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店内に入ってきた男の人達をソファー席に案内した。

「えっと・・・あの良かったこれどうぞ」

そういって渡したのは、氷が入った塩レモンのお水と氷のう代わりに凍らしたタオル。

「あぁ・・・すみません」

「いえいえ。今日も暑いですからね!ここなら外からも見えないんでゆっくりしてってください」

そう伝え、私はキッチンへと向かった。

「大丈夫そうか?」

と店内で集計をしていたレオ兄に聞かれ、

「ん~多分?それよりごめんね・・・折角の休憩なのに。とりあえず、先ご飯食べちゃうね?」

「あぁ。ゆっくり食べておいで」

そう言われ、キッチンに入るとマスターがまた何かやってた

「ミア!どうだ?中々うまく出来たと思うんだが・・・」

「マスター・・・今日の賄いも何か凄いね・・・」

本日の賄いとしてマスターが出してきたのは、最近ハマってる唐揚げのアレンジしたやつ

いや、うん。いいんだけどさ・・・量多くね?

私の目の前にはお皿にてんこ盛りされた唐揚げ達が

てかこの真っ赤なの何!?絶対辛いやつじゃん!!

いつもは大食い3人衆がいるから不思議に思わなかったけど・・・

でもまぁありがたく頂きますよ。やっぱりね・・・めっちゃ辛い!!

「マスター!!辛い~!!」

「おっ?そうか?でも癖になるよな~」

確かに癖にはなりますけども!!食べ終わる頃には汗だくになるミアなのでした

「おーいミア。さっきの人達だけど・・・」

カウンターからキッチンに声をかけたレオ兄・・・だけどちょっと今無理!!

汗だくの私を見て、目を反らしたレオ兄・・・いやマジで後でおんなじ目に合うんだからね!!

と思いつつ、一応クリーンをかけてカウンターに出た。

そこには先ほどの男の人達が立っていた。

「先ほどは驚かせてすまなかった。お嬢さんがあまりにも亡き妻に似ていたもので・・・」

「はぁ・・・えっと、もう大丈夫ですか?」

「いや・・・その・・・」

何じゃ~い!!ってか何で急にモジモジすんの???

「(ちょっと父上!)」

「(いや、分かってる。分かってるけど・・・)」

「(はぁ・・・もういい俺が聞く!)あのさ、君の名前ミアっていうの?」

何かこそこそ話してると思ったら急に後ろにいた男の人が話しかけてきた。

「失礼。うちの子が何か?」

「いや、あなたに聞いてるんじゃないんだけど」

「いえ私はこの子の保護者のようなものですので」

保護者のようなものって。まぁそうだけどもってか何なんだ?

「保護者・・・」

「はい。それにあと7人ほど保護者がおりますが何か?」

「「「えっ?」」」

「失礼ですが、素性の分からない方にこの子の事を話すことはできません」

お~!!レオ兄カッコいい!!とりあえず後ろに隠れとこ♪

「僕がこの人達と話すから中にいな」

と言われ、再びキッチンに戻った。いやカッコいいと思ったのにドヤ顔すんのやめて!

その後暫くして、男の人達は帰っていったらしくレオ兄がキッチンに入ってきた。

「で?何だったんだ?」

「(後でお話しします)ミア、アレン達が戻ってくるのは次の休みだったか?」

「えっと・・・多分?」

「ならその時一緒にギルドに行こう。マスターも一緒に」

ん?何かあったのかな?真剣な顔のレオ兄に言われとりあえず頷いた。

それから暫くして午後の営業が始まり、本日も何事もなく終了した。

そして、次の定休日。私はレオ兄達と共にギルドの会議室へと来ていた。

「えっと・・・今日は何かあったの?」

何か空気が重いんだけど!?私何かしたっけ?・・・もしかしてアレンさん達に何かあった?!

暫くすると会議室のドアが開き、小綺麗な格好のアレンさん達が入ってきた。

「ん?どうしたのそんな格好して・・・ってかお帰り」

「あぁただいま。いやちょっとな・・・」

すると、そこにレミちゃん達ギルドメンバーが現れ、その後ろからいかにも貴族ですって感じの3人の男の人が入ってきた。

そして、全員が席についたあと、ギルマスが話し出した。

「今日集まってもらったのは、ミアお前の事だ」

「ん?私?えっ?」

「ミアさん、こちらにあなたのご家族とおしゃられる方が来られています」

家族?はて?そう思いながら前に座った3人を見る。

ん~・・・誰?!

「失礼。私の名はエドワード・フォルフォース。そして、息子のウィリアムとダニエルだ。この度は我が娘を保護していただき感謝する。我々もこの2年ずっと探していたのだがいい報告が得られずにいた・・・そして、こちらで娘らしき人物を見たと聞いてやって来た」

ほぅ?

「ミア、お前の事だぞ?」

アレンさん、そこはスルーしてほしかった

「あーうん・・・ってかね、そう言われても正直家族とか記憶にないし・・・で?って感じなんだけど」

いやまぁそりゃね?多分そうなんだろうな~って感じなんだけど、正直ミアの記憶でもおたくらの記憶なんてほぼ皆無なわけ、それによこちとら前世持ちのええ大人なのよ。今更父親です、兄弟ですとか言われてもね~

「うっ・・・我々としては家に戻ってきて欲しいと思っている。今まで目を背け続けた私たちにチャンスをくれないか?」

「んー・・・それは・・・いや正直帰っても何一ついい思い出ないですし、それに今さらそんなこと言われても、ご覧のとおり好きなことさせてもらって、大好きなみんなに出会ってしまったので」

「そうですね。伯爵、我々は元々貴族でした。なので、あなた方家族の事は聞いたことがありました。しかし、あなた方がミアにしたことは到底許されることではないと思います。そして我々も許せないと思っています」

えっ?知ってたの?!ビックリしてアレンさんに目を向けると

「いやミアが生まれたことは知らなかったが、愛妻家の伯爵の事は知っていた。あと、家族の仲がいいということも・・・だからミアが話してくれたときまさかとは思ってた」

まぁそれもそうか。貴族だったんだもんね。

「そっか・・・」

だからあの時、あんな顔してたんだ ・・・
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