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ーーーーー湊斗視点ーーーーー
それから俺はいつも以上に亜蓮の側にいた。亜蓮の気持ちに答えることは出来ないが、それでも1人にさせまいと一緒にいた。
夏休みに入り、俺は生徒会の仕事を終わらせ、休み中にある風紀との交流まで実家に戻った。亜蓮を1人寮に置いて帰るのが不安だったが、零の実家で過ごすと連絡があった。それからも亜蓮とは連絡を取り合っていたが、あちらにいるのが辛いと言われ、俺は風紀との交流するところに亜蓮を呼んだ。
亜蓮を迎えに久しぶりに零の実家へ。俺は零の顔が見れなかった。見たらまた、好きだった気持ちが振り返しそうで・・・そのまま交流のある別荘へ出掛けた。
メンバーと合流し、そこには田嶌の姿もあった。
「何故、神坂がいる?」
そう聞かれたが、
「今、零の実家でお世話になってるが、居づらいらしい。こっちにそこまで知り合いも少ないから連れてきた」
そうメンバーに伝えると、みな理解してくれた。
その後、休み明けのイベントについて会議をしたり、皆で出掛けたりした。
最終日の前日、夜に亜蓮から話があると呼び出された。
そこで、あの日のことを聞かされた。
「あの日ね、僕たちは零に巻き込まれたんだ。犯人は僕のお母さんだった。お母さんは、僕じゃなくて、零が欲しかったんだって。それで零の変わりに僕が向こうの家の子になる予定だったって・・・おかしいよね・・・僕のお母さんなのに・・僕は要らない子だったのかな?ごめんね。湊斗は関係なかったのに・・・お母さん達が捕まって、僕は零の家に行ったんだけど、そこでも要らなくて遠縁の人の家に追いやられた。全然知らない場所に連れていかれて、そんな僕をそこの人達は大事にしてくれた。それでも、向こうでホントの事を聞いたときすごく悲しかった。ホントだったらずっと皆と一緒にいれたのに零のせいで・・・」
「すまん。あの日の事はあまり覚えてないんだ。でも亜蓮はあの日俺たちを助けてくれただろ?うっすらと記憶にあるんだ。亜蓮が俺たちに駆け寄って来てくれたこと、人を呼んでくれたのはお前だろ?」
あの日のことは良く覚えていない。3人で遊んでいたときに知らない奴らに連れていかれ、気がついたときには病院のベットだった。
「そう。あの日、3人でかくれんぼしてた。2人を探しに行ったら全然見つからなくて、見つけたとき知らない人に連れていかれるとこだった。結局僕も見つかって連れていかれたけど・・・」
「ありがとうな。あの時、俺たちを助けてくれて」
あの日の真実。俺たちは零のせいで拐われたらしい。しかし、零も知らなかったことだ。確かに亜蓮がそう思うのも無理はない。しかし・・・
「事件は零も知らなかったし仕方がないかなって思ったんだけど・・・僕を遠くへやったのが零の一言だったんだ。犯罪者の子と居たくないって。周りの皆も反対してたからすんなり・・・零なら一緒にいようって言ってくれると思ってたのに・・・」
零がそんなこと言うだろうか?アイツは誰かが傷付くことを極端に嫌う。
「それは本当に零が言ったのか?」
「信じれないよね。でもホント・・・だから今でも零は僕を・・・湊斗との関係だって可哀想だったからって、僕が湊斗を好きって知って、2人の事とか教えられて・・・」
「零はそんなこと!」
「じゃあなんで?僕は制裁を受けたの?襲った人達はみんな零と体の関係ある人達だったよ・・・零言ってたもん。あいつらは、自分の下僕って。そんなに好きなら湊斗はあげるって。よかったね殴られるだけですんでって」
零が?俺を裏切っていた?確かに亜蓮に危害を加えた奴らは謹慎の後、転校していった。いや、そんな・・・
「湊斗・・・久しぶりに再会したからとかじゃない。帰ってきてから湊斗といて本当に安心できる場所を見つけたと思ったんだよ。湊斗だけが僕の居場所なんだ・・・ねぇ湊斗、好きだよ。僕じゃだめかな?」
俺は零に裏切られたことに怒りを覚え、亜蓮の告白を受け入れた。
交流が終わり、再び零の実家に送った時、笑っていない零を見た。
そうか、これが本当の零か・・・俺は騙されていたんだな・・・
俺の零への僅かな気持ちはその日儚く消えていった
