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引きこもり王子とおれ
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王子様が幽閉されて六年ほどが経っただろうか。廃墟は変わらないはずなのに、どこかあたたかな雰囲気を醸し出していて、おれにとって大切な建物になっている。
そんなある日、村長がおれのところに来た。どうも近場で暴れまわっている兵士がいるらしく、気をつけろという話だった。
話が終わっても帰ろうとしない村長を不審に思うと、おれを座らせて真面目な顔で話しはじめた。
「ティート、村にゃ若い奴がいない。隣村に未亡人がいるらしいから……」
「おれはひとりでいい。あんたらのことは最後まで面倒見てやるから、放っておいてくれ」
未亡人の噂は聞いている。十も年上の子供が五人ぐらいいる女だったはずだ。子供がいる以上、隣村も手放したりしないだろう。おれはここから離れる気もない。
「お前が一生ひとりじゃねえかって心配してるんだよ」
「ありがと。でもな、一人が長くて今更誰かと暮らそうなんて無理だ。今の生活に満足してるからなぁ」
「そうか……。気が変わったらすぐ言えよ」
「ああ、じゃあな」
悪気がないのを分かっていても、普通が難しいおれには苦しい話だった。顔を合わせることがなくても、王子様と静かに暮らしていくのが今の望みだ。
……ならず者か。あの頑丈な建物に入るのは難しいだろうから、王子様は無事でいられるだろう。おれも、普段から大きめのナイフを持ち歩くようにしよう。
と、思ってたのに忘れてしまった。何もないだろうと歩いていくと、どこかの兵士のような男の姿が見えた。あれがうろついているナカリホアの兵士か?
「/&/_##/&_&!」
言葉がわからない。これは隣国の言葉だ。間違いない、やばいと思う間もなく、取り囲まれ殴られて地面に叩きつけられた。ナイフは、ない。
おれに万一のことがあったら王子様はどうなる。死ぬわけにはいかない。地面に押さえつけられながら、何とかしようともがいたとき、何かが来た。
「うおおおおおおお!!」
兵士風の男たちが吹っ飛ばされて、おれは宙に浮いていた。正確には腹のあたりを掴まれているのだが……。
足が地面についたとき、空がとても近かった。
間近に立つその人は、粗末な服装ながら威風堂々とした体格の持ち主だった。黒髪黒瞳が当たり前のこの国では珍しい薄い茶色の瞳に光に透けて金に見える髪だった。
「ふーっ、ふーっ、こ、ここなら、安全だ」
低い声はおれの尾骨にじん、と響く。
これは何かとんでもない出会いをしてしまったんじゃないだろうか。平静を保つためにごくりと唾を飲んだけれど、音が響いたような気がしてしまう。
「お、王子、さま?」
じっと感情の読めない瞳でおれを見つめてくる美丈夫。ああ認めよう、おれの理想がここにある。だけど大丈夫だ、身分も違えば立場も違う。今は特殊な事態で偶然触れ合ってしまったが、一時的なものだ。
「助けてくれてありがと、ございます」
「いや」
「……」
「…………」
王子様は会話に慣れていないんだから、おれがリードしてあげなければ。立派に成長して見上げるほどだけど、年はおれのほうが上だ。
「王子様、最近ナカリホアから兵士が入り込んでくるようになったんです。この辺りは国境に近いから」
「そうか」
言われてもわからないかもしれない。でも王子様に危害を加えられるとは思わないが、心配だ。そうだ、ナカリホアが攻めてきたなら、王子様の安全のために外に出していいはずだ。彼を解放するチャンスだ。
王子様は自分が捨てられたことを知らないのだから……。
「おれは王子様を王都にお送りしようと思って来ました」
「無理だ」
「何故です、ここにいては危険です。王様も、王子様に万一のことがあったら」
我ながら白々しい。王様も、誰も王子様の様子を見にこない。姉が始末したものだと信じているのだろう。
汚い大人の世界とは裏腹に、王子様はどこまでも純粋だった。どこか寂しそうな瞳が切ない。
