悪役王子だるまにされてエロBL世界を生き抜いていく

爺誤

文字の大きさ
上 下
9 / 62

悪役王子だるまにされて世界に復讐したかったのに触手が生えてしまう3

しおりを挟む
 その割に最初酷かったけどな。慣らしも慣らしもせずにぶち込まれて、血塗れで犯された恨みは忘れられない。

「普通好きなら優しくするもんじゃないのか?」
「私はドゥルマ様が初めてでしたので、勝手が分からず、手に入れられ喜びのあまり目が眩んでいました。書物で男性同士の交合はああいうものだと読んだもので……」

 変態の読む書物がどんなものか気になるが、きっとSM的な何かだったのだろう。本当にこの世界の雑なことといったらない。もうちょい人を思いやれる世界にならないものなのか。
 隣国の王子ゲイヴにしても、手に入れるために洗脳するとか人権意識が低すぎる。

 触手を召喚したせいで魔力はからっけつだ。もともと少ないのをコツコツ貯めたのに、宿主を犯す触手とかほんと勘弁してくれ。
 あーでも、大きな鳥を召喚できたら羽が生えて空を飛べるだろうか。……空飛ぶだるま人間(触手つき)……あとのことは考えないでおこう。

 とりあえず体力を回復しよう。なんかもう簡単に死なせて貰えなさそうだし、せめてシャイオの手を借りずに生きられるようになりたい。

「シャイオ……おれは触手じゃない手足が欲しい。おれを想ってくれるなら、お前の癒しの力でどうにかできないのか」
「かわいいのに」
「は?」
「あ、いえ、欠損を補うには膨大な魔力が必要なので、私には無理です」

 かわいい? シャイオの野郎、だるま状態をかわいいだと言った。もしかして、おれのこの状態は全部こいつに仕組まれていたんじゃないか?
 魔法研究なんてしていた奴だ、おれが魔力を貯めてなにかをしようとしてきたのは気付いていた可能性が高い。触手にしてもこいつのせいで喚び出す羽目になった。
 何もかもこいつが。

「魔力を貯められる魔石が見つかったそうなので、手に入れられないか聞いてみますね。今のままでも愛らしいですが、やはりドゥルマ様は手足があった方が美しいですし」

 もじもじしながら、チラッチラっとおれを見て顔を赤くしているシャイオ。一瞬膨れ上がった不信感がシュンと萎んでいき、行き場のないやるせなさが全身を支配した。
 これだ、この世界の中途半端な優しさ。憎みきれない消化不良な展開。絶望も希望も突き抜けない微妙さ。

 もしかしてエロメインのゲームだったから、世界の作り込みが甘いのか? 悪いやつはとりあえず酷い目にあわせとけ、でもゲームだしそこまで酷くしなくても良いよね的な……。まさかな。まさか……。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

処理中です...