モテないゲイは、魔法使いを目指す!

ビーバー父さん

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5分ほどで、佐々とリーマン風が来た。

「お客様、こちらの方がお話を聞かせていただきたいとのことでございます。
 奥のお席にご移動、お願いできますでしょうか?」

一志さんにお店全体を任せて、侑士と俺は客と、佐々たちを奥のバックヤード的な個室に案内した。





「営業妨害なんですけど、わかってますか?」

若いウリ専君に侑士が言うと、下を向いて黙った。
連れの年配は、このウリ専からビッチがいて、面白そうな店があるっていうから行こうと誘われた、だと。

最初から、”ビッチな俺”目的か。

まぁ、今回、初めて直接言われたけど、そういう目で見られてたのかな?

「私をこんなところで、脅す気かね?
 こちらにも考えがある」

「当店はお客様にお酒を楽しんでいただく場でして、
 いわれのない誹謗中傷はご遠慮しております。」

微笑んで言えば、年配はやっぱりな、と。

何がだよ?

「そうやって、男漁りをしてるなら、言われても致し方ないな」

「私、夫持ちですので、漁る必要がないのですが?」

侑士以外の全員が、え?って声を揃えた。

侑士も俺も左手を見せる。
「夫です。
 カウンターの中にいるのも、夫です。」

「何言ってんだ、聞いたんだからな!
 ヨシオさんの好きな人を寝取ったって!」

ヨシオって誰よ?
侑士を見上げると、クソだよって形の唇をして見せた。

読唇術とかなくても、これは分かるわw

「好きな人を寝取る、う~ん、どなたの話でしょうか?」

「ここのオーナーだよ!
 オーナーに取り入ってんだろ!
 くそビッチ!!」

ゴンってめっちゃいい音がした。
見たら、壁殴ってるし
侑士、壁の修理代請求するからね!

「殴ったな!
 訴えてやる!」

「壁に虫がいたので殴っただけですが、何か?」

目が笑ってない。

「オーナー、ですか。
 自分に取り入って何ができるんでしょうか?」

本当情報不足にもほどがある

「ちなみに、連絡先渡されて、突っ返してもダメだったから目の前で破いたの、俺だから」

侑士は面白そうに言うけど、やっぱり目が笑ってないw

「佐々君、どういうことでしょうね?」

小首をかしげて聞いてみる。

「ヨシオってのは兄貴の身内で面倒見てるあのクソだ。
 このウリ専は、ヨシオが許可なくやってるウリ専の奴だ。
 兄貴の身内だからって、俺たちも目を瞑ってたんだが。
 これは違うな。
 兄貴に報告しとく。」

年配の方は、さすがに事態を把握したのか、ウリ専を切り捨てた。

「この子が無理に誘うからここへ来ただけで、
 他意はなかったんだよ。
 すまなかった。
 これで帰らせてもらうよ」

テーブルに万札を置いて逃げて行った。

「オーナーを呼べよ!」

まだ、バカなことを言ってる。

「佐々君、ここで私がこの子を蹴ったら、問題ですよね?」

ぎょっとした目でみんなが見た。

え?
普通に怒ってるよ?
だって夫相手に寝てるのがビッチって、おかしいでしょう?
風評被害もひどくない?

「おい、それは止めろ
 お前が蹴ったらシャレにならん」

リーマン風がなんで?って顔する。

それは侑士も同じだった。

「あ、母たちみたいな強さはないんで安心してください」

侑士はそれを聞いて、ん?って顔した。
佐々から、めんどくさいことになるから、止めろって言われたんで、仕方なく諦めた。

「オーナーを呼んで何がしたいんですか?」

「ビッチがどれだけビッチか聞かせてやるよ!」

「佐々君、俺、ちょっと無理なんだけど
 こういうバカ通り越してる猿!
 沈めてきてよ。
 ちゃんと浮かんでこないようにしてね」

「え、あの、え?」

「あ、はい。
 すみませんでした。
 兄貴にもきっちり話ておきます。」

さて、じゃぁ、戻ろっか。

「よろしく!
 あ、そいつ捨ててきたら戻ってきて話してもらえるかな?」

侑士が( ゚д゚)顔をしていた。





 


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