21 / 105
19
しおりを挟む
純金のハート
思い出した。
全部、辛くて、辛くて、苦しくて泣きたいけど我慢して、我慢して、凄く痛かった。
泥水みたいな中を、一生懸命に歩いた。
かずしさんを護らなきゃ、あんな風に、馬鹿な嘘に負けるもんか。
だって、毎日一緒にいた。
眠る時も、起きてる時も、だから、絶対に無い。
でも、かずしさんから、違うよって聞きたいんだ。
「かずしさん」
「さとる!ここだ!
分かるか?」
手を握ってくれてた。
探した手がここにあった。
無意識に涙が出て、俺の隣にいることにホッとした。
悲しい気持ちも、どこかに吹き飛んだよ。
「かずし、さんだぁ
俺、凄く探したよー
寂しくて悲しくて、辛かったよ。
もう、迷子にならないで。」
そう言って、また、眠りに落ちてしまったらしい。
悪ノリさんは、警察に、あの人を渡した。
俺が最後に、絶対許さないって言ったんだって。
覚えてない、けど、許すはずないけどね!
あの場で、渡したかったから、話を盛ったのかも。
ちょうど閉店に向けてたし、あのまま、お店は終わりにしたんだって。
毎日、かずしさんが来てくれてるけど、あんまり酷い顔で、落ち込んだ。
捨てられちゃうよ。
「さとる、だいぶ腫れも引いたし、明日は包帯じゃなくなりそうだよ。
肩も打撲だけだったから、折れてないし、リハビリだね。」
「足も、ギプス取れるよ!
そしたらお風呂入る!
ギプスの中、痒くてたまらなかったよ!」
「さとる、どんな姿でも、大好きだよ。」
「うん、俺も」
あいつは傷害致傷で立件された。
余罪が山ほどあって、当分どころか、出られなくなったらしい。
立派な犯罪者だったよ。
殺されなくて良かった。
母さんから、いつ帰るんだって、電話が凄い。
ありがとう、母さん。
かずしさんが、まずは挨拶してから入籍したいって言うから、一回2人して田舎に帰ることにした。
ただ、この傷は言われるな。
こっちでは、ニュースになっちゃったし。
誰も気づいてないといいけど。
やっと、退院して、かずしさんのマンションに帰ってきた。
まだ、眼帯はしてるけど、腫れも青黒くなってたとこも、引いた。
時々、キスはする。
「さとる」
腕を掴まれて、抱きしめられて、キスを交わして、また、抱きしめ合う。
存在を確かめるみたいに。
本当は、今すぐにでも抱き合いたいけど。
「逃げられなくなるまで、我慢してるんだ。
入籍したら、もう、絶対に抱き潰すから」
そう言って笑う。
あんなに、泣き崩れたかずしさんを俺は愛しいと思った。
足も、肩も痛むけど、心が痛むより、全然いい。
「かずしさん、俺、もう、逃げないよ?」
前は、いや、この間の事も、もしこんな怪我しなかったら、記憶を飛ばさなかったら、逃げてた。
逃げ一択だった。
「そうだよな。
あんな啖呵斬れるんだし。
カッコ良かったよ。」
「愛のおかげですー
感謝して!w」
軽口も叩けるようになった。
明日は一度、田舎に帰って、母さんに2人揃って挨拶をするんだ。
あ、かずしさんのご両親て、どうなんだろ?
今更気づいたよ
思い出した。
全部、辛くて、辛くて、苦しくて泣きたいけど我慢して、我慢して、凄く痛かった。
泥水みたいな中を、一生懸命に歩いた。
かずしさんを護らなきゃ、あんな風に、馬鹿な嘘に負けるもんか。
だって、毎日一緒にいた。
眠る時も、起きてる時も、だから、絶対に無い。
でも、かずしさんから、違うよって聞きたいんだ。
「かずしさん」
「さとる!ここだ!
分かるか?」
手を握ってくれてた。
探した手がここにあった。
無意識に涙が出て、俺の隣にいることにホッとした。
悲しい気持ちも、どこかに吹き飛んだよ。
「かずし、さんだぁ
俺、凄く探したよー
寂しくて悲しくて、辛かったよ。
もう、迷子にならないで。」
そう言って、また、眠りに落ちてしまったらしい。
悪ノリさんは、警察に、あの人を渡した。
俺が最後に、絶対許さないって言ったんだって。
覚えてない、けど、許すはずないけどね!
あの場で、渡したかったから、話を盛ったのかも。
ちょうど閉店に向けてたし、あのまま、お店は終わりにしたんだって。
毎日、かずしさんが来てくれてるけど、あんまり酷い顔で、落ち込んだ。
捨てられちゃうよ。
「さとる、だいぶ腫れも引いたし、明日は包帯じゃなくなりそうだよ。
肩も打撲だけだったから、折れてないし、リハビリだね。」
「足も、ギプス取れるよ!
そしたらお風呂入る!
ギプスの中、痒くてたまらなかったよ!」
「さとる、どんな姿でも、大好きだよ。」
「うん、俺も」
あいつは傷害致傷で立件された。
余罪が山ほどあって、当分どころか、出られなくなったらしい。
立派な犯罪者だったよ。
殺されなくて良かった。
母さんから、いつ帰るんだって、電話が凄い。
ありがとう、母さん。
かずしさんが、まずは挨拶してから入籍したいって言うから、一回2人して田舎に帰ることにした。
ただ、この傷は言われるな。
こっちでは、ニュースになっちゃったし。
誰も気づいてないといいけど。
やっと、退院して、かずしさんのマンションに帰ってきた。
まだ、眼帯はしてるけど、腫れも青黒くなってたとこも、引いた。
時々、キスはする。
「さとる」
腕を掴まれて、抱きしめられて、キスを交わして、また、抱きしめ合う。
存在を確かめるみたいに。
本当は、今すぐにでも抱き合いたいけど。
「逃げられなくなるまで、我慢してるんだ。
入籍したら、もう、絶対に抱き潰すから」
そう言って笑う。
あんなに、泣き崩れたかずしさんを俺は愛しいと思った。
足も、肩も痛むけど、心が痛むより、全然いい。
「かずしさん、俺、もう、逃げないよ?」
前は、いや、この間の事も、もしこんな怪我しなかったら、記憶を飛ばさなかったら、逃げてた。
逃げ一択だった。
「そうだよな。
あんな啖呵斬れるんだし。
カッコ良かったよ。」
「愛のおかげですー
感謝して!w」
軽口も叩けるようになった。
明日は一度、田舎に帰って、母さんに2人揃って挨拶をするんだ。
あ、かずしさんのご両親て、どうなんだろ?
今更気づいたよ
3
お気に入りに追加
417
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる