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おっさん、街へ行く
マルノーチ
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「……さて、ここが私たちの住むマルノーチです」
「う…………おぉ……」
だんだん街が近づくに連れて不安が大きくなってきていたが、マルノーチの入り口に着いてそれは最高潮に達した。
「私たちはジオさんを歓迎します。ようこそ、マルノーチへ!」
「…………」
「……ジオさん?」
「そっとしておいてやれ。圧倒されているのさ」
なんだこれ。見たことがないぞ?
まずこの入り口の賑わい具合。
人々が頻繁に出入りしているが、俺の故郷では村の外に出るのは一日に二人かそこらだった。
そして、微かに街の中の様子が見えるが、どの建物も巨大だし整備されまくっている。
地面が土ではなく石でできているし、等間隔でよくわからない長い槍のようなものが突き刺さっているな。
「……あれは灯りだ。夜になると光る」
「視界が確保できるってことか? 光虫や魔法なしで?」
「あれ自体が魔道具のようなものなんじゃないか? 私は部下にやらせているのでよく分からないが、多分同じことはお前にもできる」
夜になると、近所の家の明かりが若干見えるくらいで、それが消えると本当に真っ暗闇になってしまうのを思い出していた。
あれで夜道が照らせるのなら随分安全に暮らすことができそうだ。
「そろそろ大丈夫そうですかね? 入りますよ」
このままだとマルノーチに入る前に日が暮れてしまう。
「ほら、私の手を握れ」
「あ、ああ……」
ルーエに手を引かれて街へと入っていく。
見るのも全てが新鮮というか、巨人の住む世界へ迷い込んだような気持ちになっている。
そもそも、これまでの人生で、こんなに多くの人とすれ違ったとはない。
「……おい、あれが噂の書の守護者様か?」
「みたいだな。なんでも先代魔王を、四天王ごとぶっ飛ばしたって話だぜ」
「たった一人でか!? 化物ってレベルじゃないぞ……」
俺たちを見かけるや否や、マルノーチに住んでいるであろう人々が一斉に話し出す。
「ふむ。随分人気みたいだな、私たちは」
「……な、なんか勘違いされていないか?」
「勘違い?」
「お前が本当に魔王だったとして、俺に倒されたってことはそんなに強くないはずだろ? それなのにこんな……」
返答がないのが心配になってルーエの方を見ると、呆然としたように口を開けていた。
「……そうか。お前はずっと山にいたものだから、あんな山にいたものだから常識がないのだな……」
「よく分からないけど馬鹿にされているのは理解できるぞ」
あんな山ってなんだ。慣れれば過ごしやすいぞ。
「まぁ、今後嫌でもわかるだろうさ。お前がこうやって呼ばれた理由がな」
「本当かねぇ」
今でもこの状況を間違いだと思っているんだが。
人々の好奇の視線に晒されながら歩くこと数分。
立ち止まったレイセさんが指さしたのは、赤と茶色の色をした、何やらトゲトゲとした外観の建物だった。
「ここがギルド『ルビンディ』です!」
「ルビ……なんだって?」
ルーエが聞き返す。
俺も聞き取れなかった。
「ルビンディです。この町では適当にギルドって呼んでおけば通じるので覚えなくていいですよ。ささ、どうぞどうぞ。中でギルド長が待っております」
促されるままに建物に入ると――。
「やぁ、あなたがジオ殿ですか!」
大層名のある武人であろう。
がっしりとした身体つきの男が声をかけてきた。
「こんにちは。ジオ・プライムです。えーと……」
「申し遅れました。私がこのギルドの長であるボスリーです」
続く言葉を考えていると、深々と頭を下げられる。
豪快な見た目に反して礼儀正しい御仁のようだ。
おそらく、この人がレイセさんの上司なんだろう。
「つまり、あなたが私をここに呼んだ方というわけですね? あの、これは何かの間違いでは――」
「いやぁまさか本当に来ていただけるとは思っていませんでしたよ! ありがとうございます!」
ボスリーさんは興奮したように俺の肩を何度か叩くと、「こちらへ」と言って歩き出した。
勢いに押されて、自分の疑問を胸にしまいこみ、ついていく。
「時にジオ殿。後ろの女性は奥様で?」
「いや、違いま――」
「未来の伴侶である! あまり舐めたことをすると街ごと消し飛ばすからそのつもりで!」
「ははぁ、これは失礼しましたな! 何卒よろしくお願いします」
互いに声をあげて笑っている。
ルーエの脅しが良くない結果をもたらすのではないかと危惧していたが、もしかしてこれは現代のジョークの一つなのか?
