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ねじれたハート
変な電話だった。
「さとる?」
「変な、気持ち悪い電話だった。
俺を幸せにするとか、言ってた。」
「スマホを貸しなさい。」
かずしさんに預ける、って言うかいらない。
その腕にぎゅってしがみついた。
嫌な感じしかしない。
相当、顔色が悪かったんだと思う。
「部屋で休んでおくか?」
「やだ、離れるの怖い」
もう離れて怖い思いしたくない。
ほんとダメ、俺、これはトラウマだわ。
一人の時というか、自分で何にも対処できない奴だった。
今までずっと、嫌なことあると逃げてたから。
また、俺のスマホが鳴った。
かずしさんが、航からの着信だと教えてくれた。
「もしもし」
『兄ちゃん!やばい!
ストーカーが諦めてなかった!
さっきうちの周りにいて、嫁が兄ちゃんの話ししちゃったんだよ!
ごめん!
本当にごめん!』
電話の向こうで、嫁さんも泣きながら、ごめんなさいって叫んでる。
「ストー、カー?」
俺の口から出た単語に、かずしさんがスマホを取り上げた。
「わたるくん、どういう事か教えてくれる?」
『昨日言ったけど、俺が兄ちゃんのストーカーを撃退してたけん
兄ちゃんは知らんのよ。
昨日、どっかで兄ちゃんが家に帰って来てたのを見てたみたいで、
嫁にお兄さんのケガどうしたんだって世間話したらしいんだ。
その当時、ストーカーは3人ほどいて、一番悪質だった奴みたいなん。
だけん、兄ちゃんはそいつの顔を知らん。
これから、そいつの写真持っていくけん、どっかで落ち合おう』
「わかった、こっちも弟が来てるから、一緒に連れて行く」
電話を切って、かずしさんがぎゅって抱きしめた。
「解の可愛さは、罪だったんだなw」
「ふふ、ブスでもストーカーするやつおるんやね~
俺、バカやけん、また迷惑かける。」
指先が震えた。
「大丈夫、俺がいる」
「うん、まだ死ねない」
ぎゅって抱きしめられながら、ばか、そしたら俺が生きていけないよ、って。
ロビーには、悪ノリ弟がいた。
「あーやだやだ、魔法使いドロップアウトしちゃった感丸出し!
昨日は、激しかったんだねw」
「あぁ、抱き潰した」
赤くなりながら、頷いた。
「もう、いい!
セカンドバージンもらうから!」
「それも、もう済んだ。
残念だったな。」
「兄貴、飛ばしすぎ。
さとる君、こんなやつ捨てて俺にしなよ~」
「やです~!」
「ところでさ、顔色悪いの兄貴のデカちんのせいじゃないでしょ。
何があったの?
ん?兄貴?」
急にまじめな顔になった。
「まぁ、待て
問題ができたから、そっちを先に解決する必要ある」
「ごめん、俺がぼんやりしてたから」
俯いてると、頭をガシガシされた。
「なんかよくわかんねーけど、一大事なんだな」
「触るな」
「いいじゃん、すこしくらい」
「減る」
「協力してもらう人の態度じゃなーい。
やーだーなー」
「わかった、俺の頭にしろ」
「いらないです」
ロビーからホテルの駐車場に移動した。
レンタカー借りてあったんだ。
そりゃ、まぁ、色々回る予定だったし。
悪ノリ弟、そろそろ名前を呼んでやるか、なんか妙に頼りになるし。
弟、侑士は、ナビに航が指定した場所を入れて、走らせた。
土地勘がないわけじゃないけど、街中はずいぶん様変わりしていた。
高校、大学と通った場所なのに、懐かしさより驚きしかなかった。
指定された場所は、郊外にあるカラオケボックスだった。
変な電話だった。
「さとる?」
「変な、気持ち悪い電話だった。
俺を幸せにするとか、言ってた。」
「スマホを貸しなさい。」
かずしさんに預ける、って言うかいらない。
その腕にぎゅってしがみついた。
嫌な感じしかしない。
相当、顔色が悪かったんだと思う。
「部屋で休んでおくか?」
「やだ、離れるの怖い」
もう離れて怖い思いしたくない。
ほんとダメ、俺、これはトラウマだわ。
一人の時というか、自分で何にも対処できない奴だった。
今までずっと、嫌なことあると逃げてたから。
また、俺のスマホが鳴った。
かずしさんが、航からの着信だと教えてくれた。
「もしもし」
『兄ちゃん!やばい!
ストーカーが諦めてなかった!
さっきうちの周りにいて、嫁が兄ちゃんの話ししちゃったんだよ!
ごめん!
本当にごめん!』
電話の向こうで、嫁さんも泣きながら、ごめんなさいって叫んでる。
「ストー、カー?」
俺の口から出た単語に、かずしさんがスマホを取り上げた。
「わたるくん、どういう事か教えてくれる?」
『昨日言ったけど、俺が兄ちゃんのストーカーを撃退してたけん
兄ちゃんは知らんのよ。
昨日、どっかで兄ちゃんが家に帰って来てたのを見てたみたいで、
嫁にお兄さんのケガどうしたんだって世間話したらしいんだ。
その当時、ストーカーは3人ほどいて、一番悪質だった奴みたいなん。
だけん、兄ちゃんはそいつの顔を知らん。
これから、そいつの写真持っていくけん、どっかで落ち合おう』
「わかった、こっちも弟が来てるから、一緒に連れて行く」
電話を切って、かずしさんがぎゅって抱きしめた。
「解の可愛さは、罪だったんだなw」
「ふふ、ブスでもストーカーするやつおるんやね~
俺、バカやけん、また迷惑かける。」
指先が震えた。
「大丈夫、俺がいる」
「うん、まだ死ねない」
ぎゅって抱きしめられながら、ばか、そしたら俺が生きていけないよ、って。
ロビーには、悪ノリ弟がいた。
「あーやだやだ、魔法使いドロップアウトしちゃった感丸出し!
昨日は、激しかったんだねw」
「あぁ、抱き潰した」
赤くなりながら、頷いた。
「もう、いい!
セカンドバージンもらうから!」
「それも、もう済んだ。
残念だったな。」
「兄貴、飛ばしすぎ。
さとる君、こんなやつ捨てて俺にしなよ~」
「やです~!」
「ところでさ、顔色悪いの兄貴のデカちんのせいじゃないでしょ。
何があったの?
ん?兄貴?」
急にまじめな顔になった。
「まぁ、待て
問題ができたから、そっちを先に解決する必要ある」
「ごめん、俺がぼんやりしてたから」
俯いてると、頭をガシガシされた。
「なんかよくわかんねーけど、一大事なんだな」
「触るな」
「いいじゃん、すこしくらい」
「減る」
「協力してもらう人の態度じゃなーい。
やーだーなー」
「わかった、俺の頭にしろ」
「いらないです」
ロビーからホテルの駐車場に移動した。
レンタカー借りてあったんだ。
そりゃ、まぁ、色々回る予定だったし。
悪ノリ弟、そろそろ名前を呼んでやるか、なんか妙に頼りになるし。
弟、侑士は、ナビに航が指定した場所を入れて、走らせた。
土地勘がないわけじゃないけど、街中はずいぶん様変わりしていた。
高校、大学と通った場所なのに、懐かしさより驚きしかなかった。
指定された場所は、郊外にあるカラオケボックスだった。
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