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10話 シミュレーション実験(Bパート 2)

階層

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「これで何回目だ?」
「174回目です」
「なぜだ! 何で改変しない!?」
「お父さん、これどげんゆう状況!?」
「何でお前まで博多弁になるんだよ! つ――か、神坂すみれに博多弁の設定を加えたのもお前か?」
「一人くらい博多弁女子がいた方がラブコメっぽいかと」
「百合っ子で博多弁女子って設定が渋滞しすぎだろ」
「そうですか?」
「違う! 違う! ツッコミ間違えた! そもそもラブコメ要素必要ないから!」

 顔を真っ赤にして、テンションが振り切れそうな界人。

「これは神坂すみれの走馬灯ってことでいいんですよね? 走馬灯の中で走馬灯を見てるってことですか?」

 引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、すみれは会話を冷静に本題へと戻した。彼女の表情はいつもの無表情である。慌ててテンションをすみれに合わせる界人。

「走馬灯とは幾重にも重なりあった階層のようなもの。私は走馬灯も現実も区別は余りないと思っているんだ」
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