「王都には戻れない。でも知らせは必要だ。君が行ってくれないか」
「え!? そんなことをしたら食糧が」
「一ヶ月ぐらいなら何とかなる。王都まで行って戻ってどれぐらいかかるだろう……」
空を眺める彫像のような横顔にときめきが止まらない。かける言葉もなくじっと鑑賞していたら、ふっと彼が建物のなかに消えてしまった。慌てて口の端を拭く。涎出てた……。
彼を追って建物に入っていいのか迷ってしまう。中はどうなっているのだろう。彼のベッドがあったら、悶々とし過ぎて立っていられなさそうだ。今まで散々擬態して生きてきたのに、こんなところに落とし穴があるなんて。
いや後悔はない。一生出会えるはずのなかった理想の男性を間近で見られたんだ。あまつさえ腰を抱えて移動……涎どころか鼻血が出そうだ。
下へ降りる階段を見つめて股間を鎮めていると、王子様が戻ってきた。手には丸めた紙のようなものを持っていて、おれに差し出した。
「これを王子か、王女の誰かに渡して欲しい」
おれが行ってしまったら、彼の食糧を運ぶものはいない。村の人間は彼がここにいることも知らないのだから。だけど、彼の望みを叶えたい自分もいる。初めて惚れた相手がおれを頼ってくれているのだ、応えなければ男が廃る。
股間が鎮まっていて良かった。おれは精一杯背筋を伸ばして彼の目を見つめた。
「一ヶ月もつんですね?」
「ああ」
「わかりました。必ず戻ります」
「頼む」
王子様はまた上からおれを下ろしてくれた。下ろした途端にさっと身軽に登っていく姿が格好いい。
あれ、外に出れてたんじゃないか……?
辺りに兵士がいたら危険だから、聞きたいことがあったけれど駆け出した。こうなったら一刻も早く戻って、彼を解放しなければ。
王都までの道は、早々に馬に乗ることができて早くなった。
王子様のきょうだいは四人いる。一番上の王太子は会えないだろう。二番目のお兄さんであるソメーリ王子は財務を担当していて、商人からお金をガンガン取り立てているらしい。そのかわり庶民からの徴収が少なくて好かれている。上の姫君はすでに他国の王に嫁いでいて、下の姫君が貴族への、お輿入れを控えているとか……。
情報は全て城下町の酒場で仕入れた。姉がくれた分け前が役に立ったのだ。おれの王子様の命の値段……。
「女はいらない」
「じゃあ、男がいいの? ねえ、ゲーゥイ、このひと男のほうがいいんだって!」
「マジ! やった、俺狙ってたんだよね」
酒場から出たところで、娼婦の客引きを断ったら男娼がやってきた。都会はこんなにオープンでいいのか!?
……男娼。男を相手にする商売。おれは男が好きだが、そういう目的で誰かの身体に触れたことはない。僅かな逡巡を見透かしたように、男娼はおれの腕を取った。
「お兄さんどっち? 俺はどっちでもいけるよ」
「どっち?」
「やだ、可愛い。男役か、女役かってことだよ」
男役、女役と言われても意味がわからなかった。男女の閨についての知識も、おれにはなかったから。
口籠っているうちに話が進んでいく。
「はじめてなら、俺が女役するから教えてやるよ」
まごついているうちに、安宿に連れ込まれてしまった。そこで、おれはすごい世界があることを知った。
おれの目の前で、男娼は服を抜いで足を広げた。そして見せつけるようにオイルを垂らして、後ろの孔に指を入れたのだ。あんな場所をどうするのだとは聞けなかった。そこに、アレを入れるのだろう。鈍い俺でもわかる。
「すまん、勃たない」
「はぁ!? ここまで来たんだから」
「金は払うから、教えてくれ」
拍子抜けした様子の男娼から、男同士の閨のあれこれを聞いた。ついでに持っていたオイルも貰った。
男娼は慈愛に満ちた瞳で言った。
「男同士は気持ちいいし、子供もできないからやり放題だよ。健康な男なら、酒を飲ませたり目隠しして誤魔化して可愛がってやれば勃つ。そうしたら入れちまえば……あとは本能だ。うまくやれよ」
フラフラと宿に戻って、男娼の言葉を反芻した。
