モテないゲイは、魔法使いを目指す!

ビーバー父さん

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嫌味は、漏れなく、俺にだけ聞こえるようにだった。
まあ、それは良いんだよ。

言われてる事くらい、自分がよくわかってる事だから。
ただ、家族のことを言われるのが辛い。
俺だけなのに、俺のためだったのに、俺が守られてばかりだったからなのに。

「おい、ブスになってんぞ」

「え、あ!
 大丈夫、大丈夫!」

侑士は凄いなー、こう言うところ。

一志さんは、優しく笑って俺を抱きしめてくれた。

ん、2人とも嫌味分かってたんだ。

俺が強くならないとね。
この数ヶ月前の事件の後始末とか、すごく本田の名前のお陰で助けられた。

かなり、使ってくれてる。

だから、何か返せる事があれば全力で返したいんだ。




そろそろお開きになる頃、厄介ごとが入ってきた。

まあ、侑士とも繋がっちゃうキッカケを作った奴で、一志にちょっかい掛けてた奴。
お陰で色々煮詰まって、新しい扉も開いちゃうし、本当、めんどくさい奴だった。

「今日は貸切で招待されてない方はご遠慮いただいてます。
 普段の営業時でも、オタクはお断りですけどね」
めっちゃ良い笑顔を作って、一昨日きやがれ!ってね。

自分勝手な奴って、どこまでも勝手な事を言う。
やっぱ、クズだったな。

「ふーん、こんなブスと結婚したんだ。」

「うん、ありがとう
 ブスは聞き慣れてますから。」

なんて言うの、妻の余裕?w

このキンキン騒ぐバカに周りもクスクスと失笑した。

だって、何言われても負け犬の遠吠えだしな。

侑士が俺とそいつの間に立って、何やら電話し始めた。

「もしもーし、お前んとこのクソ、やっぱ来たぞ
 どうにかしろよ」

後ろで一志さんが、バックがめんどくさいからボコるなって言うし。




これがきっかけで、同級生がそっち方面に就職してることを知った。

東京の店で俺を伴BANて呼んだリーマンが一緒にいた。
この引きの強さは、変態ホイホイ並みかもなー。

若頭風の人が侑士に何かを話して、俺たちを紹介した。

「俺の兄貴の一志は知ってるよな、
 こっちの可愛い子が、の嫁のさとる

え?その紹介で一志さん、いいのか?!

「可愛いって、ホントに男かこいつ」

「こいつ言うな!
 それよりあのクソ!
 こっちにしつこくちょっかい掛けてきて、いい加減ウザいんだけど」

「すまないな、あれでも一応身内でな。
 こっちの人間でもないんだが、仕方無しに面倒見てるんだわ。
 連れていく。」

舎弟?に向き直ると連れていくように命令していた。

「!!
 伴!お前、ともりだろ?
 俺だよ、高校ん時同じクラスだった、佐々だよ」

10年たつと随分印象も変わる。
それだけ、俺たちはガキで、それだけ大人になってたんだ。

「解、友達、?」
侑士が気にした。
親しい友達なら、態度を考えるんだろうな。
社交辞令的に。

「うん、同級生だけど」
歯切れの悪い言葉に、大体察したらしい。

佐々は確かに同級生だったけど、いい印象は全くなかった。
いわゆる不良で、割りとよくからかわれていた。

うーん、どちらかと言うと一方的に友達扱い?
てか、絡まれてる感が強かった。
粗暴だったから、今の姿に違和感は寧ろなくて納得だった。

めんどくさそう。

で、連れてるもう一人は何で俺を知ってたんだろう?

「そちらの方は、東京でお見かけしましたよね?」

めんどくさかったが、聞いてみた。

「あんた、やっぱりそうだったんだ。
 いつも佐々さんに聞かされていたんで、写真とか見ていたから覚えていたんです。
 ただ、話より随分イメージが違っていたんで。」

はぁ、そうっすか。
なんかトゲが有るような気がするんですけど。
なでもいいから、早く帰れ。






いやな印象で終わらせたくなかったから、また皆で乾杯をしてドレスを披露して楽しく終わらせた。

最後は誓いのキスをした。
最期の時まで一緒にいるって。

なぜか、侑士もそこに入ってたけど。
もう自然すぎるからw

ビルの最上階が住居スペースで中に階段があって、上の階に行ける。
2階建てみたいなもんだ。

片付けは明日業者が入るからそのままで、上に3人で帰った。

本当の家族の生活が始まる。






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