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プラチナのハート
震える
怖い
どうして?!
嫌だ!
眠るのが怖い。
思い出したいのに、思い出したくない。
泣きたくないのに、心が痛くて、泣いてしまう。
夢の中は、幸せと、地獄のような悲しさがずっとあって、俺はどちらも選べない。
「すきなのに、ね、選べないんだよ。
そんな夢。
痛くて、痛くて、苦しくて、泣いちゃうんだよなー
もっと、強くならないと、ダメだよね。」
毎日夕方にきてくれる本田さんに、見た夢の話をする。
「さとるは、選びたいの?」
「うん、選びたいの。
でも、ね、選ぶと怒られるの」
本田さんは少し苦い顔をする
「さとる、苦しいかもしれないけど、会わせて話したいやつがいるんだ。」
「痛いこと?」
それは絶対にさせない、ていうから、いいよって答えた。
いつも冗談を言う人が一緒で、知らない少し俺より年上の人がきた。
知らない人
「さとる、こいつは、お前の前に付き合っていたけど、随分前に別れた奴だ。
こいつが、さとるを身も心も傷つけた。
お前が思い出さなきゃ、こいつを裁くことが出来ないんだ。」
本田さんは苦しそうにはなす。
「元カレってこと?」
「は!違うね、今もだよ!
いまだってセックスしてるしな!」
「してない!」
かぶり気味に本田さんが否定する。
「さとる君、こいつは犯罪者だ。
君を傷つけた。
みんな、見てたけど、君が訴えなきゃ、難しいんだ。」
俺?
俺、なんで殴られたの?
「なんで、殴ったの?」
「お前が一志の隣にいるからだよ!
いつだって、一志は俺を許してたのに!
返せよ!
死ねばよかったんだ!」
「さとる、こいつは、自分勝手に浮気をして出て行って、勝手に俺を恋人扱いする最低な奴だ。
今までは、許してたんじゃなくて、めんどくさいからほっといただけだ。
恋人でも、セフレですらない。
クズなんだよ。」
「さとる君、こいつを訴えて良いんだよ
怖くないから、痛いことはさせないから、絶対にまもるから。」
俺はどうしたらいいんだろう。
頭の奥がチリって痛む。
「違うね、俺たちは体の相性も最高だった!
お前が邪魔者!」
どうしたらいいの?
本田さん、どうしたらいいの?
「い、やだ。
本田さんが、笑わないとダメ!」
何か胸の奥で弾けた気がした。
頭の中は、今、頑張らないとって凄い勢いでぐるぐる回ってた。
「だから、アンタ嫌い!
嘘つき!
ずっと、俺と一緒って言った!
一生、好きって、愛してるって言った!
何度も疑って、泣いて、それでも!」
そこまで言って、物凄い勢いで記憶が流れてきた気がする。
涙がボロボロ出て、一志さんを思い出せた。
「かずし、さん、俺、一緒にいたいよ。」
言われた事に、逃げそうになったけど、あの時頑張ったとか、痛いけど、怖がっちゃいけないとか、色々な事が流れ出した。
頭が痛い、吐きそう、こいつ許さないとかぐちゃぐちゃに、なった。
「あ、かずし、さん
たすけ、て」
意識は真っ黒な泥水みたいな中に沈んで行った。
震える
怖い
どうして?!
嫌だ!
眠るのが怖い。
思い出したいのに、思い出したくない。
泣きたくないのに、心が痛くて、泣いてしまう。
夢の中は、幸せと、地獄のような悲しさがずっとあって、俺はどちらも選べない。
「すきなのに、ね、選べないんだよ。
そんな夢。
痛くて、痛くて、苦しくて、泣いちゃうんだよなー
もっと、強くならないと、ダメだよね。」
毎日夕方にきてくれる本田さんに、見た夢の話をする。
「さとるは、選びたいの?」
「うん、選びたいの。
でも、ね、選ぶと怒られるの」
本田さんは少し苦い顔をする
「さとる、苦しいかもしれないけど、会わせて話したいやつがいるんだ。」
「痛いこと?」
それは絶対にさせない、ていうから、いいよって答えた。
いつも冗談を言う人が一緒で、知らない少し俺より年上の人がきた。
知らない人
「さとる、こいつは、お前の前に付き合っていたけど、随分前に別れた奴だ。
こいつが、さとるを身も心も傷つけた。
お前が思い出さなきゃ、こいつを裁くことが出来ないんだ。」
本田さんは苦しそうにはなす。
「元カレってこと?」
「は!違うね、今もだよ!
いまだってセックスしてるしな!」
「してない!」
かぶり気味に本田さんが否定する。
「さとる君、こいつは犯罪者だ。
君を傷つけた。
みんな、見てたけど、君が訴えなきゃ、難しいんだ。」
俺?
俺、なんで殴られたの?
「なんで、殴ったの?」
「お前が一志の隣にいるからだよ!
いつだって、一志は俺を許してたのに!
返せよ!
死ねばよかったんだ!」
「さとる、こいつは、自分勝手に浮気をして出て行って、勝手に俺を恋人扱いする最低な奴だ。
今までは、許してたんじゃなくて、めんどくさいからほっといただけだ。
恋人でも、セフレですらない。
クズなんだよ。」
「さとる君、こいつを訴えて良いんだよ
怖くないから、痛いことはさせないから、絶対にまもるから。」
俺はどうしたらいいんだろう。
頭の奥がチリって痛む。
「違うね、俺たちは体の相性も最高だった!
お前が邪魔者!」
どうしたらいいの?
本田さん、どうしたらいいの?
「い、やだ。
本田さんが、笑わないとダメ!」
何か胸の奥で弾けた気がした。
頭の中は、今、頑張らないとって凄い勢いでぐるぐる回ってた。
「だから、アンタ嫌い!
嘘つき!
ずっと、俺と一緒って言った!
一生、好きって、愛してるって言った!
何度も疑って、泣いて、それでも!」
そこまで言って、物凄い勢いで記憶が流れてきた気がする。
涙がボロボロ出て、一志さんを思い出せた。
「かずし、さん、俺、一緒にいたいよ。」
言われた事に、逃げそうになったけど、あの時頑張ったとか、痛いけど、怖がっちゃいけないとか、色々な事が流れ出した。
頭が痛い、吐きそう、こいつ許さないとかぐちゃぐちゃに、なった。
「あ、かずし、さん
たすけ、て」
意識は真っ黒な泥水みたいな中に沈んで行った。
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