うまくやりたい。あんな理想の男が目の前にいるんだ、我慢なんてしたくない。駄目でもともと、一度きりでもいい。そのためには、彼の手紙を然るべきところに届けて早く帰ろう。
俺の王子様のところへ。
そんなある日、村長がおれのところに来た。どうも近場で暴れまわっている兵士がいるらしく、気をつけろという話だった。
話が終わっても帰ろうとしない村長を不審に思うと、おれを座らせて真面目な顔で話しはじめた。
「ティート、村にゃ若い奴がいない。隣村に未亡人がいるらしいから……」
「おれはひとりでいい。あんたらのことは最後まで面倒見てやるから、放っておいてくれ」
未亡人の噂は聞いている。十も年上の子供が五人ぐらいいる女だったはずだ。子供がいる以上、隣村も手放したりしないだろう。おれはここから離れる気もない。
「お前が一生ひとりじゃねえかって心配してるんだよ」
「ありがと。でもな、一人が長くて今更誰かと暮らそうなんて無理だ。今の生活に満足してるからなぁ」
「そうか……。気が変わったらすぐ言えよ」
「ああ、じゃあな」
悪気がないのを分かっていても、普通が難しいおれには苦しい話だった。顔を合わせることがなくても、王子様と静かに暮らしていくのが今の望みだ。
……ならず者か。あの頑丈な建物に入るのは難しいだろうから、王子様は無事でいられるだろう。おれも、普段から大きめのナイフを持ち歩くようにしよう。
と、思ってたのに忘れてしまった。何もないだろうと歩いていくと、どこかの兵士のような男の姿が見えた。あれがうろついているナカリホアの兵士か?
「/&/_##/&_&!」
言葉がわからない。これは隣国の言葉だ。間違いない、やばいと思う間もなく、取り囲まれ殴られて地面に叩きつけられた。ナイフは、ない。
おれに万一のことがあったら王子様はどうなる。死ぬわけにはいかない。地面に押さえつけられながら、何とかしようともがいたとき、何かが来た。
「うおおおおおおお!!」
兵士風の男たちが吹っ飛ばされて、おれは宙に浮いていた。正確には腹のあたりを掴まれているのだが……。
足が地面についたとき、空がとても近かった。
間近に立つその人は、粗末な服装ながら威風堂々とした体格の持ち主だった。黒髪黒瞳が当たり前のこの国では珍しい薄い茶色の瞳に光に透けて金に見える髪だった。
「ふーっ、ふーっ、こ、ここなら、安全だ」
低い声はおれの尾骨にじん、と響く。
これは何かとんでもない出会いをしてしまったんじゃないだろうか。平静を保つためにごくりと唾を飲んだけれど、音が響いたような気がしてしまう。
「お、王子、さま?」
じっと感情の読めない瞳でおれを見つめてくる美丈夫。ああ認めよう、おれの理想がここにある。だけど大丈夫だ、身分も違えば立場も違う。今は特殊な事態で偶然触れ合ってしまったが、一時的なものだ。
「助けてくれてありがと、ございます」
「いや」
「……」
「…………」
王子様は会話に慣れていないんだから、おれがリードしてあげなければ。立派に成長して見上げるほどだけど、年はおれのほうが上だ。
「王子様、最近ナカリホアから兵士が入り込んでくるようになったんです。この辺りは国境に近いから」
「そうか」
言われてもわからないかもしれない。でも王子様に危害を加えられるとは思わないが、心配だ。そうだ、ナカリホアが攻めてきたなら、王子様の安全のために外に出していいはずだ。彼を解放するチャンスだ。
王子様は自分が捨てられたことを知らないのだから……。
「おれは王子様を王都にお送りしようと思って来ました」
「無理だ」
「何故です、ここにいては危険です。王様も、王子様に万一のことがあったら」
我ながら白々しい。王様も、誰も王子様の様子を見にこない。姉が始末したものだと信じているのだろう。
汚い大人の世界とは裏腹に、王子様はどこまでも純粋だった。どこか寂しそうな瞳が切ない。
「王都には戻れない。でも知らせは必要だ。君が行ってくれないか」
「え!? そんなことをしたら食糧が」
「一ヶ月ぐらいなら何とかなる。王都まで行って戻ってどれぐらいかかるだろう……」
