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悪役王子だるまにされてエロ産卵してしまった 3

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 翌日には早速シャイオが呼ばれて、おれは左足をゲットした。ここまで来たら、片足を義足にしても普通の人間のようだ。もうだるまじゃない!

「シャイオ、ありがとう」
「ドゥルマ様にお喜び頂けるのが何より私も嬉しく思います。もし、許されるならドゥルマ様のお情けを賜りたく」

 お情け? おれとヤりたいということか。イリアスは、不機嫌そうだが口を出さない。
 卵を産んでから、枯れたようにおれの性欲は落ち着いてしまった。カリデュカとも滅多に会えないし、盛り上がりようがない。今、おちんぽ狂いの日々が嘘のように、おれは柔らかなおっぱいを欲している。

「身体を与えよというのか?」
「ほかには何も求めません。ただ、ドゥルマ様に触れたいと願っております」

 もう手足あるから好みから外れたんじゃないのか。それに、おまえおれに「ビッチ」って言ったよ。忘れてねえぞ?

「ビッチなおれがいいのか?」
「大歓迎です!!」

 意地悪い気持ちで、イリアスに聞こえないように囁いたが、鼻から湯気が出そうな顔で全肯定されてしまった。いっそ潔い。いまならヘロヘロっぽいし、さすがのシャイオでも回数が少なくて済むだろうか。いやいや、どうしておれはヤることへのハードルが下がっているんだ。
 おれはオナホではないという人間としての尊厳を取り戻すはずだった。手足ができてもオナホを自主的にやったら本末転倒だ。

「おれは嫌だ。いまはイリアスだけでいい」

 正式な配偶者候補としてイリアスが傍にいる以上、断るのは楽だった。足一本ぐらいなくても、だるまじゃないし。できたらもう一本生やしてほしいが、自分を安売りして縋るのは違う。おれ、これでも王子様だもんね。

「だ、そうだ。諦めろシャイオ。今までとは違う」
「約束が違う。イリアス様の次は私の子を孕むのだろう? だから毎日ドゥルマ様が他の男に抱かれて啼いている声を聞いても我慢していたのに」
「我慢なんてしてなかっただろう。それを聞いて自慰に耽っていたのを知っている」

 勝ち誇った態度と声でイリアスが放った言葉に、シャイオが悲しげに訴える。ちょっと可哀想だと思ったが、イリアスの突っ込みに納得する。シャイオも否定しないってことは、NTR気分で楽しんでいたのだろう。想像できてしまった自分が哀しい。

「自慰と穴は別物です」

 穴って言いやがった!! やっぱりおれのことを穴だと思っていやがったな!!
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