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なかなかに予想とは外れるものだと思っていたのに、悪い事ほど的中してしまうものだった。
僕達は一気に決着をつけようと地脈を使って奇襲をかけると、そこにいたのはミッドと神官達だった。
「やはり、な」
パパが予想していた通りの状況に、僕らはほんの少しだけ落胆した。
モアレティの気持ちがどこまでなのかを計知ることは出来ないけど、弟と言う存在がミッドのどこかにあれば良いと思っていた。
「くくっ、どこぞへ逃げたはずの生贄に、なんだその黒い奴は?」
ミッドが目を眇めてモアレティを睨め付けた。
「ミッド兄様……、改めて、モアレティです。
ラグノーツ様より名前を頂き、こちらの眷属になりました」
え? 眷属? え? ええ?
獣神の眷属って事は想像したけど、僕の眷属って何!?
「ミッド殿、モアレティ様をうちの者にしてしまい、そこだけはお詫びいたします。
ですが、扱いに困ってあのような仕打ちをしていたのでしょうし、事後承諾ではありますが連れて行く事にします。
そして、我が息子ラグノーツを拉致し生贄にした罪を償って頂きたい」
パパが静かにミッドを見据え、モアレティの扱いと僕を拉致した事へ言及した。
「はっはっは!! そこのガキは我が国に必要ないわ! どこへなりとも連れて行くがいい!
但し、サリエル殿下の体を元に戻さねば、貴殿らを処刑する!!」
ん~、確かのこの国は僕らにとっては外国だけどさ、辺境伯で一応僕は皇族に近い血が流れている訳で、それなりに高貴な諸侯の一員なんだよね。
それを拉致して生贄とか言ってるあんたらの方がおかしいでしょ。
しかも処刑とか。
法律が違うって言っても公式訪問してるんだから、国際問題だよね? 最初から。
「サリエル殿下はそのままの方がいいんじゃないですか?
この国の血筋を考えれば、王族ではないみたいですし……」
「何を」
「これ、この日記に書いてありましたよ?」
「まさか、でたらめを」
「読みますね、
獣神紋は無かった。
これは王族の子ではない、と言う証拠になってしまう。
陛下との交合は決まった日にしか……。
あの人の子だ」
「やめろ!!」
「あの人って誰でしょうね?
そう言えば、ミッド殿って豹紋に見せかけてますけど、それ、傷跡ですよね?
宰相兼教育係でしたっけ?
年齢的には父親って言ってもおかしくないですよね?
今病床にいる国王様とサリエル殿下って似て無くないですか?
むしろ、貴方に似ている、その豹紋と言う傷が無ければ、とてもね。
モアレティ様より、サリエル殿下と兄弟、いや親子と言った方が合ってる気がしますよ?
ねぇ? ミッド殿」
「憶測だろうが、不敬である!
サリエル殿下は皇太子であるのだ!」
ミッドが力押しとも言える行動に出ようとした。
「この辺で諦めませんか?
モアレティ様の本当の御父上は、国王ですよね?
獣神紋と言うより、神の代弁者である聖女と国王という正当な血筋を持った、何よりも尊いお方ではないですか?」
周りにいた神官や信者たちからどよめきが上がった。
獣神教の信者としては、国の王族こそが一番獣神に近くそして、神の親族とさえされていたのに、サリエルがどこの誰とも知れない王族ですらないかもしれないのだから、動揺と猜疑心は膨らむばかりだった。
僕達は一気に決着をつけようと地脈を使って奇襲をかけると、そこにいたのはミッドと神官達だった。
「やはり、な」
パパが予想していた通りの状況に、僕らはほんの少しだけ落胆した。
モアレティの気持ちがどこまでなのかを計知ることは出来ないけど、弟と言う存在がミッドのどこかにあれば良いと思っていた。
「くくっ、どこぞへ逃げたはずの生贄に、なんだその黒い奴は?」
ミッドが目を眇めてモアレティを睨め付けた。
「ミッド兄様……、改めて、モアレティです。
ラグノーツ様より名前を頂き、こちらの眷属になりました」
え? 眷属? え? ええ?
獣神の眷属って事は想像したけど、僕の眷属って何!?
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ですが、扱いに困ってあのような仕打ちをしていたのでしょうし、事後承諾ではありますが連れて行く事にします。
そして、我が息子ラグノーツを拉致し生贄にした罪を償って頂きたい」
パパが静かにミッドを見据え、モアレティの扱いと僕を拉致した事へ言及した。
「はっはっは!! そこのガキは我が国に必要ないわ! どこへなりとも連れて行くがいい!
但し、サリエル殿下の体を元に戻さねば、貴殿らを処刑する!!」
ん~、確かのこの国は僕らにとっては外国だけどさ、辺境伯で一応僕は皇族に近い血が流れている訳で、それなりに高貴な諸侯の一員なんだよね。
それを拉致して生贄とか言ってるあんたらの方がおかしいでしょ。
しかも処刑とか。
法律が違うって言っても公式訪問してるんだから、国際問題だよね? 最初から。
「サリエル殿下はそのままの方がいいんじゃないですか?
この国の血筋を考えれば、王族ではないみたいですし……」
「何を」
「これ、この日記に書いてありましたよ?」
「まさか、でたらめを」
「読みますね、
獣神紋は無かった。
これは王族の子ではない、と言う証拠になってしまう。
陛下との交合は決まった日にしか……。
あの人の子だ」
「やめろ!!」
「あの人って誰でしょうね?
そう言えば、ミッド殿って豹紋に見せかけてますけど、それ、傷跡ですよね?
宰相兼教育係でしたっけ?
年齢的には父親って言ってもおかしくないですよね?
今病床にいる国王様とサリエル殿下って似て無くないですか?
むしろ、貴方に似ている、その豹紋と言う傷が無ければ、とてもね。
モアレティ様より、サリエル殿下と兄弟、いや親子と言った方が合ってる気がしますよ?
ねぇ? ミッド殿」
「憶測だろうが、不敬である!
サリエル殿下は皇太子であるのだ!」
ミッドが力押しとも言える行動に出ようとした。
「この辺で諦めませんか?
モアレティ様の本当の御父上は、国王ですよね?
獣神紋と言うより、神の代弁者である聖女と国王という正当な血筋を持った、何よりも尊いお方ではないですか?」
周りにいた神官や信者たちからどよめきが上がった。
獣神教の信者としては、国の王族こそが一番獣神に近くそして、神の親族とさえされていたのに、サリエルがどこの誰とも知れない王族ですらないかもしれないのだから、動揺と猜疑心は膨らむばかりだった。
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