その瞳の先

sherry

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入学式も終わり新入生歓迎会を翌週に控えた月曜日
親衛隊も新たに加わった子達と先輩との顔合わせも終わりホッとした
いつものように電話で湊斗を起こしたときのこと

「湊斗~そろそろ起きてくれませんかね~?」

「起きてるっつの。うるせぇな今日はもう執務室だ」
「サヨウデゴザイマスか。おや珍しい!今日は大丈夫だった?」
「いつも大丈夫だっつの。今日転校生がくるらしくて朝っぱらから呼び出しだ。」
「転校生?!またこんな時期にめずらしい」
「なんでも学園長の知り合いに頼まれたんだと、このクソ忙しい時期にウゼェちなみに2年だ。つーことで親衛隊の方しっかりやれよ。俺らは転校生の世話係だ」
「分かった。とりあえず各役員方の隊長の方に連絡しておく」

こんな時期に転校か...
同じ年ならまだ大丈夫だろう。そんなことを考えながら各親衛隊隊長に連絡をする。
俺はこの時知らなかったんだ。あの子が帰ってきたことを

「久しぶりだね。湊斗、零帰ってきたよ」

その日のことは忘れない。俺にとっても湊斗にとってもそしてあの子にとっても...

「初めまして、この度親の都合でこちらに転校してきた神坂 亜蓮(かみさか あれん)です
 初等部まではこちらの学園にいたのでまたよろしくお願いします。」

そして亜蓮はやってきた。そして俺たちにとってすべてが終わる日々が始まった

亜蓮は母方の妹の子供
俺と似た銀髪に紫色の瞳を持つ小柄な男の子だ。
俺たちは近くに居たこともあり、双子のように育った。
だから湊斗が亜蓮を構うのは当然で俺たちはまた3人で仲良くしていけると思ってたんだ。
まさかあの時の真実がねじ曲げられてるとも知らずに

昼休み珍しく湊斗から連絡があり、転校生の事で話があると言われた。
そこでいつものように友達とお昼を食べて生徒会室へと向かった。

「亜蓮お帰り。会いたかった」
「湊斗、久しぶりだね。僕も会いたかったよ」

そんなやりとりをしている2人の間には、何か入り込めない空気があった。

「失礼します。会長話とは?」

「零か。驚け亜蓮が帰ってきたぞ。転入生は俺たちの亜蓮だった」

俺はその時亜蓮が帰ってきたことに動揺していた。
何故?まだ帰ってくる時期じゃないはずなのに...

「亜蓮...久しぶり。元気だったか?」
「零ごめん。帰ってきたよ、ただいま...」
「元気そうでよかった!じゃあ...色々話したいしまた後で会いに来るよ!湊斗もまた後でその時話そう」
「ああ、亜蓮の事は俺に任せとけ」

なぜか分からないけど亜蓮の様子を見て、俺はその場から離れた。

俺が去るときに亜蓮が最後に言った言葉を聞き逃して

「零、君に奪われたものを取り返しに来たよ」

生徒会室を出て俺はこれからの事を考えていた
これから湊斗と亜蓮が一緒に居ることは必然、そうなった時親衛隊はどう動く?
湊斗だけならまだいい。他の役員たちは?当然と言っていいほど亜蓮といることになる
彼らの親衛隊はどう動く?俺1人で対処出来るだろうか...
それでもあの2人のためにやらなくては

 
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