【R18】淫魔王の伴侶–パートナー–

藤崎 和

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3章 違える二人に女神は近づく。

6話 乱入する二人の淫魔王

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「東国淫魔王デーヴィット様のご命令により華麗にしました。イヒッ」
「テメェ、華麗にって柄じゃねぇだろノア」

 彰へと振り上げたケビンの鎌を、ギチギチと振り下ろそうと鎌を握るケビンの手首をノアが食い止める。ケビンの手首を押さえながら小馬鹿にするようにノアが言った。

「相変わらず弱い者いじめが大好きですねケビン。昔アルカシス王に魔力を消滅させられて諦めたのかと思っていましたが、腐った性根はまだまだ健在だったのですね。ダッサ過ぎて頭がおかしくなりそうです。イヒッ」
「テメェ・・・この裏切り者がっ・・・!!」

 片方の手首を押さえられたまま、ケビンは反対側からノアの顔面目掛け激しく蹴り上げる。

「むぅうううっ!?」

 ノアはケビンの蹴りを素早く躱す。しかしケビンはその隙に彼の腕から離れると、鎌を彰からノアに向け怒声を上げる。

「ふざけんじゃねぇよ!あの野郎の犬に成り下がった腰抜けがっ!!お前も今日ここで殺してやるっ!!」

 ケビンはノアに向かって飛び出した。懐からブーメラン型の鎌を取り出すと大きく振りノアへ投げ飛ばす。空を切るブウウンという鈍い音がノアに迫るが彼はチラッと背後を見た。彼の背後には唖然とする北国の王の伴侶とケビンにより負傷した人間が二人いる。

(後ろに三匹の仔ひつ・・・いや、人間)

「ちょっと失礼」
「えっ・・・!?」

 自分の背後にいる三人の人間を軽々しくヒョイと抱え上げたノアはケビンの投げたブーメランの軌道に逸れる形で躱した。優雅に地面に着地したノアはケビンと対峙するため三人に背を向けたまま言った。

「ここは私に任せて。あなた方はお行きなさい」
「アンタ、一体何をする気だ」

 膝の痛みで立つことがままならない田川はノアに尋ねた。するとノアは両指の関節をポキポキと鳴らしながら不気味な笑みを浮かべている。

「ご心配なく。彼の動きは全て知っています。恐らく、人間界こちらに来ているのは彼だけではないはず。まずはあなた方を医師に繋げるのが先決では。と思うのですが、どうでしょう」
「田川・・・」

 ノアの風貌と言動に訝しむ田川に、彰が重傷の村山を肩で支えながら声をかける。村山は片腕をケビンに切断されたせいでほとんど意識がない。目の前の男は得体が知れないが、彼の言うように村山の治療を優先しなければならないのも事実だ。訝しむ田川に彰は言った。

「この人の言う通りだ。早く医者に診せよう。このままだと村山君が・・・」
「・・・分かった」

 ノアに背を向けた彰と田川は急いで路地へと入っていく。

「待てっ!」
「おっと!ここから先へは通しませんよケビン」

 二人の後を追おうとしたケビンにノアが立ちはだかる。イラ立ちを抑えきれないケビンはノアに怒気を込めて言った。

「邪魔だ。退け」
「はい。もちろん邪魔するために来ましたから」
「腹立つ奴だ、テメェ」

 ケビンは自らの背丈よりも長い大鎌を取り出すと地面を蹴ってノアに襲いかかる。

「俺はお前のそういうふざけたところがとにかく嫌いなんだよ!!」
「はぁあああっ!!」

 勢い良く振り上げられた鎌を躱したノアも地面を蹴って大振りするケビンに飛びかかる。

「私もあなたのその腐り切った性根が大嫌いでしたあああ!!」
「ぐぉおおお!!」

 ノアは指を立てるとケビンの鎌の刃先とぶつかり激しい風切り音を立てる。そのまま数合ぶつかり合う度に鎌と指の間から火花が散る。だが鎌の刃先がノアの指の爪を削るにつれ指先から血が滲み始めていた。これにノアは少しも痛がる素振りを見せない。逆に不敵な笑みを浮かべたままケビンの鎌とぶつかり続ける。イラ立っていたのもあり、ノアの不敵な笑みにケビンは焦りを見せ始めた。

