127 / 219
126
しおりを挟む「ゲオルグ、センセ、その告白、衝撃的なんですが」
アシッドがさっきまでの揶揄い顔から、残念なものを見る様な哀れな表情でゲオルグを見ていた。
「仕方無いだろ!
恋愛なんかに全く興味が無かったし、定期的に出すためだけに行ってただけだ!
自分でするのも変だしな」
いや、変ってアンタ……、オナッて無い成人男性はそんなにいないと思うよ?
「だから、服も脱がなかったの?」
「そうだ、もっとちゃんと勉強して知識を持ってからじゃないと、ラグの小さなアナルが切れてしまったら大変じゃないか!」
え、ちょっと待て!
「年齢とか、子供の体良いとかじゃないの?」
「体に関しては、ラグであれば痩せてようが太ってようが、大きくても小さくても関係無い!
年齢は倫理的な問題だ。
ちゃんと大人になって、自分の意志で決着を付けられる様になってくれないと!
伴侶にするにはちゃんと成人してからと決まっている」
「学校免除資格で大人だって言ったじゃないですか!」
「働く上では、大人と同等に扱われるが、そう言った性を扱う店には入れない」
これ、まだ入ってないけど、玄関先でこの話ししてるってどうなの?
「ゲオルグ先生、さすがにここでその話しは如何なものかと……」
アシッドが苦笑しながら止めに入って来た。
「あ、あぁ、そうだな、すまん。
だがラグ、これだけは信じて欲しい。
私は、ラグだけを愛している」
「うん、さすがにその告白は信じるしかないからね」
ごめん、僕も苦笑いしか出なかった。
玄関と言えるのだろうか?
まるで城門の様な扉が現れ、岩の一面に凄い存在感を持って鎮座していた。
扉は魔力を流さなくては開かない仕組みで、結界を突破した上にこの扉が個々の魔力を記憶して開けられる様になっていた。
アレだ、まるで指紋認証か網膜認証みたいなの!!
改めて魔法ってすごいなぁと感心した。
いや、ロッシが凄いのか。
入る前に、僕らの魔力を扉に通して記憶をさせた。
「凄いな、コレ」
関心するしかなかった。
魔力を通して記憶させて僕自身で扉を開けると、中からパパが物凄い勢いで走って来た。
「ラグ!! ラグ!!
心配させて!!」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられて、仕舞いには抱き上げられてそのまま色んな所にキスをされた。
「パパ! ごめんなさい!!」
相変わらずのスペックで、僕は泣き出してしまった。
絶対パパ離れなんか出来ないって実感した。
「ラグ、ちゃんと話を聞きたいが、先ずは顔を良く見せて?
ああ、私の可愛いままのラグだね。
それに傷を治したんだね、益々綺麗な子になったな。
少し背が高くなったかい?」
「大分男らしくなったでしょ?」
「いやいや、まだまだ可愛い赤ちゃんだよ」
やっぱりパパは僕のパパだった。
「旦那様、色々ご報告がございますので、場所を変えましょう」
「そうだな、ラグに凄いプレゼントを用意してるんだ。
十五歳のお誕生日おめでとう!
これが言いたくてパパ頑張っちゃったよ~」
「きゃ~、パパ! 大好き!!」
パパが初めて僕の誕生日をお祝いしてくれた!
プレゼントなんていらない、パパがいれば良い!
めっちゃ甘えてスリスリして、ぎゅ~ってした。
まだこの屋敷? 砦? の構造とか分かってないけど、パパに肩を抱かれて大広間へ行くと、いきなり明かりがついて中には騎士団のみんなが駆け付けてくれてた。
「おめでとう!! ラグ!!
俺たちは諦めてないからな!!!」
口々にお祝いと、例の結婚してくれが始まって元気な彼らの姿を見て、また僕は泣いてしまった。
「ね、これ、どんな魔法?」
「ね、皆んな君を待っていたんだ。
ジョーハンでの事も、決着がついたから彼らを呼び戻したんだ。
あの時のラグの判断は間違いじゃなかった。
でも、やっぱり、彼らは君にとって必要な人達だと私は思っているからね」
パパは騎士団全員とは言わないだろうけど、いつか、僕が世界樹に飲み込まれてしまうその時に抗える力を持っていたいから、有志を募ったんだ、と言った。
世界樹に取り込まれるとか、パパには言ってなかったと思うよ?
「チビさんが、教えてくれたよ
途中、ラグを追えなくなって物凄く心配したけど、無事で良かった。
でもね、ゲオルグの事はちょっと賛成できないな」
「え!? そこも分かってるの?」
「ああ、精霊王が逐一チビさんで連絡してくれていたからね」
緑頭、やるな。
「いま、緑頭は具合が悪くて……」
「みたいだね、この所連絡も無くて心配していた所だよ」
「世界樹がおかしいみたい」
世界樹と聞いたパパの顔が険しくなって、そうか、とだけ呟いた。
12
お気に入りに追加
2,339
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中


俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる