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カリスマと民主主義
しおりを挟む「いや~笑ったわ~
咲季ちゃん、物凄い攻撃だったよ~」
「え、攻撃したつもりは…
国の行く末を想像したら、一番あの国に手を出しそうなのがレオハルトだなぁ~って。
そこから連想ゲームをして行ったら、兎の国かぁって思っただけですよ」
「ぶっは!!
兎の国ってもう、そこら中ヤル事しか頭にない国になっちゃうじゃん」
「それなら、性産業が発達しそうですね」
僕は真面目に言ったつもりだったんだけど、それも爆笑された。
「ヒー!!
あーっははっはははっはは!!!!
ゲラゲラ、ぐっふぅ!!!」
「ご、め、ん、し、ぬぅ~!!!」
シャズとロゲルが、本当に床を転げまわりながら爆笑してた。
笑いすぎだから!!
「遊ぶのはその辺で。
向こうが戦いの準備をする前に攻め込みましょう
先手必勝です。
兎の国になるのを待ってるのも良いですが、やはり国民がいる事ですからね
犠牲になる国民は少ない方がいい」
マナイが冷静に判断した結果、このまま戦いに赴くことになった。
頭を落とす、これが一番だと。
エディオンの身内が殆どを占めてる諸侯たちを、退かせた後、魔族から王を立てるように国民に問う事で一致した。
その場から強制的に転移魔法で自国へ帰されたエディオンが、自白させられて自分が言ったことは棚に上げて憤慨していた。
「仮にも英雄だった俺に!
仕掛けてやる!」
鼻息も荒く感情を出してる所に、従兄弟の宰相が不利だと言う事を伝え、直ちに国民からちゃんとした代表である国王を選ぶべきだと進言したが、時は既に遅く国内の主要な部分を暗部が破壊してライフラインを絶った。
国民にとっては必要不可欠なライフラインが途切れれば、すぐに気づくもので、屋外に出てきて隣近所にどうしてだの、何があったと話し始めた。
外に出た国民に対し、先に宣戦布告したことを告げると、逃げ惑う者や闘おうとする者が出た。
そう言った者たちをシャズや、僕たちで制して話があると言うと、漸く聞く耳を持ってくれた。
「宣戦布告したが、国民の犠牲を強いたくはない。
国王のエディオンそこに連なる一族及び、貴族たちを一掃し新たな王を民衆から選んで欲しい!!
そして、労働に対する対価や、法規を諸外国と同じように考えられる者を宰相として並べ立てて欲しい!
国民の総意は如何か?」
声に威圧と制圧を乗せて、トルクが提言した。
「やっと、今の王ではなくなるって事?」
やっと?
まだ成人にも満たないような少年が声を発した。
「そうだ、その王を我らが討つ!」
「魔王エスラ様は、やっぱりもういないの?」
国民はエディオンが、うちの身内だった者がした事を聞いているのだろう。
「申し訳ないが、エスラ殿は魔王から解放された。
だが、魔王の象徴は君たちの中にずっと流れて行くものだ。
だからこそ、エスラ殿が守った皆の中から王を選んで欲しい。
エスラ殿の憂いを知ってる者、その力を知ってる者ならば、導くものとして適任ではないだろうか?
今この国を、自国を追われたリサマールの王レオハルトが狙っている。
その自衛のためにも、決心して欲しい!!」
カリスマ性というか、新興宗教の教祖みたいだって聞いてて思った。
「王様を僕たちが選んでいいって事だよね?
こうやって決めるの?」
民主主義をこの国に持ち込むことにしたのは僕だった。
マナイに以前そんな話をしたことがあった。
既に王族があるこの国や世界では難しいけど、僕のいた世界は民主主義と言うものがあって、国民が是非を問う事が出来ると。
そこからこの魔族の特性を考えて、民主主義の方が統率出来ると考えたようだ。
「王になりたいもの、王にふさわしいと思うものを皆が候補を挙げて、そこから一人を更に国民が選ぶと言うのではどうだろうか?」
マナイが宰相を務めていたこともあり、その言葉はすんなりと受け入れられた。
「では、これから討ちに行く。
俺が、エスラの仇を取る」
シュリがエスラの仇と口出すと、民衆は沸いた。
「お願いします!
魔王様は決してお強くなんか無かった。
ただ、魔族の為に、それだけに生きて死ぬを繰り返してくださった方なんです!!
どうか、どうか」
「分かっている。
しかしな、心は決して弱くは無かったぞ」
そう告げると、泣き崩れる者もいて、エスラはこんなに慕われていたのだと実感した。
「では!!!」
僕とフロウ、マロ以外は獣化して、王宮へ向かった。
それを見守るように、フロウの監視カメラの映像が展開された。
国民には知る権利がある、と。
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