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悪役王子だるまにされたけど王太子として王宮に戻ることになる 2

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「やめて彼に乱暴をしないで」

 自分も拘束されながら、涙を流してカリデュカがおれを案じている。あああ、この展開神ってる。カリデュカに竿がついていたから、このエロBL世界でも愛し合えたなら童貞のままでもいいだろう。ああ、この際妥協してやる。あのおっぱいがおれのものなら、命だって捨てられ……?

「カリデュカ、と言ったか、ドゥルマ様は俺の婚約者だ。俺たちは深く愛し合っている」

 やめろヤンデレ! 
 おれを背後から抱きかかえたイリアスが、カリデュカに宣戦布告する。

「あなたたちはどちらも男性だわ。神が許すはずがない」

 えーっと、嬉しいけど、カリデュカがそれ言う? 

「魔女よりは人間のほうがいいと神も仰るだろう」

 イリアスVSカリデュカ。カリデュカがイリアスに負けていないことに驚いてしまう。カリの大きさはそりゃ彼女のほうが大きかったけど。……彼女、、でいい、よな? 人間部分は女性で、魔物部分が股間に残ってしまった可哀想な女性ひとだ……だよな?


 ヤンデレイリアスの基準は不思議なもので、カリデュカのことを評価したらしく扱いが丁寧になった。おれを保護した功績を認めて客人扱いで王宮に連れていかれることになった。

「え? 王宮? いいのか?」
「正当な王位継承者が戻ることに何の不都合があるでしょうか」

 討伐隊の面々を見回すと、きゅっと表情を引き締めて敬礼をするもの、敬礼をするけれど目が泳いでいるもの、敬礼しながら股間を盛り上げている奴がいる。最後のやつ、なんで!! 

「ドゥルマ殿下、服が」

 ちょうどいい服がないから、カリデュカの父親の服だったものを上だけ着ていた。下は捲り上がらなければ見えないから履いていない。カリデュカがズボンの足を切って履くか聞いてくれたのだが、誰も見ないし、カリデュカの父親の思い出の品を切るのは嫌で断ったんだった。だるまになってから下着の概念はをほとんど忘れていたし。
 そういう事情だから、ちょっと激しく動くと尻が出る。いまも下半分ほど見えているから、そのせいで興奮してしまった隊員がいたらしい。興奮するならカリデュカの胸だろ……。

「殿下に下着も与えないとは」

 お前も下着与えなかったよな!? 

「カリデュカの亡き父親の服を借りているんだ。下着もくれようとしたが、この足では合わないから不要だとおれが言った。イリアス、お前が言うのか」

 睨みつけると、イリアスがにっこりと笑う。なんで笑うんだ。

「諦めずに探していて良かった。こんなに近くにいらっしゃったとは。魔女に幻惑されてしまったのでしょう。王宮に戻れば目も覚めましょう」

 幻惑はされてないけど、カリデュカのアレが幻ならどれだけよかったことか。アレさえなければ完璧な恋人なのに……いや、アレがあるからカリデュカみたいな魅力的な美人が森の奥に引きこもってるんだから何とも……難しい問題だ。
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