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書いてる自分も腹ペコです。
地響きかと思う雄叫びが上がった。
「何だこれ、美味い、美味いって言うのか?
この味が正しいのか?
美味い、美味いんだ。」
何でだか、項垂れるように美味いを繰り返す。
「あの、美味しかったですか?」
「ああ、ヒューゴの言葉は真実だった。
これを知ったらもう、後には戻れない。
俺達は、今まで何を食べていたんだ。」
「大袈裟ですよ」
こちらが、居た堪れないくらいだ。
寮のおばちゃんにとっては営業妨害だろうし。
ここに配達するのは考えものだなぁ。
「ここの寮の食事は専門の方なんですか?」
「いや、この寮の管理をしてる人が交代で作ってるんだ。」
食事代とかはどうなってるんだろ?
「食事は寮費か何かで賄うんですか?」
「まあ、住んでるだけだしな。
寮費は毎月金貨五枚だ。
それと光熱費が銀貨一枚と小銀貨が三枚、食事代は十日事に申請して、一日小銀貨一枚だな。」
光熱費なんかは別としても、食事代は十日毎の申請で食べる食べないを決めるのか。
「え?
それならイルサーク様、今日のご飯代が!!」
十日前に申請なら既に払ってるはずだ。
「ラグの飯が食べられるなら、安い物だ。」
「勿体無いですよ!」
申請してる日数後にお弁当とかにした方がいい、と考えていたら寮のあったかいのがって言ってた隊長が、思ってもみなかった事を言い始めた。
「坊主、この寮の厨房で働かないか?」
「は?」
寮を管理してる人がいるじゃない?
「俺達で金を出し合うから、坊主が作ってくれたら良いんじゃねぇか?
元々、一日の支払いを十日纏めてるんだし。」
でも、そうするとこの騎士団全部の食事を?
「では一部をお借りして、限定数量でどうでしょうか?
人手が確保出来れば、徐々に増やして行きたいですけど。」
余所者に使わせるものだろうか?
「なあ!おばちゃん、ここの厨房でこの坊主に飯作らせてもいいか?!
俺たちが金を出し合ってやるからつかわせてくんねーか?」
「いいけど、全員の分かい?」
「いや、坊主一人だから人手が集まれば全員だろうが、限定数量でやるっぽいけど」
「一人一人じゃなく、何品かをブュッフェ形式なら全員でも大丈夫かもしれません。」
お弁当とか定食って考えるから、数がって思うんだ。
毎日、メイン、副菜を例えば三品なら、一気に作れる。
ブュッフェだと食べ放題みたいで一日幾らでは賄いきれない気もするから、量り売りにしたら、不公平感は無くなる。
カフェテリア方式とブュッフェ方式の間みたいな感じだな。
オリジ○弁当か!あれだ!
ただし、日替わりのみって感じになるけど。
セバスチャンに手伝って貰えば、何とかなるかな?
「なら、それで行こうぜ!
俺達は申請してある日数が後五日だから、五日後に開始してくれ!」
「分かりました。
頑張ってみます。」
大変だけどやりがいもあるし、何よりヒューゴ達の口に合ったと言う事は、他の人にもウケるかもしれないと言う事だ。
「俺だけに作ってくれたら良いのに。
でもラグがこの国で働けて、ずっと居てくれたら、その方が良いしな。」
何だかくすぐったい気持ちになった。
「あ、俺は明日もお弁当宜しくな。
ラグが作り始める五日後なんて待てないからさ。」
「うーん、それですけど、朝と昼はこちらので、夜は家に食べに来ますか?」
昼は準備の為に時間を使いたいって言うのが本音なんだけど。
ヒューゴにも言えてないけど、お金が貯まったら他の国へ行くつもりだし、騎士団お抱えみたいなのは今だけでいい。
ちゃんとお店を構えて、父上に食べて貰いたいからさ。
「夜、行っても良いのか?」
「こんなにお膳立てしてくれるお客様に、少しは融通きかせますよ。」
そう言うと他の隊長さん達も、行きたいと騒ぎ出した。
「あまり広くはない場所ですから、居心地悪いかもしれませんが、どうぞ。
騎士の方が出入りしてると分かれば、昨日の強盗も狙ったりしなかったでしょうに。
うちは防犯にもなるから、良いかもしれない。」
「なら、今夜行ってもいいか?」
「ちゃんと夕飯代払うぞ!」
そんなに来たいものかね?
