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※R18 獣その1

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 そこまでするー?!

「シアン、リュシアンを」

「あ、うん」

 僕の腕からリュシアンを取り上げると、ベビーベッド へ寝かせた。
 そして! 厳重に結界に防音、更に安眠のトリプルで、リュシアンが起きたり泣いたりすることが無い様にした。

「グラン、それは」
「もうね、邪魔されたく無いの。
 シアン、分かってくれるよね?」

 大型犬が耳を垂れて哀しげに、見つめて来た。
 追いつめられるように、ベッドの腰かけた。

「う、ん、」

 返事を最後まで聞かずに、噛み付く様にキスをして来た。
 ベッドに押し倒されながら、お互いの唾液があふれて、ぢゅる、って音がする程舐られて、僕は恥ずかしさより愛し合う快感に身を委ねた。

「シアン、好きだ、好き、本当に好き」
「僕も、グランが好きだよ」

 僕はグランから骨が軋んで痛いほど抱き締められたことが、嬉しくて涙が出た。

「あ、シアン! ごめん! 痛かった?」

「違うの、嬉しくて、グランが好きって言ってくれて」

「私は最初から言ってたけどなぁ」

 愛嬌たっぷりに笑って、いつものグランを見せてくれてるけど、本当は黒いことをなんとなく気づいてるけど言わない。
 そうやって僕らを全力で守ってくれてるのを知ってるから。

「グラン、僕を好きって言ってくれてありがとう」

 僕も噛みつくようにキスをすると、グランは後頭部を鷲掴んでさらに深く噛みつき合うような獣のキスをした。

「あ、あ、あぁ、ぁ、」

 グランの指が手が僕の下半身に辿るように伸びて、キスの刺激だけで完勃してしまった性器をそろっと撫でた。
 僕も待ちに待った刺激だった。
 ただ抱きつくようなキスをするだけじゃないグランに、こんな事をしてあげた人が過去にいるのかと思うと悔しくて、僕もグランの性器に手を伸ばした。

「うぅん、あ、シアン、!」

 大きく反り返った性器は固く熱く、そしてマグマの様な熱い物を出した。

「グ、ラン?」

「もう、出ちゃって恥ずかしい!!」

 真っ赤になって顔を背けるグランが可愛くて、出してしまったのにまだまだ硬いそれを指の腹でグリっと擦ると、更に腰を引いて快感に声を上げた。

「あ、シアン、シアン、私が早いって笑わないで、失敗したくなかったのに」

「まだ全然硬いよ」

「うん、でもさっき出したからちょっと落ち着いた。
 初めてだし、緊張してたから余計かも」

「グランは、こういうことするの初めてなの?」

「そうだよ?
 だってセックスは好きな人としかしちゃいけないんだからね」
 
 純粋、そんな言葉がそんな言葉が頭をよぎった。

「僕は、僕は、その、中古」
「私の事を愛してくれてる可愛い奥さんだよ。
 それにね、私とするシアンは初めてじゃない。
 私もシアンとする初めてだし、お互い初めて同士で良いじゃない?
 気持ちいいことを沢山しよう」

「うん、する! グランがしてくれる気持ちいい事、沢山するよ!」

 グランの思いやりとか優しさも、皇太后様の教育が受け継がれてるって心底思いながら、グランの初めてを貰える自分を誇らしく思った。

 グランの濡れた性器は、悩まし気にビクビクと跳ね、それを体をずらして屈みこむように体を折ると、そっと先を口に含んだ。



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