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異世界家族

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「アキ様、至急の事とは?」

イーリスに結界を張ってもらい、精霊王と話した。
今までの経緯を話し、魂を剥がして消滅させたい事を端的に説明した。

「アウィス様、ですね。
 あの方は少し気まぐれな所があるのですよ。
 魂を剥がすとなると、乱暴なやり方しかありませんが、一度擬似で死んでもらって魂が体から抜ける時に剥がす、という方法になります。」

「え、擬似って仮死みたいなこと?」

「いえ、あの子には本当の死になります。
 私たちと近い存在になるのです。
 元々は一つしかなかたった魂に、無理矢理入れたのですから、剥がしたら再構築して、あの子の魂を戻すのですよ。」

「近い存在って、人間じゃなくなるの?」

「いえ、言葉通りの近い隣人です。
 私たちを見たり、善き隣人として魔力を貸し与えましょう」

そうか、元々の魂の器を作り直して、剥がせば良いけど、それをするには死が必要、か。

「死を与える場は、私の結界にしましょう。
 再生はアキ様の聖獣でかつ、私たち精霊の神である方にして頂きましょう。」

神?

「麒麟を従えておりますよね?」

「あ、イーリス?」

「お願いがあります。
 イーリス様をこちらの世界に残しては頂けないでしょうか?
 イーリス様もお気づきかと思いますが、
 この世界は精霊が死に絶えてしまっているのです。
 神獣神アキ様、どうか精霊界をお救いください。」

うーん、救うのと、イーリスをここに置いていくのは違う。

「イーリスは俺のために生まれた子なんですよ」

困った笑いを出してしまったと思う。

「そう、ですか。」

イーリスに出てきてもらってこの話しをすると、普通にあらゆる精霊を喚びだし、イーリスとは違う子を作ってあげるように言われた。

「イーリス、簡単に作るとかダメだよ」

『アキ様、我は貴方様の聖獣なれば、
 この世界に残るつもりは毛頭ございません。』

確かに、それなら別の手段て普通に思うよね。

「アキ様、我等」
「分かった。
 イーリス、鉱物の精霊と大地の精霊を喚んでくれる?」

『御意』

「アキ様
 鉱物と大地は精霊が違うのですか?」

ここは緑の精霊が大地全てを担っている。

「はい、こちらは5種ですね、
 私の世界は7種なんですよ。」

この世界の精霊達にも、と思ったら既にたくさんの子達が集まっていた。

「君達は、どうしたら嬉しい?
 この世界に産まれようと思う?」


うんとねー、王様が強かったらいいなぁ
ぼくたち、おうさますきー

「貴方だけしか精霊王がいないのですね?
 それぞれの精霊王ではなく、この小さい子たちね王様なんですね。」

「はい、私が弱いばかりに」

なら、精霊王か聖獣を作って、今の精霊王をイーリスと同じにしてあげればいい。

イーリスが喚んでくれた俺の世界の精霊に、こちらの世界を守ってくれるか確認した。

こっちの子達が仲良くしてくれるならいいよー

緑の精霊が、いいよ、いいよ、と楽しそうに迎え入れていた。

「なら、緑の子たちを再構築してみますね」

俺は、緑という括りの属性から、大地と、鉱物と、植物に分けて、それぞれの意思を確かめながら、新たに融合させて精霊たちを作り出した。

そして、うちから来た子達と、元々の子達で精霊王を作った。

悪いけど、このくらいの意趣返しはさせてもらいますよ、アウィス。
俺、割と怒ってるしね!
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