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悪役王子だるまにされて世界に復讐したい1
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「刑を言い渡す。第2王子ドゥルーマは四肢を切除したうえ、生涯幽閉とする」
刑を言い渡された時、おれは自分がどこにいるのかを理解した。ここはゲームの世界だったはずだ。
BLゲームの中で主人公を手に入れようとして策を弄するバカ王子。完全なる当て馬で、隣国の王子に負ける。どう頑張ってもおれルートは存在しない救いようのない悪役。そんな奴だから、厄介ごとを嫌がった実の父に罪をでっち上げられて投獄されるという、かなり可哀想な役割だ。
なんで今思い出すんだよ!!
普通もうちょい早く思い出して、回避するために必死で頑張るのがセオリーだろ!?
四肢切断って、ただの幽閉より悪い。いっそ殺してくれたほうがいい。いや、魔法のある世界だから、痛みもなく切断するとかあるのか……? その前にそんな恐ろしい刑罰がある世界だなんて聞いてないぞ。
なんて現実逃避してたけど、結局はギロチンで一つずつ落とされた。
見てると恐怖で死んじゃうから、目隠しされてたけど、痛いというより熱い? なんていうの? なんか凄くてわあわあ泣き叫んだ。だっておれの腕が落ちる音を聞く。足が衝撃とともに突然軽くなる、そんな経験したことのあるやつなんてそうそういないだろう。
そのまま失血死させてくれたらいいのに、その時だけは魔法で治癒してくれて、気づいたら手足のない自分を鏡で見せられていた。
知らない男が俺を羽交い絞めにするように持っている。手足は根元から十センチぐらい残して全部ない。十センチ残されたのは持ちやすくするためか……。単にギロチンにセットしやすい位置がそこだったのかもしれない。
視覚で確認させられる現実は、状況を頭で理解していても実感がなかったおれに重くのしかかった。
恥も外聞もなく涙がだらだらと零れる。それを拭くための手はない。
「お、おれの手……足……っうえっ、えっ……」
「おやおや、命があることに感謝はないのですか? 殿下」
「お、王族の籍からは抜かれたんだろ?殺してくれ……ひっく」
「抜かれていません。貴方は天寿を全うしなければならない」
心底嬉しそうに話す男がだれかわからない。白いローブを着ていることから、医療魔法の使い手だろうが……。
おれは辛うじて服を着せられているが、手足がないから酷く不恰好だ。ぷらぷらと揺れる袖がその先がないことを知らしめる。
切断面があるはずの場所は痛みもなく、まるで最初からなかったようだ。おれの腕……。
「いま新しい服を作らせていますから、少しお待ちくださいね。殿下にぴったりの服を用意いたします」
「ふ、服なんていらない。殺してくれ、こんな状態で生き続けるなんて耐えられない」
ぼろぼろと涙を撒き散らして首を振ったが、だめだと男は笑う。
刑を言い渡された時、おれは自分がどこにいるのかを理解した。ここはゲームの世界だったはずだ。
BLゲームの中で主人公を手に入れようとして策を弄するバカ王子。完全なる当て馬で、隣国の王子に負ける。どう頑張ってもおれルートは存在しない救いようのない悪役。そんな奴だから、厄介ごとを嫌がった実の父に罪をでっち上げられて投獄されるという、かなり可哀想な役割だ。
なんで今思い出すんだよ!!
普通もうちょい早く思い出して、回避するために必死で頑張るのがセオリーだろ!?
四肢切断って、ただの幽閉より悪い。いっそ殺してくれたほうがいい。いや、魔法のある世界だから、痛みもなく切断するとかあるのか……? その前にそんな恐ろしい刑罰がある世界だなんて聞いてないぞ。
なんて現実逃避してたけど、結局はギロチンで一つずつ落とされた。
見てると恐怖で死んじゃうから、目隠しされてたけど、痛いというより熱い? なんていうの? なんか凄くてわあわあ泣き叫んだ。だっておれの腕が落ちる音を聞く。足が衝撃とともに突然軽くなる、そんな経験したことのあるやつなんてそうそういないだろう。
そのまま失血死させてくれたらいいのに、その時だけは魔法で治癒してくれて、気づいたら手足のない自分を鏡で見せられていた。
知らない男が俺を羽交い絞めにするように持っている。手足は根元から十センチぐらい残して全部ない。十センチ残されたのは持ちやすくするためか……。単にギロチンにセットしやすい位置がそこだったのかもしれない。
視覚で確認させられる現実は、状況を頭で理解していても実感がなかったおれに重くのしかかった。
恥も外聞もなく涙がだらだらと零れる。それを拭くための手はない。
「お、おれの手……足……っうえっ、えっ……」
「おやおや、命があることに感謝はないのですか? 殿下」
「お、王族の籍からは抜かれたんだろ?殺してくれ……ひっく」
「抜かれていません。貴方は天寿を全うしなければならない」
心底嬉しそうに話す男がだれかわからない。白いローブを着ていることから、医療魔法の使い手だろうが……。
おれは辛うじて服を着せられているが、手足がないから酷く不恰好だ。ぷらぷらと揺れる袖がその先がないことを知らしめる。
切断面があるはずの場所は痛みもなく、まるで最初からなかったようだ。おれの腕……。
「いま新しい服を作らせていますから、少しお待ちくださいね。殿下にぴったりの服を用意いたします」
「ふ、服なんていらない。殺してくれ、こんな状態で生き続けるなんて耐えられない」
ぼろぼろと涙を撒き散らして首を振ったが、だめだと男は笑う。
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