2 / 12
2 キャロルの治療計画
しおりを挟む
「ひいっ、すみません!! また遅れました!!」
「遅れてない。私が先に来ただけじゃないか」
最大速で片付けをし、ダッシュで向かったのだが遅かった。いつから待ってくれていたのか、本を開いて壁に持たれかかりながら片手を上げて気さくに挨拶してくれた。うっ。後光が眩しい。今日は昨日よりお美しい。
日陰にいるのに内側から光っているような彼は、手招きをして本の中身を指差した。近づき過ぎないようにそっと覗いてみるが、字が細かすぎる。読めない。でもこれ以上近づくのはちょっと憚られる。ほんとは近づきたいけども。
「何してる。それじゃ見えないだろ。来い、ほら見ろ」
がっしり腕を掴まれ、引き寄せられてしまった。うわすっげ、いい匂いする!! 睫毛なっが金色だ、日が差してないのに光ってる!!
「いいか。これが欠線症状。怪我などで後天的にこうなる場合が多いが、先天的にこの症状を抱えて産まれる者も稀にいるそうだ。お前、その辺調べたか」
「し、調べてないでひゅ」
「そうか。恐らくな、治療費が出せないだろうと思った治療魔術師が黙ってたんだろうな。国からの補助は利くが、それでもかなりの金額になるそうだからな」
「はあ、うち、貧乏なんで……」
「あとな、ほっとけば治るから大丈夫だとも思われていただろうな。お前いくつだ」
「ひゃい、十五になりますっ」
『あと一年か……』と言って彼は突然黙ってしまった。本は開いたままだから、なんとなくその場に留まった。うわあ、お肌が綺麗。人の肌に注目したことって多分初めてだ。お化粧なんかしてなさそうなのに、さらりとしている。軟らかそうだ。
突然、紫の瞳をこちらに真っ直ぐ向けられ心臓がまたドクンと跳ねた。この視線、慣れない。全然慣れない。
「お前、恋人はいるか。婚約者は」
「えっ…………いたことないです」
「そうか。じゃあいいよな。こっち来い」
「えっ、あっ、はい……? あっ!?」
──手ぇ!! 手で手を、手が!!
頭の中が『手』の文字で埋め尽くされた。この貴人様は俺の手を突然取ってお繋ぎあそばしたのだ。
やばい、手ぇ洗ったっけ。手汗が出たらどうしよう。うわーこいつベトベトなんだけど、って思われたらどうしよう。涙が止まらなくなるかもしれない。今夜は一睡もできなくなるかも。
──────
着いた場所はあまり遠くはなく、あるご邸宅の敷地内にある立派な小屋、という感じだった。
小屋といってもそれも立派だ。中は書類や本や、薬瓶などが山ほどある研究所のような趣だった。俺、研究所なんか行ったことないけど。
中に入った途端に彼は内鍵を閉め、カーテンを引き、灯りをつけて板書を消し始めた。ここで何をするのだろう。
「いいか。まだ検分してないから仮説になるが、お前の魔力回路はこうなっていると思われる。周りが千切れて糸一本通ってる状態か、まったく繋がってない箇所があるかもしれない。そこでこうだ。他者の魔力を回路伝いに通す。別に意識せずとも魔力は通れるところを通るから通常なら問題ないが、完全に切れているとなると話が違う」
彼は俺にもわかりやすく、チョークを色分けして板書に絵を描いてくれた。俺の魔力回路はちょん切れているという。本当か?
