子豚のワルツ

ビーバー父さん

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恥ずかしい期待※

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ここまではっきりと守ってくれたのはトルクしかいなかった。

僕の悔しい思いも、怒りも、全部トルクが消化してくれた。







部屋の扉を閉めた途端、僕はトルクに抱きついた。

「トルク!トルク!!」

頭をぐりぐりとトルクの胸辺りに擦り付けて、、どう表現していいか分からない感情をぶつけた。

「おっ、ふ
 咲季、どうしたの?」

「あのね、あのね、トルクだけが僕をちゃんと守ってくれたんだ。
 凄く悔しかったし、悲しかったし、怒ってたけど、僕は言い返せなくて
 トルクが言ってくれたこと、凄く、スカッとした!!!」

そうだ、スカッとしたんだ!
言われっぱなしで、一言も言い返せなかったのが悔しくて。

「でも、そっか
 あの人と、ずっとだったのか。
 僕の方が浮気相手だったんだね」

「そこに関してはどうだろうね?
 レオハルトも本気だったとは思うよ。
 ただ、遊びを止められない馬鹿だったのさ。」

「そうなんだ」

トルクは公平な言い方をした。

「咲季は、私のものだよね?」

心配そうに覗き込むトルクに、笑ってそうだよって堂々と言った。

「やっと、ちゃんとキスが出来る」

そう言って僕を膝に抱きかかえると、しっかり舌を絡ませてキスをした。
角度を変えて、いっぱいした。
溢れた唾液をトルクがペロッと舐めると、僕は自然と笑みが零れた。

この人は全身で僕に愛をくれる人だと、改めて認識した。

「明日、急いで私の国へ帰ろう。
 ちょっと予定が変わっちゃって観光出来ないけど、このままだと良からぬことを行使してくる国もあるだろう。」

「うん、そうだと思う。」

「私の両親や兄弟に伴侶だって紹介したくてたまらない」

「恥ずかしいけど。
 だって、一時期はレオハルトの伴侶だって宣言されてたのに」

これってバツイチの再婚?みたいな感じ?
傷物が伴侶って嫌われないかな。

「咲季、さーき?
 どうしたの?」

「あのね、一度はレオハルトと伴侶の宣言をしちゃったし、その、初めてじゃないのを言われたりしないかなって」

「問題ないよ? 
 だって、獣人は一生涯同じ人とって少ないんだ」

「えええ?
 僕、そんなのヤダよ?」

「だから、生涯一人の言祝ぎの誓いをしたんだよ。
 他の誰かんなんて絶対ないよ、安心して。」

「うん、トルクを信じる」

こてんとトルクの胸に頭を乗せた。

「咲季は可愛いねぇ」

「ううん、嫌な子だよ
 だって、トルクが言い返してくれたことをざまぁみろって思ったもん。」

「う~ん、それは普通の事だと思うな。
 私だって、スカッとしたからね」

「トルクは冷静に言えてた。
 僕は感情がいっぱいになって、言葉が出なくなるよ」

抱きしめて背中を撫でながら、そんなもんだって慰めてくれた。

「食事は部屋で摂って、しっかり寝ましょう」

「え、あ、うん」

寝ましょうって、今夜はその、アレが。
もう、僕って浅ましい!!
心変わりが早すぎる!!

一人で猛省して、ご飯を食べた後は割と眠りに落ちそうなそんな感じでうとうとしていた。
変な期待してた割に、精神的にも肉体的にも疲れ切っていたみたいだった。
と言うか、いつも寝汚い気がする…。
お風呂って言われたけど、お腹もいっぱいで眠くて仕方なかった。

豚だからなのかなぁ、とか半分起きてトルクが横に来るのを待ってたんだけど、瞼が落ちそうになるのを必死で我慢していた。

「トルク、寝、ちゃう、よ…」

「咲季、まだ寝ちゃダメだよ。
 ちゃんとお風呂入らなきゃ」

「ん、入る、はいるよ、大丈夫」

「仕方ない、勝手に洗っちゃうからね」

「ふふ、ん、任せた」

抱き上げられて連れていかれる感じが、ふわふわしてて本当に気持ちよくて、お湯の中でイタズラされるまでしっかり寝ちゃってた。





くちゅ

「ん、ふ、ん」

あーキスされてるんだ。
気持ちいい。

「咲季、起きた?」

「ん、トルク、起きた
 気持ちいい」

乳首をゆっくりとお湯の中で擦られた。
割と大きくて深めなバスタブで、その中でトルクに寄りかかるようにして全部を晒してた。

覚醒し始めると、恥ずかしくて、体を丸くしておちんちんとかを隠したけど、隅々まで洗われた後で意味なんか無かった。

「ふぁ!!、恥ずかしい」

「洗って良いって言ったから、堪能しちゃったよ」

「あ、え、?」

僕のおちんちんは硬くなっていた。

「気持ちよさそうにしてたよ」

「だって、だって、だって」

涙目になっていたと思う。

「咲季、嫌?
 したくない?」

そんな風に聞かれたら、僕だってしたかったし、嫌なんて言えないし。

「ううん、嫌じゃない」

「なら、おいで」

言われるがまま、僕はトルクに向き合ってその足の間に座った。


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