82 / 122
残酷な事実
しおりを挟む☆残虐表現あり☆
「僕に泣く資格なんか無いって分かってるけど、
エディオンの憎しみは、想像が出来ない程痛いよ」
真実が知りたい。
だから僕はハラン様から、本当のことを知りたかったんだ。
「トルク、ハラン様に会いに行こう。
何が本当なのか、ちゃんと知らないとトリシュ兄様にもマナイ兄様にも合わす顔が無いよ」
エディオンは壁に凭れて、どうぞ、案内しますよ、と。
「急ごう!!
エディオンは着いて来れるな?」
はいよって軽く手を挙げた。
スワンの体がその場に倒れると、そこには灰色の髪色をした美丈夫が佇んでいた。
「では行く!!
咲季、しっかり捕まれ」
「うん!
トルク!ありがとう!大好きだよ!」
獣化した白豹のトルクは飛ぶように早かった。
そしてエディオンは、文字通り飛んでいた。
「あの塔の地下ですよ!」
エディオンが指差す塔の地下を目指した。
「魔族の襲来まであまり時間がないですからねぇ~」
エディオンは来ないつもりだな、あれ。
トルクは念のため、半獣化したまま僕を支えて地下へ降りた。
「う、あんあ、あん、でふ、ひ、あ、」
嫌な感じの嬌声が響いて来た。
これって、エディオンが言った通りハランが?
壁の向こうをそっと覗くと、陵辱ものと言われるエロ漫画に出て来そうな光景が広がっていた。
「うひ、ひゃ、うん、あんあん、あん、ぐひゃあ、おぐ、おぐにちょうだぁい」
排泄物も一緒になった様な床に、ドロドロの男性が禿げ上がったおっさん達のペニスを咥え込んでいた。
トルクが一声唸ると、げへへ、と笑いながら混ざれ混ざれとこちらを見て手招きした。
「ハラン殿!
正気になられよ!」
「あぁ、トルク様ぁ
抱いてください、貴方の子が欲しい!
きっと強い子が生まれますよぉ!
今まで生まれたのは、その辺の狼程度だから、間引いて魔物に与えたんですよ。
生贄に間引いた子を与えれば強い種が授かるし、強い子を孕める様に何度でも出来るし、一石二鳥で、良いシステムですよぉ~
トルク様、ペニスも大きそうだし、楽しみましょう、ホラ、どうぞぉ」
ぐちゃぐちゃに汚らしいアナルを見せつけて来た。
「穢らわしい!
貴方は正気なのか!」
「正気ですとも!
私が、国の主人になるのですから!」
操られている訳ではなかった。
「では聞く。
英雄エディオンの伴侶を知っているか!?」
「あぁ、エディオンは私の誘いに乗らずに、同じ村の幼馴染とやらを伴侶にしてしまったわね。
可哀想に。
あの子、孕まなければ、お腹を裂いたりなんかしなかったのよぉー?
いくら言っても堕ろさないから、お仕置きしたのよ、エディオンを盗ったりするから。
お腹の子は、金色の毛皮みたいだったわねー」
気持ち悪い、何なんだ、この化け物は!
もう、無理だ。
トリシュにもマナイにも告げられない。
あんなに、あんなに心配していたのに!
〔咲季ちゃん、全部見てたから。
大丈夫、別れは済んだ。〕
ピアスからトリシュの声、それにマナイの声も混じってた。
「トル、ク、これまでの、全部みんなに伝わってた。
どうしよう」
「咲季、あいつらは何て?」
「別れは済んだって…」
繋がってる事を今の今まで忘れてた。
「ハラン殿、二人の子供から伝言だ。
好きに生きて欲しい、と」
「あ、どの子からかしら?