「糸一本でも通っていれば、適合する魔力を通すだけでどうにかなる。自然治癒力が働く。しかし完全な分断だと端から伸ばす形になるから時間がかかる。手間もかかる。単純に治療魔術師が行う治療が長期間になる。過去の例から最低一年程はかかると見て間違いない。だから治療費が大幅に跳ね上がる」
アホな俺でもよくわかった。先天性魔力回路欠線についての話。そっかー、俺が一族希望の星だったのはほぼ確定だったか。でもそれには治療が要ると。
うーん、兵士になって稼げたとしても何年もかかるんじゃないかなあ。それに家に仕送りしないとならないし。それから魔術学園? 入れたとしても、よほど量が多くないと強制入学にはなんないだろうし、魔術師になりたいわけでもないしな。
ふーん、と俺は他人事のような気持ちで彼の講義を聞いていた。が、そのあとの彼の一言で、目玉と心臓がビャッと飛び出た。
「端的に言おう。試験的にだが、私が治療を引き受ける。お前、私とキスできるか」
「…………えっ」
「接吻だ。口づけできるかと聞いている」
「…………えっ、えっ」
愛人、という言葉が頭を高速でよぎった。やっぱり俺はアホだった。今彼はそんな話はしていない。治療だと言っている。
でも俺は兵士になりたくて、あっでも魔術師の方が稼げる、でもそしたら四年間は学園生活になるわけで仕送りが、いやまだ両親元気だからイケるかも。
突然の誘惑ならぬ治療計画が飛び込んできて、人生計画が大きく揺らぎ始めてしまった。どうする俺、どうするよ!!
「やるか。やらないか。どっちだ。今決め────」
「あっやります。絶対やります」
俺はアホだ。細かいことは置いといて、誘惑に乗る方へ梶を切ってしまった。だって男の子でもこんな綺麗な人に口づけられるなんて、この先絶対一度もない。
もしダメだったとしても記念になる。接吻記念。ああ、きっとこの思い出だけでこの先一生頑張れる。
しかし俺は何の経験もなかった。小さい頃は期待されていたからそこそこモテた。学校で一番可愛い子との婚約の打診まで来ていた。
しかし検査結果はごく平凡。パラパラと人は離れていった。そういうことをしたくなる年頃に、そういうことをしてくれる人はいなくなった。どうしようこれ。俺からいくのが礼儀なの?
彼は特別何の感慨もない表情で、チョークを置きパタパタと手を払い、ハンカチで拭っていた。そして椅子の上でガッチガチになった俺につかつかと近づいて、俺の足の横に膝を置いた。うわ!! もう来た!! まだワタクシは心の準備が!!
「ああああの!! その前にせめてお名前を!!」
「ん? 言ってなかったか。キャロルだ。キャロル・エヴァレット」
うわーお名前まで美しい、と思ったときにはもう唇が当たっていた。目を閉じたらいいのか開けたらいいのかもわからない。
頭が真っ白けの雪景色。白い闇を体感した。
「遅れてない。私が先に来ただけじゃないか」
最大速で片付けをし、ダッシュで向かったのだが遅かった。いつから待ってくれていたのか、本を開いて壁に持たれかかりながら片手を上げて気さくに挨拶してくれた。うっ。後光が眩しい。今日は昨日よりお美しい。
日陰にいるのに内側から光っているような彼は、手招きをして本の中身を指差した。近づき過ぎないようにそっと覗いてみるが、字が細かすぎる。読めない。でもこれ以上近づくのはちょっと憚られる。ほんとは近づきたいけども。
「何してる。それじゃ見えないだろ。来い、ほら見ろ」
がっしり腕を掴まれ、引き寄せられてしまった。うわすっげ、いい匂いする!! 睫毛なっが金色だ、日が差してないのに光ってる!!
「いいか。これが欠線症状。怪我などで後天的にこうなる場合が多いが、先天的にこの症状を抱えて産まれる者も稀にいるそうだ。お前、その辺調べたか」
「し、調べてないでひゅ」
「そうか。恐らくな、治療費が出せないだろうと思った治療魔術師が黙ってたんだろうな。国からの補助は利くが、それでもかなりの金額になるそうだからな」
「はあ、うち、貧乏なんで……」
「あとな、ほっとけば治るから大丈夫だとも思われていただろうな。お前いくつだ」
「ひゃい、十五になりますっ」
『あと一年か……』と言って彼は突然黙ってしまった。本は開いたままだから、なんとなくその場に留まった。うわあ、お肌が綺麗。人の肌に注目したことって多分初めてだ。お化粧なんかしてなさそうなのに、さらりとしている。軟らかそうだ。
突然、紫の瞳をこちらに真っ直ぐ向けられ心臓がまたドクンと跳ねた。この視線、慣れない。全然慣れない。
「お前、恋人はいるか。婚約者は」
「えっ…………いたことないです」
「そうか。じゃあいいよな。こっち来い」
「えっ、あっ、はい……? あっ!?」
──手ぇ!! 手で手を、手が!!
