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私の周りは新しく出来た家族の味方でいっぱい。
優しかった家の人達はどこに行ったのかな・・・辛くても寂しくてもここに私の味方はいない。
お父様もお兄様達も私の事が嫌いだからここじゃない所に離れて暮らし、私に会いに来てくれることはない。それは私が生まれなければお母様は死ななかったから。それを教えられたのは新しいお義母様という人が来てからすぐの事だった。
そして、新しいお義母様には私と同じ年の女の子がいた。
私が持ってた物は全部その子の物になった。お母様のドレスや宝石は新しいお義母様のものになった。唯一私の首に付けられたネックレスだけが産んでくれたお母様と私を繋ぐものになった。
この家での居場所は書庫とその中にある物置部屋だけ。ここから出ることも一緒に食事をすることもなく、新しいお義母様が来てから何回目かの花の季節になっていた。
いつもは怖い顔で睨んでくるか無視をするのに、今日は何故か笑顔のメイドさん達に連れられ、身綺麗にされた後凡そサイズの合っていないであろう綺麗なドレスに着替えさせられ、馬車へと乗せられた。
訳も分からず、メイドさんに聞いても答えてもらえず、そのまま馬車は森の中へと入っていった。
キョロキョロと周りを見ていたら馬車が停まり、そのまま下ろされたかと思えば何も言わず扉がしまり、馬車は私を置いたまま走り去っていった。
慌てて馬車を追いかけるも、今の私の足では追い付くことは出来るはずもなく、途中で何かに褄ずいてしまい転けた私が顔を上げたときには既に馬車は見えなくなっていた。
暗い森の中に置き去りにされ、足から血が滲み強く捻ってしまったのか立つこともままならない・・・木に寄りかかり目を瞑る。
そこまで私が嫌いなのか、ならば何故生まれた時にお母様と一緒に死なせてくれなかったのか、何故今日まで生かしたのか・・・
ここ最近何も与えてもらえなかったのはこの日の為なのか・・・もうどうでもいい。お母様に会いたい。でも、きっとお母様も・・・
結局誰もいない・・・もう疲れた。
一生懸命本を読んで得た知識で役に立ちたかった。そうすればお父様達に認めてもらえると思っていたから
遠くで何かの鳴き声が聞こえる。
あぁここで死ぬのかな。ごめんなさいお母さま、折角命をかけて産んでくれたのに、でも私よりお母さまが生きていればこんな思いもしなくて済んだと思う私を許してください。
お父様、お兄様方ごめんなさい、貴方たちのお母さまを奪ってしまって、だけど私はあなた達に愛してほしかった。
だから・・・そこで私の意識は途切れた・・・
優しかった家の人達はどこに行ったのかな・・・辛くても寂しくてもここに私の味方はいない。
お父様もお兄様達も私の事が嫌いだからここじゃない所に離れて暮らし、私に会いに来てくれることはない。それは私が生まれなければお母様は死ななかったから。それを教えられたのは新しいお義母様という人が来てからすぐの事だった。
そして、新しいお義母様には私と同じ年の女の子がいた。
私が持ってた物は全部その子の物になった。お母様のドレスや宝石は新しいお義母様のものになった。唯一私の首に付けられたネックレスだけが産んでくれたお母様と私を繋ぐものになった。
この家での居場所は書庫とその中にある物置部屋だけ。ここから出ることも一緒に食事をすることもなく、新しいお義母様が来てから何回目かの花の季節になっていた。
いつもは怖い顔で睨んでくるか無視をするのに、今日は何故か笑顔のメイドさん達に連れられ、身綺麗にされた後凡そサイズの合っていないであろう綺麗なドレスに着替えさせられ、馬車へと乗せられた。
訳も分からず、メイドさんに聞いても答えてもらえず、そのまま馬車は森の中へと入っていった。
キョロキョロと周りを見ていたら馬車が停まり、そのまま下ろされたかと思えば何も言わず扉がしまり、馬車は私を置いたまま走り去っていった。
慌てて馬車を追いかけるも、今の私の足では追い付くことは出来るはずもなく、途中で何かに褄ずいてしまい転けた私が顔を上げたときには既に馬車は見えなくなっていた。
暗い森の中に置き去りにされ、足から血が滲み強く捻ってしまったのか立つこともままならない・・・木に寄りかかり目を瞑る。
そこまで私が嫌いなのか、ならば何故生まれた時にお母様と一緒に死なせてくれなかったのか、何故今日まで生かしたのか・・・
ここ最近何も与えてもらえなかったのはこの日の為なのか・・・もうどうでもいい。お母様に会いたい。でも、きっとお母様も・・・
結局誰もいない・・・もう疲れた。
一生懸命本を読んで得た知識で役に立ちたかった。そうすればお父様達に認めてもらえると思っていたから
遠くで何かの鳴き声が聞こえる。
あぁここで死ぬのかな。ごめんなさいお母さま、折角命をかけて産んでくれたのに、でも私よりお母さまが生きていればこんな思いもしなくて済んだと思う私を許してください。
お父様、お兄様方ごめんなさい、貴方たちのお母さまを奪ってしまって、だけど私はあなた達に愛してほしかった。
だから・・・そこで私の意識は途切れた・・・
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