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しおりを挟む奥の方にもちゃんと照明があって、ちゃんと整備されているんだけど、怖いくらいの広さだった。
「こりゃあ、自然に出来た物みたいだなぁ。
そこに手を加えたのか」
ホーク達は周りを警戒しながら、そう言った。
「こんな風になってると、何か出てきてもおかしく無い感じだね。」
なんとなく、F○とかに出てきそうなダンジョンの様だった。
「ああ、魔獣や魔物もでそうだけど、ここはかなり高度な結界魔法が施されてるから、雑魚は入り込めないな。」
「え? 魔物とかそう言うのいるの?」
「ラグ様、魔王化する者がいるくらいですし、私の様な聖獣もおりますから、魔物や魔獣もおりますよ」
言われてみれば、魔法があったり、世界樹があったりだもん。
おかしくないよな、それも。
「でも、今まで見た事ないけど」
「この国に入る時、早馬で飛ばしてた時にチラッと見えたぞ」
パパ! 何にも言ってなかったし! 僕は爆睡してたんだった。
「へ、へぇ~、そうなんだ。
知らなかった」
「それに、ボアだって、モーナもメーナも魔獣だよな?
家畜にしてるだけでさ」
ヒューゴ、追い討ちです、それ。
魔獣食べてたのか、まあ、今更だけどな!
美味かったし、それでいいんだ、うん。
「もしかして、魔獣って生き物全部魔獣?」
「そうだよ、何言ってんの?」
コーニッシュが当然とばかりに魔獣、魔草、魔鳥、魔穀、だと言った。
それ、"魔"を付ければ何でも良いんじゃん!
分かった事は人間以外の動植物は魔物?だと言う事で、精霊は精霊で聖獣はこの世に一体しかいない、非常に!貴重な個体なんだって。
常識すぎて、試験に出なかった上に、免除試験のテキストにもそんな記述無かったよ!
凄い盲点だわ。
「別な種別や科目があるのかと思ってました」
ふぃー、誤魔化さないと、バカな子になってしまう!
「ラグ、お前もしかして常識的な事に疎いんじゃないか?」
「え! や、やだなぁ、ゲオルグ先生ってば」
目が泳いでしまう。
「では、朝鳴く魔鳥は!?」
「コカトリスですよ! そのくらい知ってます!」
「む、知ってたのか」
良かった、知ってるのじゃ無かったらヤバかった。それこそ、免除資格取り消しとか言われそうじゃん。
「この結界なら、少し魔力量の高い魔物なら侵入するだろ?
メリットは全くないけど」
ユリアスは魔物の方を心配した。
魔物のメリットって、やっぱり命とかそんなん?
「魔物が好む魔力量の高い物はいないし、魔鉱石とかもない感じだよな?
むしろ、こう、浄化されてるって言うか、聖なる物って感じで近寄るメリットよりデメリットの方が高いんじゃね?」
コーニッシュの言ってる内容だと、魔力が高いと魔物が寄って来る可能性が高いって事!?
「ラグは我ら守護者が守っておるから何の心配もいらぬよ?」
緑頭が最近成長して来てんだよな。
「そういや、こんだけ魔力量が凄いのに、そういうトラブルは無かったな」
「ふふん、守護者とはラグの魔力を隠す役目もあるのだ」
何かドヤ顔してるのがムカつく。
腐っても精霊王って感じではあるけど、緑頭の癖に!
そういや、こいつらも僕の魔力が心地いいって話だったよな。
行けるところまでザブザブと歩いて行くと、更に地下へと続く階段の様な状態の岩が現れた。
「ねぇ、これ裸で行くような感じじゃなくない?
一度戻ってちゃんと準備していった方が良くないかな?」
そう言って後方を振り返った時に、うぉぉって内心なった。
ここまで裸の僕は腰までお湯に浸かって来れたけど、大人たちは全員背も高いし足も長いから(悔しいけど)太ももくらいまでしかお湯がなくて、ブラブラと揺らしながら歩いてた事に今更気づいたよ。
だって先頭を歩いてたのは僕だからさ。
見ないように気を使っちゃったよ。
ゲイな大人が中身だからさ。
そういえばこの前、神様が体に年齢が定着したとか馴染んだとか言ってた気がするけど、前世の精神的なものが今の子供の体に引きずられてるって事なのかな?
幼くなってるって事なのか?
記憶が消えてるとかじゃないから、乖離が減ったって事なのかもしれないと思った。
何ていうか、千尋がラグを使って生きてるって感じじゃなくなって、ラグが千尋の記憶を使って生きてるって感じが一番納得できる自分になった。
「そうだな、このままでいるとラグがお尻から風邪を引いてしまうだろうし」
ヒューゴが変な言い方をした。
「なんでよ?
お尻まではお湯に浸かってるよ?」
「温泉で温まってるからあんまり分かってないかもしれないけど、歩くたびにしっかりお尻見えてるからね」
「え?」
急いでお尻に手をやったけど、今更だねって言われて可愛いピンクのお尻が、とか。
お湯で温まっただけだから、ピンクのお尻なんてしてないから! ってずーっと言い続けながら戻る事になった。
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