「さっさと退けこの不審者!ショウがいなくなるだろうがっ!」
「あなたが言えたものでもないでしょう!自分を差し置いてどうして私だけ不審者なんですかっ!」
「お前の見た目が気味悪いからじゃああ!見て分からんのか!」

 激しいぶつかり合いは続く。鎌の刃先に自らの血があらかたこびり付いたのを見たノアは、片方の指の関節をポキポキ鳴らしながらケビンに飛びかかる。

「あなただっていたいけな人間を追いかけ回して痛めつけて怖がらせて・・・はぁあああっ!!」
「しまった!!」
「まだまだですよぉ!!」

 ケビンに飛びかかったノアが指の力で鎌を粉々に砕いた。続いて空中で横に一周したノアは鎌を砕かれ隙だらけになったケビンの顔面を蹴り上げた。

「私の血が鎌を錆びつかせるのを待っていたんですよ。正義の蹴りを喰らいなさい!はぁあああ!!」
「ガァアアアッ・・・!!」

 ノアの華麗な回し蹴りでケビンの顔がひしゃげる。勢いのままコマのように激しく回転したケビンは地面に背中を強く叩きつけられた。

「ガ、ハァ・・・!」

 背中に強烈な痛みが襲う。今ので骨が数本折れたのが分かった。

(クソッ・・・今ので骨がやられちまった・・・!)

 起き上がろうとするが背中の激痛から身体に力が入らずケビンは再び地面に倒れ込む。そこを悠然とした表情のままノアはケビンを見下ろしながら言った。

「上手いことミケーネに利用されるからそうなるのです。さあ、諦めて私に屈しなさい」
「クッ、ククク・・・」

 だがケビンは不敵に笑みを溢す。追い詰めたはずなのにどこか癪に触る笑みにノアは訝しむ。
 昔アルカシス王に魔力を消滅され二度と戦闘ができないようにされたはずだがこうして未だに戦地にいる。魔力が使えず戦闘不能に追いやったというのに、なぜ笑っているのか・・・。

 ノアはケビンの笑みに不快感を示しながら冷静に彼に尋ねる。

「なんです。その笑みは。もともとキモいあなたが笑うとなお気味が悪くて吐き気がします」
「キモい、うるせぇよ。かまってちゃんのくせに・・・よぉ!」
「何ぃ!?」

 地面に仰向けに倒れていたケビンはノアに向かって白い粉を投げる。驚いた勢いで少量の粉を肺に取り込んでしまったノアは、急激に全身の筋肉に力が入らなくなっていくのを感じ地面に膝をつく。ノアは突然のことに驚き焦りの表情を見せる。

「なっ・・・」
(身体に、力が入らない・・・!?)
「ハハハ・・・驚いたか。ざまぁねぇな、ノア」

 ケビンは指についた残りの粉を口元に持っていき大きく息を吸い肺に取り込む。すると「よっこいしょ」とゆっくり起き上がり、全身脱力し地面に座り込むノアのサラサラとした金色の髪を無造作に鷲掴んだ。

「いっ・・・痛たた・・・。私の美しい髪が・・・」
「やったぜ。立場逆転だ。こういうのを"不意打ち"っつーんだよ」
「おっ・・・お前っ・・・なぜ」

 全身の脱力が顔の筋肉にまで及んでいる。身体に力が入らないのと、ケビンに髪を掴まれる苦痛から顔を歪ませようにも筋肉に力が入らない。それどころか急激な息苦しさがノアを襲い、過呼吸に似た状態に陥り脳内が酸欠になっていくのが分かった。浅い呼吸を繰り返し頭がフラフラになっていく感覚を覚えながらもノアはケビンに問う。

