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しおりを挟むピアスは少し大きめな蛇の形をしたプラチナ。
ウロボロスらしい。
最小のGPSが入っていて、みんながそれぞれ位置を櫂砥の会社で把握できるようになっていた。
みんなは、ウロボロスがかっこいいけど、俺はなんか付けられてる感が凄くて、イマイチな気がする。
大体、ピアス初めてだし。
一志さんはしていたらしくて、ホールがあった。
俺が知り合ったときはしてなかったけど。
長くしてると、穴って塞がらないんだって。
知らなかった。
俺も含めて、他の3人は初体験。
ピアッサーって言う手のひらサイズの器具で、ホッチキスみたいにバチンて止めた。
正確には、バネの力でぶっさした感じ。
最初はホールが安定するまでとかなんか言ってたけど、時間がないからいきなりウロボロスちゃんが耳にぶら下がってます。はい。
正直、重い。
耳長種族とかになりそうな気がする。
でも、耳って言うところは死守した。
まぁ、大体想像できるだろうけどボディピアスになるところだった。
見えるとこだと、引きちぎられる可能性が、とかもっともらしい事言ってたけど、違うだろ~?って感じの鼻息を感じました!
「みんなは、ピアス似合うからいいけど、なんか俺どっか原生林とかの種族っぽくない?」
「ぶっ!
さとるみたいな種族いたら、そんなとこから即狩られて、どっかの愛玩ペットにされてるわ!」
侑士!
ペットって!
アフリカとかアマゾンとかの、原始的な人達の事だよ!
UMAみたいなんじゃないから!
未確認生物みたいな言い方して~!
「あ、俺買います。
ワシントン条約大丈夫ですかね?」
「お客さん、まだこの子条約に引っかからないから大丈夫よ、今がお買い時!」
「私も!」
「俺もだ!」
なんだ、この小芝居は!
ダ○ョウ倶楽部じゃあるまいし!
「侑士!
お前が売人だな?
よく分かった。
俺、他の3人に飼われるよ」
ちょっと泣きそうな顔して、見上げて。
「だから、侑士はこれから一人で寝てね?」
「え、ちょ!」
「行こ!」
「ごめん!ごめんなさい!
すみませんでした!」
「もう、言わない?」
「う、ん、言わない」
アヤシイ。
「言わない!
言わないから、一人寝はやだよ~」
もう、バカな小芝居で笑いつつ、このGPSの出番がない事を祈った。
まだ、エレベーターに乗れない俺は海江田さんの抱っこの元、ようやくお店の開店準備に携われた。
ちょっと、勝手が違うけど什器類は同じだから、動線に慣れるだけだった。
海江田さんは、前回同様にカウンターに入って一志さんと。
俺は、フロアでお客様の案内だけになった。
まだ、手とかうまく動かせないから、これも良いリハビリになると思って、字を書いたり、テーブルのセッティングをするようにした。
ドアベルは、前のままなんだ。
ちょっと、安心と不安がない混ぜになったような変な感覚だった。
あの時、鳴らなかったと思うけど。
20時開店する。
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