頭の中が『手』の文字で埋め尽くされた。この貴人様は俺の手を突然取ってお繋ぎあそばしたのだ。
やばい、手ぇ洗ったっけ。手汗が出たらどうしよう。うわーこいつベトベトなんだけど、って思われたらどうしよう。涙が止まらなくなるかもしれない。今夜は一睡もできなくなるかも。
──────
着いた場所はあまり遠くはなく、あるご邸宅の敷地内にある立派な小屋、という感じだった。
小屋といってもそれも立派だ。中は書類や本や、薬瓶などが山ほどある研究所のような趣だった。俺、研究所なんか行ったことないけど。
中に入った途端に彼は内鍵を閉め、カーテンを引き、灯りをつけて板書を消し始めた。ここで何をするのだろう。
「いいか。まだ検分してないから仮説になるが、お前の魔力回路はこうなっていると思われる。周りが千切れて糸一本通ってる状態か、まったく繋がってない箇所があるかもしれない。そこでこうだ。他者の魔力を回路伝いに通す。別に意識せずとも魔力は通れるところを通るから通常なら問題ないが、完全に切れているとなると話が違う」
彼は俺にもわかりやすく、チョークを色分けして板書に絵を描いてくれた。俺の魔力回路はちょん切れているという。本当か?
「糸一本でも通っていれば、適合する魔力を通すだけでどうにかなる。自然治癒力が働く。しかし完全な分断だと端から伸ばす形になるから時間がかかる。手間もかかる。単純に治療魔術師が行う治療が長期間になる。過去の例から最低一年程はかかると見て間違いない。だから治療費が大幅に跳ね上がる」
アホな俺でもよくわかった。先天性魔力回路欠線についての話。そっかー、俺が一族希望の星だったのはほぼ確定だったか。でもそれには治療が要ると。
うーん、兵士になって稼げたとしても何年もかかるんじゃないかなあ。それに家に仕送りしないとならないし。それから魔術学園? 入れたとしても、よほど量が多くないと強制入学にはなんないだろうし、魔術師になりたいわけでもないしな。
ふーん、と俺は他人事のような気持ちで彼の講義を聞いていた。が、そのあとの彼の一言で、目玉と心臓がビャッと飛び出た。
「端的に言おう。試験的にだが、私が治療を引き受ける。お前、私とキスできるか」
「…………えっ」
「接吻だ。口づけできるかと聞いている」
「…………えっ、えっ」
愛人、という言葉が頭を高速でよぎった。やっぱり俺はアホだった。今彼はそんな話はしていない。治療だと言っている。
でも俺は兵士になりたくて、あっでも魔術師の方が稼げる、でもそしたら四年間は学園生活になるわけで仕送りが、いやまだ両親元気だからイケるかも。
突然の誘惑ならぬ治療計画が飛び込んできて、人生計画が大きく揺らぎ始めてしまった。どうする俺、どうするよ!!
「やるか。やらないか。どっちだ。今決め────」
「あっやります。絶対やります」
俺はアホだ。細かいことは置いといて、誘惑に乗る方へ梶を切ってしまった。だって男の子でもこんな綺麗な人に口づけられるなんて、この先絶対一度もない。
もしダメだったとしても記念になる。接吻記念。ああ、きっとこの思い出だけでこの先一生頑張れる。
しかし俺は何の経験もなかった。小さい頃は期待されていたからそこそこモテた。学校で一番可愛い子との婚約の打診まで来ていた。
しかし検査結果はごく平凡。パラパラと人は離れていった。そういうことをしたくなる年頃に、そういうことをしてくれる人はいなくなった。どうしようこれ。俺からいくのが礼儀なの?
彼は特別何の感慨もない表情で、チョークを置きパタパタと手を払い、ハンカチで拭っていた。そして椅子の上でガッチガチになった俺につかつかと近づいて、俺の足の横に膝を置いた。うわ!! もう来た!! まだワタクシは心の準備が!!