俺たちを椅子に座らせ、そのあとボスリーさんも対面に腰を下ろす。
「えー、では、さっそく本題に入ろうと思うのですが」
「わかりました」
彼は両手を軽く組み、俺の目をまっすぐと見据える。
「先代魔王を倒し、数々の禁書を守り続けたくださった書の守護者であるあなたに、ぜひ私たちのギルドで働く冒険者のお手本となってもらいたいのです」
「……お手本?」
お手本もなにも、俺は冒険をしたこともなければ冒険者でもない。
「はい。この世界で並ぶものはいない強さをお持ちのジオさんから指導を受ければ、きっと冒険者に良い――」
「ちょ、ちょっと待ってください! 別に私は強くなんてないんですよ?」
「……強くない? はっはっは! ご冗談が上手いですなぁ!」
……え?
なんで今まで披露してきたジョークがウケなくて真面目に言ったことで笑われてるの?
「いや、本当に外の世界の人たちの足元にも及びませんって!」
「謙遜が過ぎますなぁジオ殿は。とはいえ、確かに冒険者の中にはジオ殿の実力に疑問を抱いている者もいます。なのでまずは、うちに所属しているAランク冒険者と手合わせしていただければと――」
その時、ギルドの外から大きな歓声が聞こえた。
「おや、何事ですかな?」
ボスリーさんは窓辺に歩いて行って、外の様子を確認している。
「……ジオ、もしや『危ない危ない、自分より遥かに強い相手と戦わされるところだった……』とか思っていないか?」
「よく分かったな。そういう魔法が使えるのか?」
「はぁ……。危ないのは相手の方だったな。お前に全力で殴られでもしたら、弾け飛ぶぞ」
「なにが!?」
そんな物騒なことになるはずがない。
「あとは……とりあえず言っておくが、今からお前はAランクを遥かに上回る相手と出会うことになるからな」
「…………え?」
「う…………おぉ……」
だんだん街が近づくに連れて不安が大きくなってきていたが、マルノーチの入り口に着いてそれは最高潮に達した。
「私たちはジオさんを歓迎します。ようこそ、マルノーチへ!」
「…………」
「……ジオさん?」
「そっとしておいてやれ。圧倒されているのさ」
なんだこれ。見たことがないぞ?
まずこの入り口の賑わい具合。
人々が頻繁に出入りしているが、俺の故郷では村の外に出るのは一日に二人かそこらだった。
そして、微かに街の中の様子が見えるが、どの建物も巨大だし整備されまくっている。
地面が土ではなく石でできているし、等間隔でよくわからない長い槍のようなものが突き刺さっているな。
「……あれは灯りだ。夜になると光る」
「視界が確保できるってことか? 光虫や魔法なしで?」
「あれ自体が魔道具のようなものなんじゃないか? 私は部下にやらせているのでよく分からないが、多分同じことはお前にもできる」
夜になると、近所の家の明かりが若干見えるくらいで、それが消えると本当に真っ暗闇になってしまうのを思い出していた。
あれで夜道が照らせるのなら随分安全に暮らすことができそうだ。
「そろそろ大丈夫そうですかね? 入りますよ」
このままだとマルノーチに入る前に日が暮れてしまう。
「ほら、私の手を握れ」
「あ、ああ……」
ルーエに手を引かれて街へと入っていく。
見るのも全てが新鮮というか、巨人の住む世界へ迷い込んだような気持ちになっている。
そもそも、これまでの人生で、こんなに多くの人とすれ違ったとはない。
「……おい、あれが噂の書の守護者様か?」
「みたいだな。なんでも先代魔王を、四天王ごとぶっ飛ばしたって話だぜ」
「たった一人でか!? 化物ってレベルじゃないぞ……」
俺たちを見かけるや否や、マルノーチに住んでいるであろう人々が一斉に話し出す。
「ふむ。随分人気みたいだな、私たちは」
「……な、なんか勘違いされていないか?」
「勘違い?」
「お前が本当に魔王だったとして、俺に倒されたってことはそんなに強くないはずだろ? それなのにこんな……」
返答がないのが心配になってルーエの方を見ると、呆然としたように口を開けていた。