「ハァ、ハァ、ハァ・・・、お前、一体・・・」
「効果が出るのが早かったな。この粉は人間界の市場に出回っている筋弛緩剤を凝縮した物だ。人間相手に使うと一発で呼吸停止に陥るから使わなかっただけだ。厄介なお前が出てきたから隙を窺っていたのさ」
「な・・・なぜ、そんな物・・・お前が・・・」

 ノアの髪を掴んだままケビンは下卑た笑みを浮かべる。

「あの忌々しい北の王様のせいだ。魔力を無くしたのは正直痛かったが、その分この筋弛緩剤が俺の奥の手になってくれたぜ。俺も始めはお前同様苦しんだが慣れてしまうとこの通りだ。痛みなんて感じることはない。クスリに耐性がないお前を、ジワジワと殺してやるよ」
「うっ・・・」
(まずい。今ので身体が動かない上もう息が、視界が・・・)

 脳内の酸欠が悪化したせいでノアは自らの視界が少しずつぼやけていくのが分かった。彼の様子にもう反撃はできないと判断したケビンは、彼の髪を鷲掴んまま片方の手からもう一度白い粉を取り出すとノアに近づけさせながら言った。

「昔の仲間のよしみだ。苦しまずに逝かせてやるよ」
「うっ・・・あっ・・・」
(しゅ・・・主、上・・・)

 ケビンの粉の付いた手がノアの鼻腔へ迫っていく。酸欠が悪化したノアが瞼を閉じようとした時、感じ慣れた気配が鼻腔を刺激する。同時にケビンも感じ取ったのか、クスリで弱ったノアを捨て、その人物から反射的に距離を取った。

「なんだその粉・・・。お前なんちゅーもんに手を出してんだ」

 全身に力が入らないノアを支え、ケビンに殺意を飛ばすのは自分と同じ金色の髪をした短髪のガタイのいい体格をした男。その男の体温を感じたノアは心が穏やかになっていく。ふと、ノアは思った。

 ああ・・・相変わらずあなたはいい匂いがする・・・。この匂いに身を委ねたまま逝けるのも悪くない。かもしれない・・・。

 そう夢心地と死の境界線を彷徨っていると、頭上から男の溜息と呆れた声がした。

「なに死のうとしてんだお前。後でクスリを抜いてやるから、いい加減起きろ」

 途端、強い力で鼻を摘まれて引っ張られる。
 鼻の刺激で微かに目を開けたノアは、自らの視界を独占するその人物を確認すると精一杯の満面の笑みを浮かべ掠れた声でその人物を呼ぶ。

「しゅ・・・主上・・・!私の・・・ヒーロー・・・!」
「キモいから俺見て笑うな」
「つ・・・冷、たい・・・。でも・・・そんなあなたが好」
「はいはい」
「つ・・・つれない・・・」

 自分の腕の中でシュン・・・と項垂れたノアを地面にそっと寝かせたデーヴィットは負傷しても悠々と立っているケビンを殺意を込めて睨みつける。

「百年ぶりだなケビン。なんだその白い粉は。死ぬ前にその出所を吐いでもらうぞ」

 自分に殺意を飛ばす東の淫魔王をケビンは煩わしく吐き捨てる。

「黙れデーヴィット。テメェもそこのアホ同様このクスリで死んでもらうぞ」




*   *   *


「彰、もう少しだっ。そのまま真っ直ぐ進めっ・・・」
「ハァ・・・ハァ・・・たっ、田川・・・足は・・・?」
「心配すんな。まだ動ける。それよりお前ま急げ。闇医師までもうすぐだ」

 彰を先頭で走らせ、田川は重傷の村山を抱えて人気が無く、建物で狭まれた細い路地を走っていた。ノアがケビンの相手をしている間、三人は闇医師のいる診療所へ向かうため入り組んだ細い路地を進んでいた。だが細い道路脇にはゴミが無造作に散乱しており先頭を進む彰は経路を確保するため足でゴミを避けながら田川が指示する方向へ進んでいた。進みながら彰は田川に尋ねる。

