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ラップフィルムのハート



結局、顔も見ないで出ちゃったけど。
ま、あの店は無いな。
俺の本能が、無理無理って告げてるぜ!

店に戻ると、常連さん達から何故か大歓迎を受けた。
いゃ~、これ、この空気よ!
ガサツでし、かまってちゃんだし、もう、放置が辛いw

「カイシデン、戻りましたー!」

これ、老若男女、知ってんだよなー
ガン○ム、俺もリアルタイムでは見てないけど、好きだったしね。

「マスター、カーディナルお願いします!」

「カイ、仕事しないのか?」

「え?いいの?
 着替えてくるね!」

やったー、お客より店員のがいいよ。
お客さんに飲ませて貰えるもん。

カラン♪
いらっしゃいませー

見るとやっぱり一見さん。
俺の安寧の為には、全ての客がゲイかバイしかあり得ない。

「お一人様ですか?」

俺が聞いて、マスターが案内する。

カウンターについちゃったよ。

迷子系はボックス席がいいんだけどなー
相手しなくていいじゃん。

「なんに致しましょう?」

にこやかに接客中ー

「君、お店で彼に色目つかってたよね。
 ブスがさー
 キモいし、ほんと死ねば?」

「は?」

一瞬、何言われたかわからんかった。
だってさ、ブスなのは自覚してるし、普通に生きてんだけど。 
ゲイにモテないから、魔法使い目指して、賢者まで行く予定よ、俺。

「誰かとお間違いじゃないですか?」

「お前だよ、お前!
 カーディナルとかしってて頼んだんだろ?」

「え?えーっと、たんに綺麗だから頼むんですけど。」

マジわからん。
カーディナル頼むやつなんて、いくらでもいるだろうよ。

「こちらに仕事に入る前に、飲んだことを言われてらっしゃいます?」

さっきの居心地の悪い店で頼んだけどな。
色目も何も、スマホさんしか相手にしてませんがな。
パラレルワールドの話なら、違う店にしてくれよー!

「そうだよ、ブス!」

「申し訳ございません、あのお店には二度と行きませんし、お客様もこちらには二度と来られませんようにお願いしますね。」

にこやかにお帰り願う。
別に、行かなくていいし、参ったねー。

「客じゃねーな。
 座って営業妨害しただけだよな?w」

悪ノリのお客さんに、めっちゃ正論ブッ込まれましたー!w
いいよ!いいよー!

「マスター、外行くわ。
 ほら、お前もだよ。」

「な!」

うーん、この人、見たこと無いなー。
悪ノリのお客さんに感謝!
引きずり出されて、5分くらいしたら、戻ってきた。

「ありがとうございます。」

「すまなかったな、カイが色目とか有り得んのにな。」

マスターが何気に酷い!
色目って、こう、瞬きをパチパチする感じ?で、チロチロ見ちゃうんでしょ?
やって見せたら、盛大にオェーされた。
自分でもオェーだわ。

「お前どこで飲んでたんだよw
 しかも、色目って」

「繁華街外れたとこにあるゲイバー?」

お高いとこ!
俺の財布じゃ次はいけないところ!

「カーディナルはマスターに作って貰ってから、最近覚えたんですよねー」

「マスターも悪いやつだなww」

え?なになに?何があるの?

「カイ、それ、その店で頼むなよ。
 優しい嘘ってカクテル言葉で、一夜限りを探してるって、言う意味であそこは使ってるんだよ」

マジで?知らんかった!
カクテル言葉、スゲーな、おい!

「魔法使いになれなくなっちゃう!
 やだやだ、ランプからかっこいい彼氏出さなきゃいけないのに!」

最後は、ランプから彼氏が出て来なーいってネタで終わりましたとさ。

「カイは、世間からすりゃ、可愛いんだよな。
 バイには受け、いいだろ?w」

まあ、たしかに、かわうぃーねー言われんのはバイでも女寄りのバイ。
まあ、少ないけどな!

なんか今夜はどうしちゃったんだろ?

波乱の予感?
はしねーなーww
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