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しおりを挟むゲオルグには折角作ってくれたんだけど、と。
だって、連想しちゃうんだよ!
だから撤去です、撤去!!!
鉄板→BBQ→野営→○○食→鉄板
これがグルグルして無理!
もう鉄板見れないじゃん、どうしてくれんだよ!!
脳内浄化したかったよ。
デザートタイムでは、パパがムースは大きいのが良いって言ったから、僕の茶わん蒸し愛と同じと考えて、ドンブリで作ってみました!!
茶わん蒸しはね、ドンブリで作るのさ!
二口で終わっちゃいそうな量じゃ全然足りません!!
シュークリームは、普通のとシューアイスにしたのと二種類、これも、パパは凄い喜んでくれた。
アイスって、前にちょっとだけ作って出しただけだから、初めての人にはかなり衝撃的かもしれない。
あ、そんな事なかったわ。
ホークたちだって食べた事あるのに、食い付き酷かったわ。
まぁそんなんで今日の食事が終わって、お風呂入って寝ようってなった時、ロッシ家あるあるな温泉施設だ。
なんでこんな所にと思ったら、温泉が出た場所に屋敷を建てて行ってるんだと。
ロッシ家ってどうやって温泉掘り当ててんの?
なんかチートがありそうな気がする!!
もしや転生者が!!
な~んてくだらない事思ってたら、種明かしされた。
「温泉は前々から活用していたんですけど、実際は土魔法と鑑定が出来る人間なら探せて掘り当てる事は造作もないんですよ。
たまたま、風呂好きな何代か前のロッシ家当主が、影を世界中に派遣するにあたっての福利厚生で作ったものです。」
福利厚生って、前衛的だな。
影って精神力使いそうだし、そのくらいしないと離職率が上がって逆に大変なことになりそうだしな。
「僕、ここで温泉入った事無かったよ。
大体、部屋に浴室ついてるし、温泉が無くても困らなかったし」
「前の別宅は露天しかありませんでしたからね」
何より、身の危険を覚えるしな。
「じゃぁ、僕は部屋のシャワーを使うよ」
その時、パパ以外の全員が、え~!!ってブーイングした。
「君ら、あくまでラグを口説く権利を得ただけだからね?」
ブリザードが吹き荒れた感たっぷりなパパの笑顔でした。
「僕は、パパと入る」
「そうだな、ラグ」
「それは狡いですよ!!
だって権利があるのに、その権利すら行使できないのはおかしくないですか?!」
珍しくユリアスが正論を言ってきた。
確かに…。
「賭けに勝ったのは我らですよ!!
ならば、行使できるはずですよね?」
これには、パパも賭けに負けた一人なので、何も言えなかった。
嫌屁理屈を言おうと思えば出来たけど、それだと、貴族としての矜持も男としての矜持も成り立たなくなるからだ。
この権利の行使に従う必要ないんじゃね?とは言えなかった。
だって!BLの世界じゃん!
おふざけは置いといて、実際、真面目に考えないといけない時が迫っていいるのも分かってたんだ。
このまま行き遅れって言われるのも良いかな、とか思ったりしてた。
だって、今の僕の中で決められなかったから。
誰か一人と、って気持ちまで育ってないんだよ。
「分かった、全員で入りましょう!
ね、ミワ!」
「はい!!ラグ様」
全員で入るって言った時、ワッっと上がった歓声も、ミワもと言ったらそう来たか~って消沈してた。
「まぁ、ラグをちゃんと見られる初めてのチャンスだし、俺たちを見てもらうチャンスでもあるからな!」
うんうん、前向きだね。
これは、先に入っておく必要がある!
「じゃぁ、俺たち先に入ってるから、逃げるなよ?
グフフフフ」
ここに居たはずのセバスチャンも、ゲオルグも消えていた。
「はは、パパ…
仕方ないね、約束だもん。」
「ラグ、パパが必ず守るからな!!」
これだけ見てると、僕らってバカだよなぁ。
いや~ん、あは~ん、うふ~んとかで漫画みたいに誤魔化せたらいいのに!
「そっか!
水着で良いじゃん!」
「ラグ、そこは…」
「だよね。」
ええい!男は度胸だ!
タオルと着替えを持って、よし!と思った所で、露天風呂がどこにあるのか分からない事に気づいた。
「ラグ、地下にあるんだよ、初日に私は朝風呂に入ったから分かってるから、行こう」
「ラグ様、私が守りますから!」
おーそうだった、ミワの毛も洗ってやんないと。
そう思うと大分気が楽になった。
パパに連れられて地下に行くとまるで鍾乳洞みたいな入口から中に入って、脱衣所で全部脱いだ。
「うわぁ、この洞窟みたいなのって作ったのかな?
それとも本当にこんなところで温泉を見つけたのかな?」
僕は恥ずかしいとかそんな気持ちも忘れて、ここの温泉の作りにビックリして見上げてた。
天井が高いと、湯けむりとかもそれ程じゃない。
でもたまに落ちて来る雫に、ヒャッと声を上げたりしながら普通に楽しんでた。
とにかく広かった。
多分、この屋敷の敷地全部がこの温泉になってるんじゃないかってくらい広かった。
これだけ広いと、開放感が凄くて、何だかワクワクしたんだ。
「ミワ、洗ってあげる~」
「ラグ様、お願いします!」
いい子だぁ。
シャンプーをいっぱい使って泡立てると、ミワの毛で角~とかアトム~とか言いながら遊んでた。
いつの間にか自分で体を洗えるようになり、この長い髪も自分で洗えるようになっていた。
前はセバスチャンが洗ってくれていたことを思い出して、僕もミワにする様に洗われていたなぁ、って成長した自分が誇らしかった。
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