モテないゲイは、魔法使いを目指す！

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シャワーを出して、浴室を暖めてくれたので、のろのろ脱いでても寒くなかった。

VIPルームだから、空調もばっちりなんだけど。
それでも、お湯が当たっても冷えるからね。

手がうまく使えないから、こう、包帯の部分で下着とかずり下げて脱ぎ脱ぎしました。

トイレの時も実はすごく大変で、一回入ると20分は出られない。
心配してお義父さんが手伝うって言うけど、恥ずかしすぎて無理です！

だから、なるべく便秘とかしたくないんだけど。
病院て、意識が無い時なら何でもありだけど、こうやって元気になってくると、本当につらい！
恥ずかしくて、死ねるレベルだ！
マジよこれ！

介護の人、尊敬します。
そして、介護される人が嫌がる気持ち、凄くわかった。

なんていうの、人としての尊厳みたいなのが失われていく感じ。
自分でできないから仕方ないんだけど、申し訳ない気持ちで情けなくなるの。

ちゃんと、そんな気持ちで感謝してます！
ありがとう、介護職の方々！


はぁ、やっとお湯に触れる～

シャワーヘッドをひっかけるところを一番下にスライドしてもらって、椅子に座って当てた。

赤黒くなってた痣とかも、今は変な病気みたいな黄色が広がってるだけになってた。

お義父さんが、ズボンのすそを捲って、シャツの袖も捲って、それでもだいぶ濡れながら洗ってくれてる。

「お義父さん、ありがとうございます。
　すみません、こんなことまでさせちゃって
　汚い色の足ですよね。」

「さとるが戦った証じゃないか。
　体の傷だって、全部、さとるが頑張って戦ってくれた証だよ。」

腰やら背中やら、自分では見れないけど、時々看護師さんの表情が曇るから酷いのかな？と思う。
綺麗に治すのは時間もお金もかかっちゃうから、このままでいいんだ。
　なんかね、一志さんと侑士に目を背けられたりすること思ったら、このまま会わない方がいい気がしてきたんだ。

そんな風に思ったら、寂しいけど気が楽になったの。
なんかね、ぱぁっと視界が明るくなったみたいな。

いつ退院できるんだろう？
もう、2ヶ月くらいいるんだけど。

考え事してたら、色んな所を洗われてしまって、ちょっとだけ反応してしまった。
ちょっとだけだよ！
生理現象！

元気になってきた証拠！

「さとる、気持ちいい？」

「はい、お湯に触れるだけでも気分変わるし
　気持ちいいです」

おっさん臭く、ふぃ～って感じで目を閉じてた。

だって、久々のお風呂だもん！
仕方ないじゃん！

このパターン、お約束ですね！はい！
俺が悪いんです！

すみませんでしたー！！

くそ！

ぱくん、されちゃいました。

ごめんなさい、一志さん、侑士、抵抗できませんでした。