乙女ゲームの世界で、愛されてます。

ディディー

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大好きでたまらない家族達(1)

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 起きると、お母様もお父様もベッドにもたれて、寝ていた。
 それはそれは優しい顔で寝ていた。
 私は小声で言った。

「ありがとうございます。お母様、お父様。大好き。」

 これ、ちょっと恥ずかしい。
 ビクッ!
 モーリスとイーリンが微笑ましそうにこっちを見ている。
 やっ止めて~!
 あっそうだ!今は何時かしら!

「イーリン、今は何時?」

「午後六時です。」

「そう六時ね。って六時?」

 ということは十八時?
 えっじゃっじゃあ、私が起きた時間は…

「ねっねぇ、その前に私が起きた時間は何時だったの?」

「確か午前十時です。」

 つまり…八時間も寝てたの?!
 どんなけ寝てるのよ、私は、眠り姫か!

「しょうがない、起こすしかないわね。」

 私はお母様とお父様を揺さぶる。

「お母様、お父様起きてください!
もう、十八時ですよ!」

「うーん、はっ!もう十八時ですって?!」

 お母様が先に目覚める。

「あなた!もう十八時ですよ!起きてください!」

「うーん、って、えぇー?!もう十八時だって?!嘘だろ!溜まりに溜まった書類の山が大量にあるというのに。」

「すみません。私のせいで。」

 私のせいで仕事が溜まってしまった…

「なに言ってるのよ?そもそも彼が出張に出る前から書類は山ほどあったんだからね?あなたのせいじゃないわ。」

 お母様がフォローしてくれる。

「そうだ!そもそも俺が逃げてたから、いけないんだ。お前が気にするようなことじゃないぞ。」

 お父様もお母様に同調する。
 すると、

「あら、いけないと解っているのならさっさと、終わらせて、私たちとの時間を増やしてくださったらいいのに。」

 お母様が嫌みったらしくそう言う。
 また、それに対してお父様は焦るように、

「すっすまない」

と、謝る。

「大体ね?あの出張だって、強制じゃなかったんでしょう?なら断れば良かったんじゃないですか?仕事が溜まっているなら、先にそっちを終わらせてから、行ってください!もしそうしていたら、アーネス」

「ストップ!」

 長くなりそうなので止めないと。

「えっ?」

「もう十八時過ぎですよ?お説教は夕食を済ませてからにしてくれないと、おそくなってしまいます!」

「あっそっそうね。」

「そういえば、アーネストは、久しぶりの食事になるな。」

「まぁ、本当!腕を降るってもらわないといけないわね!モーリス!」

 お母様の綺麗な声が響く。

「承知しました。」

 モーリスがそう言うと、別の執事さんが動いたので、料理人に言いに行くのだろう。
 家の料理人は相当腕が良いので楽しみだ。
「お母様?私、暫くお風呂に入っていないので、先にお風呂に入ってから、ごはんを食べたいです。」
「そうね。イーリン、お風呂の準備を。」
「出来ています。」
おぉ、流石できるメイド。さっきはあんなに目が真っ赤だったのに凄い!
「じゃあ、入ってらっしゃい。」
「はぁい…・・・ねぇ、お母様、久しぶりに一緒にお風呂に入りませんか?」
「!っもっちろん!是非とも一緒に入りましょう!貴方からそんなことを言ってくれるなんて嬉しいわ!ハリー!」
 ハリーとは、お母様のメイドだ。
「既に出来ています。」
 こっちも有能!
「さっ!入りましょう!」
「!はい!」
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