空を眺める彫像のような横顔にときめきが止まらない。かける言葉もなくじっと鑑賞していたら、ふっと彼が建物のなかに消えてしまった。慌てて口の端を拭く。涎出てた……。
彼を追って建物に入っていいのか迷ってしまう。中はどうなっているのだろう。彼のベッドがあったら、悶々とし過ぎて立っていられなさそうだ。今まで散々擬態して生きてきたのに、こんなところに落とし穴があるなんて。
いや後悔はない。一生出会えるはずのなかった理想の男性を間近で見られたんだ。あまつさえ腰を抱えて移動……涎どころか鼻血が出そうだ。
下へ降りる階段を見つめて股間を鎮めていると、王子様が戻ってきた。手には丸めた紙のようなものを持っていて、おれに差し出した。
「これを王子か、王女の誰かに渡して欲しい」
おれが行ってしまったら、彼の食糧を運ぶものはいない。村の人間は彼がここにいることも知らないのだから。だけど、彼の望みを叶えたい自分もいる。初めて惚れた相手がおれを頼ってくれているのだ、応えなければ男が廃る。
股間が鎮まっていて良かった。おれは精一杯背筋を伸ばして彼の目を見つめた。
「一ヶ月もつんですね?」
「ああ」
「わかりました。必ず戻ります」
「頼む」
王子様はまた上からおれを下ろしてくれた。下ろした途端にさっと身軽に登っていく姿が格好いい。
あれ、外に出れてたんじゃないか……?
辺りに兵士がいたら危険だから、聞きたいことがあったけれど駆け出した。こうなったら一刻も早く戻って、彼を解放しなければ。
王都までの道は、早々に馬に乗ることができて早くなった。
王子様のきょうだいは四人いる。一番上の王太子は会えないだろう。二番目のお兄さんであるソメーリ王子は財務を担当していて、商人からお金をガンガン取り立てているらしい。そのかわり庶民からの徴収が少なくて好かれている。上の姫君はすでに他国の王に嫁いでいて、下の姫君が貴族への、お輿入れを控えているとか……。
情報は全て城下町の酒場で仕入れた。姉がくれた分け前が役に立ったのだ。おれの王子様の命の値段……。
「女はいらない」
「じゃあ、男がいいの? ねえ、ゲーゥイ、このひと男のほうがいいんだって!」
「マジ! やった、俺狙ってたんだよね」
酒場から出たところで、娼婦の客引きを断ったら男娼がやってきた。都会はこんなにオープンでいいのか!?
……男娼。男を相手にする商売。おれは男が好きだが、そういう目的で誰かの身体に触れたことはない。僅かな逡巡を見透かしたように、男娼はおれの腕を取った。
「お兄さんどっち? 俺はどっちでもいけるよ」
「どっち?」
「やだ、可愛い。男役か、女役かってことだよ」
男役、女役と言われても意味がわからなかった。男女の閨についての知識も、おれにはなかったから。
口籠っているうちに話が進んでいく。
「はじめてなら、俺が女役するから教えてやるよ」
まごついているうちに、安宿に連れ込まれてしまった。そこで、おれはすごい世界があることを知った。
おれの目の前で、男娼は服を抜いで足を広げた。そして見せつけるようにオイルを垂らして、後ろの孔に指を入れたのだ。あんな場所をどうするのだとは聞けなかった。そこに、アレを入れるのだろう。鈍い俺でもわかる。
「すまん、勃たない」
「はぁ!? ここまで来たんだから」
「金は払うから、教えてくれ」
拍子抜けした様子の男娼から、男同士の閨のあれこれを聞いた。ついでに持っていたオイルも貰った。
男娼は慈愛に満ちた瞳で言った。
「男同士は気持ちいいし、子供もできないからやり放題だよ。健康な男なら、酒を飲ませたり目隠しして誤魔化して可愛がってやれば勃つ。そうしたら入れちまえば……あとは本能だ。うまくやれよ」
フラフラと宿に戻って、男娼の言葉を反芻した。
うまくやりたい。あんな理想の男が目の前にいるんだ、我慢なんてしたくない。駄目でもともと、一度きりでもいい。そのためには、彼の手紙を然るべきところに届けて早く帰ろう。
俺の王子様のところへ。
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