モブですけど!

ビーバー父さん

文字の大きさ
上 下
162 / 219

161

しおりを挟む



 僕達が充てがわれた部屋へ行こうとした時に、パパは物凄い形相でゲオルグに釘を刺していた。

「ゲオルグ殿、ラグはまだ十五歳だと分かってますよね?」

「理解しております」

「パパ?」

「ラグは黙って。
 ゲオルグ殿のお歳なら自制もききますよね?
 まさか暴発などと言うことは」
「ぶっ!!
 旦那様、暴発! ぼ、うは、つ!!
 いや、いや、すみません!
 ゲオルグ先生が、暴発!
 いや、まあ、そうですね。
 きっと、ですが、その、くっ!
 あはははははは!
 我慢できません!! ゲオルグ先生、童貞なんで暴発と言うより、無駄撃ちじゃないですかね?」

 アシッドが爆笑しながら、ゲオルグの下半身事情を暴露してしまった。
 いや、まあ、事実だけどさ。

「え!?」

 ヒューゴも、セバスチャンも、パパも、ユリアスも、あ、察し、って感じの雰囲気になり、一瞬でシーンとなった。

「アシッド、なんで今そんな事いうの!?
 関係ないじゃん!
 酷いよ!」

「私は、ラグ様だけをお慕いしておりますれば、貴方様のアナル処女を不慣れなゲオルグ先生に貫通させて欲しくありません。
 婚姻はいた仕方ないにしても!」

 おいおい、結婚したらセックスは当たり前だろうよ。
 婚約段階だって僕からしたら問題ないと思ってるけど?

「アシッド、気持ちは分からんでもないがな。
 さすがに、童貞でもこの歳まで何もした事が無いって、大丈夫だよ、な?
 ゲオルグ!」

 ヒューゴが役に立たないフォローをした。
 確か、抜くためにフェラしてくれるお店には行ってたんだよね?

「私たち二人で乗り越えれば良い事だ」

「そうだよ!」

 前世の記憶もあるし、大丈夫!

「ま、まあ、ゲオルグ殿、節度ある行動をお願いするよ」

「もちろんです」

 ゲオルグは僕を抱き上げると、貴賓室の一つであるこの応接室を後にした。






「はぁーっ!!
 っとに! まさかラグが社交界に出るとか、婿を探すとか、そんな話しが出回った時は肝が冷えた!」

 僕をベッドに下ろして、自分も後ろにドーンと豪快に倒れ込みながら言った。

「え? そんな話しになってたの?
 僕がパパの息子って知られてないと思ってたんだけど」

「お前、曲がりなりにも第三者王子かなんかの婚約者をやってただろうが。
 顔はイマイチ覚えられてなくても、存在は知られてるさ。
 しかも婚約解消後、気鬱を理由に引っ込んで、ちゃっかり免除資格を取って行方をくらませた事は知られていないし、義父上の義息共がない事ない事ふれ回っているからな。
 その流れで義父上が長らく療養していた息子を連れ帰り、デビュタントに参加するとなれば、大騒ぎだろうが」

 兄上達の、ない事ない事ってなんだろ?

 あ、ロシアスは処分されてるはずだから、いま王位継承って、王弟殿下が一番近いんじゃないの?
 ん? 第一王子いたっけ。
 でも継承権で言えば、王弟殿下じゃん、最初から! なのに、結婚もせず外の子作るとかお家騒動の元じゃん!
 そう言うのがアレだから、三位以降は同性婚なのに。

「ゲオルグが結婚したって話しの方が僕にとっては酷いニュースだったよ。
 世界樹の爺さん枯らして、スカスカになった大地をアースドラゴンのエリが地脈を制御して」
「アースドラゴンだと?」

「うん、エリ、あの赤い髪の雰囲気が柔らかい子がそうなんだ」

 やや暫くゲオルグは逡巡して、あぁ、とだけ言った。

「ラグ、子と言うには随分……」

「進化してあれだけど、その前は大分中身は子供だったよ」

 ゲオルグ的には緑頭の事もあるから、そう言うものか、な納得をしたようだった。

「会いたかった。
 蒼月の役目で、もう、二度とこの手に抱き締める事も出来ないと諦めそうになったあの時、狂いそうだった。
 ラグの犠牲が無いと成り立たない世界なんて、壊れてしまえば良いとさえ思った」

 ゲオルグが泣きそうな顔をして、天井を見つめながら話してくれた。
 
 よくよく聞いてみたら、魔王化してたんじゃない? って内容だった。
 傾いて壊れた学校を元通りにしたとか、僕の為に生態系を維持したとか、力の使い方が破壊に行ったら魔王じゃん!

「ありがとう、ゲオルグ。
 魔王化しないでくれて」

「ラグの可愛い姿を思い出したからだ。
 だから、ラグのおかげだな」

 寝転んだゲオルグに覆い被さるようにして、キスをした。

「好き、ゲオルグ」

「私もだ、ラグ」

 啄むようなキスなんて出来なくて、深く噛みつくように舌を絡ませて、喘ぐようにキスをした。

「っ、ん、ふ、ん」
「は、ぁ、」

 ぴちゃぴちゃとか、くちゅっと態と音を立てて、大きく舌を絡めて快感を誘った。

「ラグ、して良いか?」

「うん、したい」

 お互いの服の下に手を差し入れて素肌を触りながら、脱がし合ってゲオルグに力強く抱きしめられた。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 連載希望のコメントをいただきましたので、 連載に向け準備中です。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

処理中です...