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準男爵の災難
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定番の登場人物って感じの準男爵令嬢は、ピンクの髪を盛大に巻いてドリルが数本垂れ下がっていた。
「勝手に解雇できる立場だと思っているのですか!?」
目が痛い、いや、その姿が痛々しい。
まだ中学生くらいならまだしも、どう見ても二十歳を超えた成人女性が、プ〇キュ〇とかで着てる衣装の様なフリルとリボンでゴテゴテの装飾されたドレスを着ていた。
「僭越ながら私から話します。
令嬢の立場より、エルモア魔法伯爵様の方が上ですので、不敬と理由に解雇されるのに問題はありません」
手に持っていた扇子を騎士に投げつけようとして、他の騎士からその腕を取られて止められていた。
「放しなさい!」
このままだとそろそろグランが来て、この準男爵令嬢もその親も全ての地位や財産をはく奪されて放り出される未来しか見えなかった。
わざわざ面倒な相手に注意をしてやる事も無いのだけど、このままだと埒が開きそうも無かった。
「準男爵令嬢はまず貴族の基本教育を受けて無いのでしょうか?
貴族は偉いから、なんでもして良い訳ではありませんよ、そのお年ならご存知かと思いましたが?
それにグランとは何も関係が無いのに、僕が挨拶を強要される覚えも無ければ、たとえ関係があったとしても僕の立場の方が上なのですから、貴方が自分の立ち位置を理解して弁えるべきです。
このまま貴族でいたいなら、ご理解ください」
「くっ! 私が殿下の隣に立つはずでしたのに!」
「御父上の功績が認められて叙爵されたのですよね?」
「我が家に何度も来られて、庭を一緒に散策しそれをとても喜んで、私が必要だと仰ってくださいましたわ!」
「何度も薬草の関係で足を運び、薬草畑の成長具合に喜んで、貴方の家の技術が必要だ、と言う事が正解なのかな?と思うんですが、どうかな? グラン」
そろそろ来る頃だと思っていたけど、警護をしてくれる騎士たちを掻き分けて傍にに立った。
「大正解だ。
何事かと思って肝が冷えた」
額に少し汗を掻きながら、ほんの少し乱れた息を整えていた。
僕を庇う様にして立っていた先頭の騎士に、良くやった、とグランが声をかけると、頭を下げてその礼を受け入れていた。
僕を背後から抱きしめながら、肩に顔を埋めると薬草はもったいないけど、と言いながら剝奪しようか、と聞いてきた。
「薬草はまだまだ無限の可能性を秘めてるし、確かに勿体ないよね」
グランは眉間に皺を寄せて、騎士の一人に命令した。
「誰か! カムント準男爵をここへ連れて来い!」
「はっ!!!」
一番後方にいた騎士の一人が、口笛を吹くと大きいカラスのような鳥が舞い降りて来て、そのカラスと何やら交信すると空へ飛ばした。
「あれは何をしてるの?」
「他の者の目や体を借りて捜索する時によく使う手だ。
空であったり、陸であったり、海であったりと、各々の属性や相性で変わるんだよ」
へぇ、空から見たら確かに早いよね。
「殿下! 今こちらへ向かってるとの事です!」
先程鳥と交信していた騎士が、見つかったことを報告してきた。
すると、すぐに廊下の向こうからドタドタという足音を響かせて、ヒョロッとした年配の男性が走って来た。
「ラグランジュ殿下にご挨拶いたします」
辿り着くや否や、急いで膝をついて挨拶をした。
「急ぎ呼んですまなかった。
ご令嬢の事で困ったことになっている。
どう言うことか説明願いたい」
淡々とグランが説明を求める言葉を出すと、準男爵は娘の方を見た。
「勝手に解雇できる立場だと思っているのですか!?」
目が痛い、いや、その姿が痛々しい。
まだ中学生くらいならまだしも、どう見ても二十歳を超えた成人女性が、プ〇キュ〇とかで着てる衣装の様なフリルとリボンでゴテゴテの装飾されたドレスを着ていた。
「僭越ながら私から話します。
令嬢の立場より、エルモア魔法伯爵様の方が上ですので、不敬と理由に解雇されるのに問題はありません」
手に持っていた扇子を騎士に投げつけようとして、他の騎士からその腕を取られて止められていた。
「放しなさい!」
このままだとそろそろグランが来て、この準男爵令嬢もその親も全ての地位や財産をはく奪されて放り出される未来しか見えなかった。
わざわざ面倒な相手に注意をしてやる事も無いのだけど、このままだと埒が開きそうも無かった。
「準男爵令嬢はまず貴族の基本教育を受けて無いのでしょうか?
貴族は偉いから、なんでもして良い訳ではありませんよ、そのお年ならご存知かと思いましたが?
それにグランとは何も関係が無いのに、僕が挨拶を強要される覚えも無ければ、たとえ関係があったとしても僕の立場の方が上なのですから、貴方が自分の立ち位置を理解して弁えるべきです。
このまま貴族でいたいなら、ご理解ください」
「くっ! 私が殿下の隣に立つはずでしたのに!」
「御父上の功績が認められて叙爵されたのですよね?」
「我が家に何度も来られて、庭を一緒に散策しそれをとても喜んで、私が必要だと仰ってくださいましたわ!」
「何度も薬草の関係で足を運び、薬草畑の成長具合に喜んで、貴方の家の技術が必要だ、と言う事が正解なのかな?と思うんですが、どうかな? グラン」
そろそろ来る頃だと思っていたけど、警護をしてくれる騎士たちを掻き分けて傍にに立った。
「大正解だ。
何事かと思って肝が冷えた」
額に少し汗を掻きながら、ほんの少し乱れた息を整えていた。
僕を庇う様にして立っていた先頭の騎士に、良くやった、とグランが声をかけると、頭を下げてその礼を受け入れていた。
僕を背後から抱きしめながら、肩に顔を埋めると薬草はもったいないけど、と言いながら剝奪しようか、と聞いてきた。
「薬草はまだまだ無限の可能性を秘めてるし、確かに勿体ないよね」
グランは眉間に皺を寄せて、騎士の一人に命令した。
「誰か! カムント準男爵をここへ連れて来い!」
「はっ!!!」
一番後方にいた騎士の一人が、口笛を吹くと大きいカラスのような鳥が舞い降りて来て、そのカラスと何やら交信すると空へ飛ばした。
「あれは何をしてるの?」
「他の者の目や体を借りて捜索する時によく使う手だ。
空であったり、陸であったり、海であったりと、各々の属性や相性で変わるんだよ」
へぇ、空から見たら確かに早いよね。
「殿下! 今こちらへ向かってるとの事です!」
先程鳥と交信していた騎士が、見つかったことを報告してきた。
すると、すぐに廊下の向こうからドタドタという足音を響かせて、ヒョロッとした年配の男性が走って来た。
「ラグランジュ殿下にご挨拶いたします」
辿り着くや否や、急いで膝をついて挨拶をした。
「急ぎ呼んですまなかった。
ご令嬢の事で困ったことになっている。
どう言うことか説明願いたい」
淡々とグランが説明を求める言葉を出すと、準男爵は娘の方を見た。
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