「ああああの!! その前にせめてお名前を!!」
「ん? 言ってなかったか。キャロルだ。キャロル・エヴァレット」
うわーお名前まで美しい、と思ったときにはもう唇が当たっていた。目を閉じたらいいのか開けたらいいのかもわからない。
頭が真っ白けの雪景色。白い闇を体感した。
1
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
婚約破棄されたおっとり令嬢は「実験成功」とほくそ笑む
柴野
恋愛
おっとりしている――つまり気の利かない頭の鈍い奴と有名な令嬢イダイア。
周囲からどれだけ罵られようとも笑顔でいる様を皆が怖がり、誰も寄り付かなくなっていたところ、彼女は婚約者であった王太子に「真実の愛を見つけたから気味の悪いお前のような女はもういらん!」と言われて婚約破棄されてしまう。
しかしそれを受けた彼女は悲しむでも困惑するでもなく、一人ほくそ笑んだ。
「実験成功、ですわねぇ」
イダイアは静かに呟き、そして哀れなる王太子に真実を教え始めるのだった。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
愛した人は青空の瞳〜御使いシラサギと3つの選択〜
平川
恋愛
『選択肢をあげるわ。私の白い娘』
そう言って女神様はワタシに未来を選ぶ三つの選択肢をくれた。
女神の御使い鳥であるシラサギのリリアは、テオルドと出逢って10年が過ぎようとしていた。でももう、側に居られないかもしれない。テオルドには「好きな人」が居るらしい。
彼ももう22歳。お別れの準備をしないといけない。
10年を節目にリリアは愛するテオルドの元を離れる決心をする。鳥であるリリアには人間であるテオルドと番う事など出来はしない。想いの実らない恋から逃げようとしていた。
最後にいつ、どうやって別れを伝えようか悩むリリアに『貴方の愛し方教えて?』と女神が提案した三つの選択肢とは。
友達の天界の蜂の精霊と虹色蜘蛛と共に未来を選択する為に走り出したリリアと、異能に抗うある命運を持つテオルドとのピュアなすれ違い勘違いラブストーリー。
◆残酷な描写が若干有ります。
◆本編完結済み
◆本編終了後、ピュアじゃない?本編より濃いサブストーリーが続きます(こちらは現行執筆中。週1〜2話で投稿予定)
◆サブストーリーは暫く毎週火曜日更新!
●【R18風神アウィンの受難〜全属性神族の番になれる愛妻は女神らしい。いや、俺のだからな?】 &
●【R18アンデッド・レシピ【正しい妻の作り方】〜呪われた夫に死んでから溺愛されました】
も同時連載中です!
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
ゲームの序盤に殺されるモブに転生してしまった
白雲八鈴
恋愛
「お前の様な奴が俺に近づくな!身の程を知れ!」
な····なんて、推しが尊いのでしょう。ぐふっ。わが人生に悔いなし!
ここは乙女ゲームの世界。学園の七不思議を興味をもった主人公が7人の男子生徒と共に学園の七不思議を調べていたところに学園内で次々と事件が起こっていくのです。
ある女生徒が何者かに襲われることで、本格的に話が始まるゲーム【ラビリンスは人の夢を喰らう】の世界なのです。
その事件の開始の合図かのように襲われる一番目の犠牲者というのが、なんとこの私なのです。
内容的にはホラーゲームなのですが、それよりも私の推しがいる世界で推しを陰ながら愛でることを堪能したいと思います!
*ホラーゲームとありますが、全くホラー要素はありません。
*モブ主人のよくあるお話です。さらりと読んでいただけたらと思っております。
*作者の目は節穴のため、誤字脱字は存在します。
*小説家になろう様にも投稿しております。
【完結】昨日までの愛は虚像でした
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
公爵令息レアンドロに体を暴かれてしまった侯爵令嬢ファティマは、純潔でなくなったことを理由に、レアンドロの双子の兄イグナシオとの婚約を解消されてしまう。その結果、元凶のレアンドロと結婚する羽目になったが、そこで知らされた元婚約者イグナシオの真の姿に慄然とする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる