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しおりを挟む僕達が充てがわれた部屋へ行こうとした時に、パパは物凄い形相でゲオルグに釘を刺していた。
「ゲオルグ殿、ラグはまだ十五歳だと分かってますよね?」
「理解しております」
「パパ?」
「ラグは黙って。
ゲオルグ殿のお歳なら自制もききますよね?
まさか暴発などと言うことは」
「ぶっ!!
旦那様、暴発! ぼ、うは、つ!!
いや、いや、すみません!
ゲオルグ先生が、暴発!
いや、まあ、そうですね。
きっと、ですが、その、くっ!
あはははははは!
我慢できません!! ゲオルグ先生、童貞なんで暴発と言うより、無駄撃ちじゃないですかね?」
アシッドが爆笑しながら、ゲオルグの下半身事情を暴露してしまった。
いや、まあ、事実だけどさ。
「え!?」
ヒューゴも、セバスチャンも、パパも、ユリアスも、あ、察し、って感じの雰囲気になり、一瞬でシーンとなった。
「アシッド、なんで今そんな事いうの!?
関係ないじゃん!
酷いよ!」
「私は、ラグ様だけをお慕いしておりますれば、貴方様のアナル処女を不慣れなゲオルグ先生に貫通させて欲しくありません。
婚姻はいた仕方ないにしても!」
おいおい、結婚したらセックスは当たり前だろうよ。
婚約段階だって僕からしたら問題ないと思ってるけど?
「アシッド、気持ちは分からんでもないがな。
さすがに、童貞でもこの歳まで何もした事が無いって、大丈夫だよ、な?
ゲオルグ!」
ヒューゴが役に立たないフォローをした。
確か、抜くためにフェラしてくれるお店には行ってたんだよね?
「私たち二人で乗り越えれば良い事だ」
「そうだよ!」
前世の記憶もあるし、大丈夫!
「ま、まあ、ゲオルグ殿、節度ある行動をお願いするよ」
「もちろんです」
ゲオルグは僕を抱き上げると、貴賓室の一つであるこの応接室を後にした。
「はぁーっ!!
っとに! まさかラグが社交界に出るとか、婿を探すとか、そんな話しが出回った時は肝が冷えた!」
僕をベッドに下ろして、自分も後ろにドーンと豪快に倒れ込みながら言った。
「え? そんな話しになってたの?
僕がパパの息子って知られてないと思ってたんだけど」
「お前、曲がりなりにも第三者王子かなんかの婚約者をやってただろうが。
顔はイマイチ覚えられてなくても、存在は知られてるさ。
しかも婚約解消後、気鬱を理由に引っ込んで、ちゃっかり免除資格を取って行方をくらませた事は知られていないし、義父上の義息共がない事ない事ふれ回っているからな。
その流れで義父上が長らく療養していた息子を連れ帰り、デビュタントに参加するとなれば、大騒ぎだろうが」
兄上達の、ない事ない事ってなんだろ?
あ、ロシアスは処分されてるはずだから、いま王位継承って、王弟殿下が一番近いんじゃないの?
ん? 第一王子いたっけ。
でも継承権で言えば、王弟殿下じゃん、最初から! なのに、結婚もせず外の子作るとかお家騒動の元じゃん!
そう言うのがアレだから、三位以降は同性婚なのに。
「ゲオルグが結婚したって話しの方が僕にとっては酷いニュースだったよ。
世界樹の爺さん枯らして、スカスカになった大地をアースドラゴンのエリが地脈を制御して」
「アースドラゴンだと?」
「うん、エリ、あの赤い髪の雰囲気が柔らかい子がそうなんだ」
やや暫くゲオルグは逡巡して、あぁ、とだけ言った。
「ラグ、子と言うには随分……」
「進化してあれだけど、その前は大分中身は子供だったよ」
ゲオルグ的には緑頭の事もあるから、そう言うものか、な納得をしたようだった。
「会いたかった。
蒼月の役目で、もう、二度とこの手に抱き締める事も出来ないと諦めそうになったあの時、狂いそうだった。
ラグの犠牲が無いと成り立たない世界なんて、壊れてしまえば良いとさえ思った」
ゲオルグが泣きそうな顔をして、天井を見つめながら話してくれた。
よくよく聞いてみたら、魔王化してたんじゃない? って内容だった。
傾いて壊れた学校を元通りにしたとか、僕の為に生態系を維持したとか、力の使い方が破壊に行ったら魔王じゃん!
「ありがとう、ゲオルグ。
魔王化しないでくれて」
「ラグの可愛い姿を思い出したからだ。
だから、ラグのおかげだな」
寝転んだゲオルグに覆い被さるようにして、キスをした。
「好き、ゲオルグ」
「私もだ、ラグ」
啄むようなキスなんて出来なくて、深く噛みつくように舌を絡ませて、喘ぐようにキスをした。
「っ、ん、ふ、ん」
「は、ぁ、」
ぴちゃぴちゃとか、くちゅっと態と音を立てて、大きく舌を絡めて快感を誘った。
「ラグ、して良いか?」
「うん、したい」
お互いの服の下に手を差し入れて素肌を触りながら、脱がし合ってゲオルグに力強く抱きしめられた。
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