「田川、どうしてこの街ってこんなに入り組んでるの?」

 複雑に入り組んだ道路になっているこの街は目的地が見つけにくい。目立つ標識も無く見つけるのも一苦労だ。それにこの道路、歩いて分かったが全体的に緩やかな坂道になっている。歩かなければ分からなかった程だ。彰の問いに田川は村山を抱え走りながら言った。

「昔この街は雨が降る度洪水の発生地区だったんだ。すぐ近くにある川の堤防を造っただけでは防げなくてな。そこでこの街の道路を緩やかな坂道にして浸水を防ごうとしたんだ。流れた水は排水溝から下水に流れこの街を通り過ぎた漁港に流れるように整備されてな。もちろん避難経路もある。だがそこは表通りだ。あのイかれた野郎から逃げるには表通りじゃカタギ達に被害が及ぶ」
「この通りなら人通りが少ないから被害を抑えられるってこと?」
「そうだ。俺達流川組はこの街の治安を守るためにある。カタギ達が安全に商売でき、その売り上げの一部を守代として俺達がおこぼれに預かる。この街の治安を守ることは俺達の食い扶持に繋がっているんだ。・・・次は左だ、彰」

 田川の指示に従い彰は路地を左に曲がる。だが無造作に散乱するゴミとそこから発生する腐臭に鼻がおかしくなりそうだ。あまりに強い匂いに耐えかね吐き気を催しそうになるのを彰は唾を飲み込みグッと堪える。彰はもう一度田川に尋ねる。

「でもこのゴミ・・・すごい匂いだ」
「最近この街に無法者の半グレ共が増えたせいだ。店の奴等からも相談を受けていた。俺達も気づいて片付けていたが、裏まで回されると回収も難しくなっちまうんだ」

 田川が説明している間、三人の前に路地の出口となる大通りが見えてきた。この辺りはまだ閑散としていて、人の出入りが少ない。店が集中しているのは駅から近い地域だけだ。今ならこの酷い見た目を誰にも見られず医師のところに行けるかもしれない。この街を知り尽くした田川が彰に言った。

「彰、もう少しだ。あの大通りを突っ切ればすぐだ」
「よし・・・」

 彰の中で浮き足立ち始める。ようやく診療所に到着できるからだ。だが三人の横を建物の一部が突然崩れ、その拍子に砂埃が舞い彰と田川の視界を奪ってしまう。驚いた彰は走る足を止めてしまった。

「わっ!?」
「彰っ!?クソッ・・・!もう少しだってのに・・・!」

 四方を砂埃で覆われ彰も田川も焦りを見せる。近くにいるはずの相手が見えないのは窮地に追い込まれているこの状況をさらに悪化させる。

「ーーンッ!?」

 すると背後から彰の口を塞ぎそのまま彰は動きを封じられた。無骨な手とガタイのいい体格、全く聞き覚えのない声に彰は身を竦めた。

「捕まえたぞ。アルカシス王の伴侶パートナーよ」
「ンッ・・・!?」
(誰っ・・・!?)

 煙が夜風で少しずつ晴れ視界が見え始めた時、彰は自分を捕まえた人物を見て愕然とする。ガタイのいい体格の大男は顔に仮面を付けており何者なのか全く分からない。
 田川は、彰が自分の目の前で仮面を付けた得体の知れない大男に口を塞がれ身体を拘束されているのが目に止まり驚いて声を上げた。