「……そうか。お前はずっと山にいたものだから、あんな山にいたものだから常識がないのだな……」
「よく分からないけど馬鹿にされているのは理解できるぞ」
あんな山ってなんだ。慣れれば過ごしやすいぞ。
「まぁ、今後嫌でもわかるだろうさ。お前がこうやって呼ばれた理由がな」
「本当かねぇ」
今でもこの状況を間違いだと思っているんだが。
人々の好奇の視線に晒されながら歩くこと数分。
立ち止まったレイセさんが指さしたのは、赤と茶色の色をした、何やらトゲトゲとした外観の建物だった。
「ここがギルド『ルビンディ』です!」
「ルビ……なんだって?」
ルーエが聞き返す。
俺も聞き取れなかった。
「ルビンディです。この町では適当にギルドって呼んでおけば通じるので覚えなくていいですよ。ささ、どうぞどうぞ。中でギルド長が待っております」
促されるままに建物に入ると――。
「やぁ、あなたがジオ殿ですか!」
大層名のある武人であろう。
がっしりとした身体つきの男が声をかけてきた。
「こんにちは。ジオ・プライムです。えーと……」
「申し遅れました。私がこのギルドの長であるボスリーです」
続く言葉を考えていると、深々と頭を下げられる。
豪快な見た目に反して礼儀正しい御仁のようだ。
おそらく、この人がレイセさんの上司なんだろう。
「つまり、あなたが私をここに呼んだ方というわけですね? あの、これは何かの間違いでは――」
「いやぁまさか本当に来ていただけるとは思っていませんでしたよ! ありがとうございます!」
ボスリーさんは興奮したように俺の肩を何度か叩くと、「こちらへ」と言って歩き出した。
勢いに押されて、自分の疑問を胸にしまいこみ、ついていく。
「時にジオ殿。後ろの女性は奥様で?」
「いや、違いま――」
「未来の伴侶である! あまり舐めたことをすると街ごと消し飛ばすからそのつもりで!」
「ははぁ、これは失礼しましたな! 何卒よろしくお願いします」
互いに声をあげて笑っている。
ルーエの脅しが良くない結果をもたらすのではないかと危惧していたが、もしかしてこれは現代のジョークの一つなのか?
俺たちを椅子に座らせ、そのあとボスリーさんも対面に腰を下ろす。
「えー、では、さっそく本題に入ろうと思うのですが」
「わかりました」
彼は両手を軽く組み、俺の目をまっすぐと見据える。
「先代魔王を倒し、数々の禁書を守り続けたくださった書の守護者であるあなたに、ぜひ私たちのギルドで働く冒険者のお手本となってもらいたいのです」
「……お手本?」
お手本もなにも、俺は冒険をしたこともなければ冒険者でもない。
「はい。この世界で並ぶものはいない強さをお持ちのジオさんから指導を受ければ、きっと冒険者に良い――」
「ちょ、ちょっと待ってください! 別に私は強くなんてないんですよ?」
「……強くない? はっはっは! ご冗談が上手いですなぁ!」
……え?
なんで今まで披露してきたジョークがウケなくて真面目に言ったことで笑われてるの?
「いや、本当に外の世界の人たちの足元にも及びませんって!」
「謙遜が過ぎますなぁジオ殿は。とはいえ、確かに冒険者の中にはジオ殿の実力に疑問を抱いている者もいます。なのでまずは、うちに所属しているAランク冒険者と手合わせしていただければと――」
その時、ギルドの外から大きな歓声が聞こえた。
「おや、何事ですかな?」
ボスリーさんは窓辺に歩いて行って、外の様子を確認している。
「……ジオ、もしや『危ない危ない、自分より遥かに強い相手と戦わされるところだった……』とか思っていないか?」
「よく分かったな。そういう魔法が使えるのか?」
「はぁ……。危ないのは相手の方だったな。お前に全力で殴られでもしたら、弾け飛ぶぞ」
「なにが!?」
そんな物騒なことになるはずがない。
「あとは……とりあえず言っておくが、今からお前はAランクを遥かに上回る相手と出会うことになるからな」
「…………え?」
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