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天界よいとこ一度はおいで

嫌い

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「和郎さん、ごめんなさい。
 まだ、恋愛は分からない。
 流されるような付き合いは、貴方に失礼だから。」

「そっか、そうだよな。
 イズが、素直で誠実なのが嬉しい
 いつまでも、俺がいるから
 困ったことがあったら、頼ってくれよ?
 そんで、そのまま俺を好きになってくれたらいいな」

暖かい人だった。




その日の作業を終えて、執務室に戻ろうとした時、青ヒゲクソハルカがウリエルに腕を絡めて、廊下の向こうから来た。

「お疲れ様です。」

頭を下げて廊下の端に避けた。

「うわ、汚い
 この辺りは奉仕の人は入れないはずだけど?」

「…仕事ですから」

ウリエルはなんでこんな奴をそばにおくんだろう?

「そうなんだ、ふーん
 あ、ウリエル様
 明日の事なんですけど、お部屋で話せますか?」

甘ったるく鼻にかかった声を出して、ウリエルの腕に更に絡み付いた。

「わかった、執務室にいなさい
 この子と話がある」

「分かりました、待ってますね」

青ヒゲが行ったのを確認してから、ウリエルが俺に向き合った。

「イズラエル、その髪はどうしたんだ!?」

「自分で切りました。
 その方が人に見えると思ったので。」

「そう、か
 何か危険な事はないか?
 変な事をされてないか?」

「大丈夫です。
 和郎さんが、守ってくれていますから
 問題ありませんでした。
 彼は、良い人でした。」

和郎さんの笑顔を思い出すと、胸が暖かくなった。
愛情を貰うって、あんなに嬉しいものなんだ。

「守るだと?」

「ええ」 

「イズラエル、どうして
 そいつが好きなのか?!」

「いえ、ただ」

「なんだ?」

「嬉しかったのです」

「君は、好きだと言ってくれる者ならば
 誰でもいいのだな」

「はあ?
 違い」
「体を、その唇を許したのか?!」

ウリエルが俺の言葉を遮って、酷いことを言葉を投げつけた。

「貴方、だって
 あんな奴をはべらせてるじゃないですか!
 それなら、あいつとさっきみたいにイチャイチャしてればいいんだ!
 なんで、俺に辛く当たるんですか?
 昼間のキスも嫌がらせするなら、今までみたいに、酷い罰を与えたらいいじゃ無いですか!
 話も聞かずに、俺にしてきた事を
 またすればいい!!」

涙がボロボロと滝の様に流れて止まらなかった。
心も体もあれだけ痛めつけられてきたんだ、今更何を罰としようが、どれもこれも大した差はない。

「違う!
 ハルカは」
「あんたなんか、大っ嫌いだ!!!」

俺は部屋の方向から回れ右をする様に、反対側へ駆けた。

行くとこも帰るとこもないけど、この場から逃げたくて、走るしかなかった。
翼があれば、飛べたんだろうけど。

どこへ繋がってるか分からない扉をすり抜けて、建物を後にした。
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