それから俺はいつも以上に亜蓮の側にいた。亜蓮の気持ちに答えることは出来ないが、それでも1人にさせまいと一緒にいた。
夏休みに入り、俺は生徒会の仕事を終わらせ、休み中にある風紀との交流まで実家に戻った。亜蓮を1人寮に置いて帰るのが不安だったが、零の実家で過ごすと連絡があった。それからも亜蓮とは連絡を取り合っていたが、あちらにいるのが辛いと言われ、俺は風紀との交流するところに亜蓮を呼んだ。
亜蓮を迎えに久しぶりに零の実家へ。俺は零の顔が見れなかった。見たらまた、好きだった気持ちが振り返しそうで・・・そのまま交流のある別荘へ出掛けた。
メンバーと合流し、そこには田嶌の姿もあった。
「何故、神坂がいる?」
そう聞かれたが、
「今、零の実家でお世話になってるが、居づらいらしい。こっちにそこまで知り合いも少ないから連れてきた」
そうメンバーに伝えると、みな理解してくれた。
その後、休み明けのイベントについて会議をしたり、皆で出掛けたりした。
最終日の前日、夜に亜蓮から話があると呼び出された。
そこで、あの日のことを聞かされた。
「あの日ね、僕たちは零に巻き込まれたんだ。犯人は僕のお母さんだった。お母さんは、僕じゃなくて、零が欲しかったんだって。それで零の変わりに僕が向こうの家の子になる予定だったって・・・おかしいよね・・・僕のお母さんなのに・・僕は要らない子だったのかな?ごめんね。湊斗は関係なかったのに・・・お母さん達が捕まって、僕は零の家に行ったんだけど、そこでも要らなくて遠縁の人の家に追いやられた。全然知らない場所に連れていかれて、そんな僕をそこの人達は大事にしてくれた。それでも、向こうでホントの事を聞いたときすごく悲しかった。ホントだったらずっと皆と一緒にいれたのに零のせいで・・・」
「すまん。あの日の事はあまり覚えてないんだ。でも亜蓮はあの日俺たちを助けてくれただろ?うっすらと記憶にあるんだ。亜蓮が俺たちに駆け寄って来てくれたこと、人を呼んでくれたのはお前だろ?」
あの日のことは良く覚えていない。3人で遊んでいたときに知らない奴らに連れていかれ、気がついたときには病院のベットだった。
「そう。あの日、3人でかくれんぼしてた。2人を探しに行ったら全然見つからなくて、見つけたとき知らない人に連れていかれるとこだった。結局僕も見つかって連れていかれたけど・・・」
「ありがとうな。あの時、俺たちを助けてくれて」
あの日の真実。俺たちは零のせいで拐われたらしい。しかし、零も知らなかったことだ。確かに亜蓮がそう思うのも無理はない。しかし・・・
「事件は零も知らなかったし仕方がないかなって思ったんだけど・・・僕を遠くへやったのが零の一言だったんだ。犯罪者の子と居たくないって。周りの皆も反対してたからすんなり・・・零なら一緒にいようって言ってくれると思ってたのに・・・」
零がそんなこと言うだろうか?アイツは誰かが傷付くことを極端に嫌う。
「それは本当に零が言ったのか?」
「信じれないよね。でもホント・・・だから今でも零は僕を・・・湊斗との関係だって可哀想だったからって、僕が湊斗を好きって知って、2人の事とか教えられて・・・」
「零はそんなこと!」
「じゃあなんで?僕は制裁を受けたの?襲った人達はみんな零と体の関係ある人達だったよ・・・零言ってたもん。あいつらは、自分の下僕って。そんなに好きなら湊斗はあげるって。よかったね殴られるだけですんでって」
零が?俺を裏切っていた?確かに亜蓮に危害を加えた奴らは謹慎の後、転校していった。いや、そんな・・・
「湊斗・・・久しぶりに再会したからとかじゃない。帰ってきてから湊斗といて本当に安心できる場所を見つけたと思ったんだよ。湊斗だけが僕の居場所なんだ・・・ねぇ湊斗、好きだよ。僕じゃだめかな?」
俺は零に裏切られたことに怒りを覚え、亜蓮の告白を受け入れた。
交流が終わり、再び零の実家に送った時、笑っていない零を見た。
そうか、これが本当の零か・・・俺は騙されていたんだな・・・
俺の零への僅かな気持ちはその日儚く消えていった
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