「彰!?何者だテメェ、そいつを離せ・・・!」
「止めておけ。そのナリでは私に勝てんぞ」
「ぐっ・・・」

 視界がクリアになり、彰を盾に取られた田川は自身の無力さに歯ぎしりする。ケビンに抉られた膝が力無くガタガタ震えて、未だに血が流れ続けている。冷や汗も量が増えた気がする。
 先程のケビンという鎌を振り回すイかれた奴に続いて、次は仮面の大男・・・。確かに目の前の男の言う通り、勝機はないかもしれない。だがここで彰を危険に晒すことはできない・・・!
 田川は震える足に力を入れ目の前の相手の動きに注視しながら尋ねる。

「テメェ・・・なぜ彰を狙う?」

 目の前のイかれた奴から隙を作って彰を奪還しなければ・・・。
 田川は村山を抱えたまま、目の前の奴から隙を窺うため目的を問う。だが向こうからは田川の思惑など見え透いているのか、一笑すると彰を抱えたまま後退り始める。

「お前には関係ないこと。自分と、その男の命が惜しくばショウ・アキヤマを私に引き渡すことだ」
「まっ・・・待て・・・!」

 男が彰を抱えて自分から離れて行くのを見て焦った田川は損壊した建物の瓦礫の間を進もうとするが膝の怪我と瓦礫のせいでうまく進めない。
 目の前で彰が得体の知れない奴に連れて行かれる・・・!
 逸る気持ちから田川は必死に男に手を伸ばす。

「チクショウ・・・!彰を、返しやがれ・・・!」
「もう諦めろ人間。往生際が悪ーー」
「お前こそ諦めろ。下劣なアサシンが」

 仮面の大男の背後を、彼の逃走を妨害するように別の男が立ちはだかる。その男が只者ではないことを、田川は自らの直感ですぐに察知した。

(なっ・・・なんだあの男っ・・・!?)

 見た目はすぐに美しいと分かるその男。だが人間離れしたその容貌は、田川に危険という警鐘と本能的な恐怖を植え付けさせた。

(一体っ・・・どうなってんだ・・・!?)

 仮面を付けたイかれたガタイのいい大男と、そいつと対峙する恐ろしさを覚える人間離れした美丈夫の男。
 双方対峙した途端、自分が押し潰されそうな圧迫感プレッシャーを感じた田川は息苦しさを覚えた。
 美しき容貌と双眸を彩る血のように赤い瞳、夜風に靡く銀色の長い髪を確認した途端、仮面の大男・ミケーネは振り返らず苦々しく口を開いた。

「アルカシス・・・!貴様っ、どうしてここが分かった・・・!?」

 ミケーネも、北の淫魔王であり闘神という神の列籍に名を連ねた男に警戒し闘気を練り上げる。しかしアルカシスはそんなミケーネの様子を無視し怒りに満ちた声音で言った。

「私のモノを返してもらう。それが嫌なら、私の闘神としての神気がどれ程か、お前に試してやろう。ミケーネ」
「ぐっ・・・」

 怒りに満ちたアルカシスに名を呼ばれたミケーネは振り返らず微動だにしなかった。
 振り返れば、この男は確実に自分を殺す。
 なぜなら、簡単に殺せるはずの間合いをこの男は既に取っていたからだ。

 ミケーネに口を塞がれた彰は聞き覚えのある、怒りに震え恐怖を感じるこの声が自分の主という男の声と分かるとミケーネの無骨な手を避け、彼の名を口にする。

「アルカシス様っ・・・どうして・・・」

 彰はアルカシスから放たれる強い怒りから恐怖を感じて身を竦ませてしまう。しかし、その小さな怯えた声音を聞き逃さなかったアルカシスは、ミケーネに刺すように放つ神気と怒りの声音を変えず彼の問いに淡々と言った。

「私のもとを勝手に離れた罰だ。ショウ、この下衆ゲスを殺したら戻ってもう一度躾直してやろう」

 声質に恐ろしさを感じる。そして冷たい。
 でも今の彰は、こんな恐ろしい彼でも自分を見つけてくれたことに安心感を覚え、ポロポロと涙を流しながら言った。

「はいっ・・・。アルカシス様っ、ごめんなさい・・・」
 
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