好きに生きてるわ~」
その言葉を最後に、トルクはハランの首を落とした。
多分、首が落ちた事もきづいてないんじゃないかって、そんな表情だった。
2
お気に入りに追加
791
あなたにおすすめの小説
不夜島の少年~兵士と高級男娼の七日間~
四葉 翠花
BL
外界から隔離された巨大な高級娼館、不夜島。
ごく平凡な一介の兵士に与えられた褒賞はその島への通行手形だった。そこで毒花のような美しい少年と出会う。
高級男娼である少年に何故か拉致されてしまい、次第に惹かれていくが……。
※以前ムーンライトノベルズにて掲載していた作品を手直ししたものです(ムーンライトノベルズ削除済み)
■ミゼアスの過去編『きみを待つ』が別にあります(下にリンクがあります)
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
【R-18】僕のえっちな狼さん
衣草 薫
BL
内気で太っちょの僕が転生したのは豚人だらけの世界。
こっちでは僕みたいなデブがモテて、すらりと背の高いイケメンのシャンはみんなから疎まれていた。
お互いを理想の美男子だと思った僕らは村はずれのシャンの小屋で一緒に暮らすことに。
優しくて純情な彼とのスローライフを満喫するのだが……豚人にしてはやけにハンサムなシャンには実は秘密があって、暗がりで満月を連想するものを見ると人がいや獣が変わったように乱暴になって僕を押し倒し……。
R-18には※をつけています。
俺の伴侶はどこにいる〜ゼロから始める領地改革 家臣なしとか意味分からん〜
琴音
BL
俺はなんでも適当にこなせる器用貧乏なために、逆に何にも打ち込めず二十歳になった。成人後五年、その間に番も見つけられずとうとう父上静かにぶちギレ。ならばと城にいても楽しくないし?番はほっとくと適当にの未来しかない。そんな時に勝手に見合いをぶち込まれ、逃げた。が、間抜けな俺は騎獣から落ちたようで自分から城に帰還状態。
ならば兄弟は優秀、俺次男!未開の地と化した領地を復活させてみようじゃないか!やる気になったはいいが………
ゆるゆる〜の未来の大陸南の猫族の小国のお話です。全く別の話でエリオスが領地開発に奮闘します。世界も先に進み状況の変化も。番も探しつつ……
世界はドナシアン王国建国より百年以上過ぎ、大陸はイアサント王国がまったりと支配する世界になっている。どの国もこの大陸の気質に合った獣人らしい生き方が出来る優しい世界で北から南の行き来も楽に出来る。農民すら才覚さえあれば商人にもなれるのだ。
気候は温暖で最南以外は砂漠もなく、過ごしやすく農家には適している。そして、この百年で獣人でも魅力を持つようになる。エリオス世代は魔力があるのが当たり前に過ごしている。
そんな世界に住むエリオスはどうやって領地を自分好みに開拓出来るのか。
※この物語だけで楽しめるようになっています。よろしくお願いします。
嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい
りまり
BL
僕のいる世界は男性でも妊娠することのできる世界で、僕の婚約者は公爵家の嫡男です。
この世界は魔法の使えるファンタジーのようなところでもちろん魔物もいれば妖精や精霊もいるんだ。
僕の婚約者はそれはそれは見目麗しい青年、それだけじゃなくすごく頭も良いし剣術に魔法になんでもそつなくこなせる凄い人でだからと言って平民を見下すことなくわからないところは教えてあげられる優しさを持っている。
本当に僕にはもったいない人なんだ。
どんなに努力しても成果が伴わない僕に呆れてしまったのか、最近は平民の中でも特に優秀な人と一緒にいる所を見るようになって、周りからもお似合いの夫婦だと言われるようになっていった。その一方で僕の評価はかなり厳しく彼が可哀そうだと言う声が聞こえてくるようにもなった。
彼から言われたわけでもないが、あの二人を見ていれば恋愛関係にあるのぐらいわかる。彼に迷惑をかけたくないので、卒業したら結婚する予定だったけど両親に今の状況を話て婚約を白紙にしてもらえるように頼んだ。
答えは聞かなくてもわかる婚約が解消され、僕は学校を卒業したら辺境伯にいる叔父の元に旅立つことになっている。
後少しだけあなたを……あなたの姿を目に焼き付けて辺境伯領に行きたい。
異世界で大切なモノを見つけました【完結】
Toys
BL
突然異世界へ召喚されてしまった少年ソウ
お世話係として来たのは同じ身長くらいの中性的な少年だった
だがこの少年少しどころか物凄く規格外の人物で!?
召喚されてしまった俺、望月爽は耳に尻尾のある奴らに監禁されてしまった!
なんでも、もうすぐ復活する魔王的な奴を退治して欲しいらしい。
しかしだ…一緒に退治するメンバーの力量じゃ退治できる見込みがないらしい。
………逃げよう。
そうしよう。死にたくねぇもん。
爽が召喚された事によって運命の歯車が動き出す
堅物王子の側妃は降嫁と言われたので王宮騎士になって返り咲く
あさ田ぱん
BL
辺境伯の四男のアナベルは堅物王子ギルフォードと政略結婚をして側妃となった。ギルフォードは好色な王に習って側妃を数名抱えていたが、いずれも白い結婚で、国庫を圧迫する後宮を縮小したいと考えている。アナベルは唯一の男の側妃で他の側妃からの虐めにも耐えて頑張っていたが、スタンピードが発生したことでギルフォードは側妃達を降嫁させると宣言する。
堅物王子攻×健気受け
R18には※をつけております。
いろいろとご指摘の箇所を修正、改稿してアップしています。
※皇→王に修正、などなど、タイトルも変えました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる