神獣ってモテますか？(モテないゲイは、魔法使いを目指す！@異世界版）

異世界家族

35

神様とラエヴを送り出して数時間、精霊神からの報告も特になかった。

最初はまぁうまく話して、神様も恋とかしちゃえばいいのになんて軽く思ってたけど、どんな話をしてるんだろうとか、正直気になって仕方なかった。

「タロー様、神様、どうしてるんでしょうね？」

「んー、シムラクルムが何を思って話してるか、だな」

「ですよねー
　ラエヴとはくっついて欲しくないけど、
　そんななったらどうしたらいいんでしょう？
　俺が、あの二人を神から引きずり下ろしちゃったし
　神籍に入れなかったら、たぶんラエヴは人間として
　寿命が来るだろうし。
　ちょっと責任感じてるんですよ」

いくら頭に来たからって、かなり、うん、かなりやり過ぎたと思って気にはなってるから。

「アキは正しかったと私は思っているがな
　シムラクルムが恋人になりたがっても、アウィスが邪魔をするだろう
　あれはラエヴと番いたいのだろう」

「そうなんだね。
　ラエヴが本当に神様の事が好きなんだったら、いいのに」

「ん？」

「あ、ラエヴも多分アウィスが好きなんだろうなって
　だから、神様って当て馬にされただけなんだろうけど、
　神様は本気でラエヴが好きになってたら、
　それでも良いって思ってくっついちゃうかなって」

「それはアキがそう思うから？」

タロー様が俺を抱きしめながら、聞いてきた。

「うん、かも
　前にタロー様が寝室に戻っても来なくなって、
　俺が寂しいって思っても、トリスタンを探すのはきっと本当は俺より好きなんだろうなって、
　そう思った時にそれでも傍にいられるなら、
　それで良いって思ったから。」

ふぅとため息をついて、タロー様がこめかみにキスをした。

「アキ、私はどんな時でもアキしかいらない
　それが分かるまで、その体にキスをしてもいいかい？」

「ぁ、んん」

胸を弄られながら、深くキスをされると、すぐに唾液が溢れてきた。

「愛してる、アキ
　可愛いアキ、まだ信じない？」

「あ、あん
　ちゃんと信じてるけど、」

「けど？」

「だって、たろ、さま。モテるから」

「はははっ
　この私がアキ以外いらないというのは周知の事実だ
　それを曲げてでもぶつかってくる奴はいないぞ」

「もぅ！　
　いたら、どうするんです？」

快感に流されそうになって、押し留める。

「そんなことしたら、ライカスに付け入る隙を与えてしまうし
　今は双子たちも油断ならないしな。
　そもそも、なんでみんな生まれてきてアキを狙うんだ」

「ふふふ、ライカスも小さい頃は俺にそっくりだったのに
　大人の姿になったら、正直タロー様そっくりだもんね。」

腰を抱きながら、タロー様が本気でライカスを牽制しようと思ってるのがおかしかった。
同族嫌悪？っていうのかな、本当によく似てる。
双子はまだわからないけど、どっちかっていうと、やっぱりタロー様に似てるしね。