無理だったけど、おれが上だ。誰にも支配されないで、快楽を貪ることの気持ちよさ。
「触手、イリアスを拘束しろ。おれがいいと言うまで離すなよ」
「ドゥルマ」
余裕の顔が少しだけ焦ったのが嬉しくて、イリアスの唇を少しだけ齧ってからおれは動き出した。
「んっ、あ、……んんっ」
ゆっくりと味わうように腰を回して、どう動いたらいいところに当たるか考える。腰を、こう……ここだ。
「あっ……ここ、ああ、んっぅ」
「ドゥルマ、そこだけじゃ足りないだろう」
「足りないけど……それがいい……」
開発され尽くした乳首も、清らかな性器も、触れられないまま揺れている。イリアスが不自由ながらも腰を動かしてくるからロデオみたいだ。暴れ馬め。
「うま……ぁあっ」
「何が馬だ!?」
「アッ、ひぅっ……アー―っ!」
心の声が漏れてイリアスが何か言っていたが、もう駄目だった。前から出さないままイって、びくびくしていると、視界の端に違和感があった。
「ドゥルマ、終わったなら腕を解放しろ」
「待って、なんか、卵が」
「なんだと!? ドゥルマ! 拘束を外させろ!!」
イリアスどころじゃなかった。卵にひびが入っていた。慌てて卵の入っている籠のところまで行くと、おれの目の前で一気にヒビが広がって砕けた。
「いいえ? で、しますか? そこに触手もいるから、とっとと済ませるにはあれから粘液を取ればいい」
イリアスへの嫌がらせのつもりだったのに、嫌がっていないことが悔しい。だけど童貞喪失のチャンスだ。たぶん両想いだし……やってみよう!
「やる。触手、粘液をよこせ。イリアスは服を脱げ」
「かしこまりました」
「私はどうすれば」
「静かにしてろ」
「はい」
イリアスが従順にベッドに転がった。おれの手には触手が垂らした媚薬粘液がある。これをイリアスの後ろを慣らすのに使って、童貞を……捨てる……。妙な緊張感で心臓が爆発しそうだ。
「足を立てろ」
仰向けのまま足を立てたイリアスは、珍しく通常状態の性器を晒している。自分がされる側では興奮しないんだろう。うーん、まずはこれを勃起させたほうが良いかもしれない。ほら相手が気持ちよさそうなほうが、無理矢理感ないし……。
おれはイリアスの性器を粘液塗れの手で包んでぬちゅぬちゅと刺激を与えた。すぐに天を突く立派なそれを見ると、なぜか口の中に唾液が溜まってきてしまった。
指で慣らしている間、舐めたらきっと後ろの違和感も気にならないだろう。おれはとりあえずそれを口に含んだ。
「ドゥルマ、俺は何をしたらいい?」
上のほうからイリアスの声が聞こえたが、おれはもうしゃぶるのに夢中で聞こえなくなっていた。自分の身体が寂しくて、左手でイリアスの陰嚢を揉みながら、右手で自分の乳首を弄った。ああ、後ろを埋められたい。
「俺に挿れるなら慣らしてくれないと」
「んっ、ふぅっ……んっんっ」
口のなかのものを、おれが挿れたい。これが欲しい。どうしてこんなに欲しいんだ。
「ドゥルマ、自分から粘液を舐めたら、そうなるだろう」
後ろに何かが挿いった。ああああこれが欲しかった。でも、足りない。もっと太いのを……。
「テンタクル、邪魔をするな」
イリアスがびしっと注意すると、後ろのものが離れていった。
「ぅぁ、あ……、や、イリアス、足りない」
「二人で抱き合いたかったんだろう?」
「触手は数に含まないから……ぁっん、足りない」
「挿れられるものならここにある」
「あ……」
限界だった。仰向けのイリアスの上に跨って、自分から角度を調整して挿れていく。足がなかった時は持ち上げられて好き勝手使われていたけれど、今はおれが自分でこれを喰うんだ……。これは犯されているんじゃない。おれが、主導権を。
「んんん――!!」
思い切って腰を落としきったところでイってしまう。これは仕方がないだっておれの名前……。
「ぁ……っは、……あ」
「動いてくれないのか?」
「おれの、好きなようにする、から、黙って、ぁんっ! 馬鹿、触るなぁ」
イった余韻に浸っているところを、乳首を摘ままれて、イリアスの手を払いのけた。まだ全然足りないのはお互い様だ。イリアスを見下ろして文句を言えることが嬉しい。童貞はやっぱり無理だったけど、おれが上だ。誰にも支配されないで、快楽を貪ることの気持ちよさ。
「触手、イリアスを拘束しろ。おれがいいと言うまで離すなよ」
「ドゥルマ」
余裕の顔が少しだけ焦ったのが嬉しくて、イリアスの唇を少しだけ齧ってからおれは動き出した。
「んっ、あ、……んんっ」
ゆっくりと味わうように腰を回して、どう動いたらいいところに当たるか考える。腰を、こう……ここだ。
「あっ……ここ、ああ、んっぅ」
「ドゥルマ、そこだけじゃ足りないだろう」
「足りないけど……それがいい……」
開発され尽くした乳首も、清らかな性器も、触れられないまま揺れている。イリアスが不自由ながらも腰を動かしてくるからロデオみたいだ。暴れ馬め。
「うま……ぁあっ」
「何が馬だ!?」
「アッ、ひぅっ……アー―っ!」
心の声が漏れてイリアスが何か言っていたが、もう駄目だった。前から出さないままイって、びくびくしていると、視界の端に違和感があった。
「ドゥルマ、終わったなら腕を解放しろ」
「待って、なんか、卵が」
「なんだと!? ドゥルマ! 拘束を外させろ!!」
イリアスどころじゃなかった。卵にひびが入っていた。慌てて卵の入っている籠のところまで行くと、おれの目の前で一気にヒビが広がって砕けた。
15
お気に入りに追加
620
あなたにおすすめの小説
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる