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しおりを挟むまあ、初日だし、あんな客もいるさ。
東京でだって、あったからね!
常連さんが、こっちに移動願い出すかなー、なんて言ってくれて、本当嬉しかったよ。
リップサービスでもね!
そう言って、帰っていった。
見送りをして、お店に戻ると、すぐまた、扉が開いた。
カラン♪
いらっしゃいませー
初日の割に、入りが良いのは立地条件もあるよね。
ありがとう、お義父さん。
今度は男性が一人で覗き込んだ。
「お一人様ですか?
当店は、チャージ料金がかかりますが、宜しいでしょうか?」
侑士がそつなく、案内する。
うまいじゃん。
「お客様、宜しければカウンターにどうぞ」
お一人様でも迷子系はカウンターにはしないんだけど、違うっぽい。
慣れた感じだから。
「何になさいますか?」
「そうだな、キャロルを君に
私には、アフィニティをくれるかな?」
おー、キザ!
慣れてるね!
でもさ、勝手に決める奴って、自己中な気がする。
あ、あとちょっとナルも入ってるかな。
「カズ、アフィニティと、キャロルをお願いします。」
俺には作れないもーん!て開き直る。
さすが、一志さん、シェイカーを振る姿がカッコいい!
俺の旦那様なんだよ?
誰にもあげないからね!
見惚れてちゃダメだ。
まずはアフィニティを出す。
「お客様、こちらがアフィニティです。
私もお言葉に甘えていただきますね。」
にっこり笑って一志さんから受け取ったグラスを掲げて見せる。
「これからも、よろしくお願いします。」
そう言って、グラスに口をつけた。
中身、ノンアルやん!
ジュースやん!
「美味しい」
けど、これ、やきもち?ね?
なんか、やだ、すごく嬉しい!
嬉しくて笑ったら、お客に誤解された。
やたら、触ってくる。
んー、ヤバイ?これ
「カイ」
「ん?」
一志さんの隣に行くと腰をガッツリ抱き寄せて、左のこめかみを掻き上げながら、キスして抱きしめた。
つい、俺も抱きしめた。
「えー?」
あ、客いた
「失礼しました。
カズが、寂しくなったようです。
お客様があんまり、ステキなので。」
ニコニコ笑いながら、左の指環を見せる。
「マジか、そりゃそうか。
こんだけ可愛いだもんなー」
ブスってばっかり言われてたけどなー。
「カイ、俺も」
侑士、お前はー、もう。
「あとでね」
なんか、俺、最近モテモテ?
な訳ないじゃん、気のせい。
こう言うお客様ばかりだといいな。
きっと、この人は常連になってくれると思う。
急に気さくになった。
「昨日、ここ、オープニングやってて気になったんだよ」
「ありがとうございます。
今日から、本格的にオープンしますので、是非、来てくださいね。」
「カイ君に貢いじゃおうかなー」
「ふふふ、それは勿体無いですよ。
他の大事な方へどうぞ」
言葉遊びは楽しい。
こう言うのは、やきもち妬かないのね。
まあ、受け入れることはないけどね。
今日も中々の入りでした。
オープニングしたては、こんなもんだ。
1番怖いのは、1ヶ月後にどのくらいの集客が出来るか、だ。
一志さんと、侑士と頑張るしかないんだ。
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