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悪役王子だるまにされて世界に復讐するターンが回ってくる? 6

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 イリアスはおれが逃げられないと信じているから、部屋に見張りはいない。
 むしろ抵抗できないおれが犯されたらと言う心配をしているみたいで、部屋の外に女性兵士と混合で見張りをさせているようだ。だるまに欲情するやつがそうたくさんいてたまるか。女性もいる世界で男が男ばかり奪い合っていたら子孫が増えなくて困るだろう。

「……イリアス、魔石が欲しい」
「何故? 不自由はないよう計らっているはずだ」

 確かに世話はしてもらえている。可愛い女の子が表情を殺して世話をしてくれる。一回間違っておれに触れてしまって、えんがちょって感じの顔をされて泣きそうな気分になったけどな。
 それはさておき、正直に答えたほうがいいだろう。耳障りのいい感じの言い方で。

「イリアスを……抱きしめるための腕が欲しいんだ……」

 甘えるようにイリアスの肩に額を当てた。どうだ。渾身のおれの演技!!

「必要ない」

 お前もだるまが好きな変態か――!!
 次の言葉を重ねる前に、イリアスがおれをぎゅっと抱きしめた。突っ込まれていないのに抱きしめられるのは初めてかもしれない。どれだけおれ突っ込まれてばかりなんだろう。

「俺が抱きしめてやる」
「っ、そうじゃなくて、おれがイリアスを抱きしめたいんだ。与えられたものを返したいと願うのは、いけないことなのか」
「ドゥルマ……。なぜ魔石なんだ」
「シャイオが、魔石に魔力を貯めて使えば、おれみたいに魔力が少ない人間でも大きな魔法が使えると言ったんだ」
「シャイオ、お前を穢していた魔法使いか」

 え、おれを穢していたとか、お前が言っちゃうの? 痛くないけど、お前シャイオとやってることは変わらないよ?

「穢していたって……おれだって好きでそんな」
「すまない。ああ、許してくれ。ドゥルマ、お前のことになると正常な判断ができなくなる」

 やっぱりおかしくなっているのか。クレイジー・フォー・ユーってやつだな。やめてくれよ。いやいや、今はそれを利用させてもらわなければならない。

「今のままじゃ、シャイオとお前は変わらない。あいつにはしていないことを、お前にしたい。両手でイリアスを抱きしめたいんだ!」

 触手で抱きしめられるとか嫌だろう!!??

「ドゥルマ、それほどまでに俺のことを想ってくれるようになったのか」

 少なくとも身体は陥落している。もうヤられるならイリアスがいいって思う。好きかと聞かれたら、おれは嫌われていても世話してくれるあのメイドの子がかわいくて好きだけどな! おっぱい大きいし!

「好きだ……」

 おっぱいが。あの子を世話係にしてくれてありがとうイリアス。

「待っていろ。ヨゥクォーリ公爵家に集められないものはない。領地中、いや、王国中から魔石をかき集めてお前に捧げよう」

 そう言うなり、イリアスは部屋を飛び出ていった。ちゃんと股間のものを仕舞っていたか心配だ。

 
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