「ラグ、強盗って何?
聞いてないけど!」
「あの、市場での買い物で良い所の下働きと思われたらしくて、つけられて侵入されたんです。」
途端にヒューゴは険しい表情をして、他の隊長はすぐに警備兵の隊長へ連絡を入れていた。
「不審者がうろつかないように、ロッシ家の敷地前に警備兵を常駐させるように申請させた。
ロッシ家は子爵だしすぐ許可も出るさ」
「あ、ありがとうございます。」
騎士って決断早すぎる気もするけど、戦場では一分一秒の判断で戦況が変わってしまう事もあるから、自分の決断に自信を持つ事も鍛えられているんだろう。
「では、今夜、お待ちしていますね。」
そう言って、空になったお弁当箱を回収して騎士棟を後にした。
地響きかと思う雄叫びが上がった。
「何だこれ、美味い、美味いって言うのか?
この味が正しいのか?
美味い、美味いんだ。」
何でだか、項垂れるように美味いを繰り返す。
「あの、美味しかったですか?」
「ああ、ヒューゴの言葉は真実だった。
これを知ったらもう、後には戻れない。
俺達は、今まで何を食べていたんだ。」
「大袈裟ですよ」
こちらが、居た堪れないくらいだ。
寮のおばちゃんにとっては営業妨害だろうし。
ここに配達するのは考えものだなぁ。
「ここの寮の食事は専門の方なんですか?」
「いや、この寮の管理をしてる人が交代で作ってるんだ。」
食事代とかはどうなってるんだろ?
「食事は寮費か何かで賄うんですか?」
「まあ、住んでるだけだしな。
寮費は毎月金貨五枚だ。
それと光熱費が銀貨一枚と小銀貨が三枚、食事代は十日事に申請して、一日小銀貨一枚だな。」
光熱費なんかは別としても、食事代は十日毎の申請で食べる食べないを決めるのか。
「え?
それならイルサーク様、今日のご飯代が!!」
十日前に申請なら既に払ってるはずだ。
「ラグの飯が食べられるなら、安い物だ。」
「勿体無いですよ!」
申請してる日数後にお弁当とかにした方がいい、と考えていたら寮のあったかいのがって言ってた隊長が、思ってもみなかった事を言い始めた。
「坊主、この寮の厨房で働かないか?」
「は?」
寮を管理してる人がいるじゃない?
「俺達で金を出し合うから、坊主が作ってくれたら良いんじゃねぇか?
元々、一日の支払いを十日纏めてるんだし。」
でも、そうするとこの騎士団全部の食事を?
「では一部をお借りして、限定数量でどうでしょうか?
人手が確保出来れば、徐々に増やして行きたいですけど。」
余所者に使わせるものだろうか?
「なあ!おばちゃん、ここの厨房でこの坊主に飯作らせてもいいか?!
俺たちが金を出し合ってやるからつかわせてくんねーか?」
「いいけど、全員の分かい?」
「いや、坊主一人だから人手が集まれば全員だろうが、限定数量でやるっぽいけど」
「一人一人じゃなく、何品かをブュッフェ形式なら全員でも大丈夫かもしれません。」
お弁当とか定食って考えるから、数がって思うんだ。
毎日、メイン、副菜を例えば三品なら、一気に作れる。
ブュッフェだと食べ放題みたいで一日幾らでは賄いきれない気もするから、量り売りにしたら、不公平感は無くなる。
カフェテリア方式とブュッフェ方式の間みたいな感じだな。
オリジ○弁当か!あれだ!
ただし、日替わりのみって感じになるけど。
セバスチャンに手伝って貰えば、何とかなるかな?
「なら、それで行こうぜ!
俺達は申請してある日数が後五日だから、五日後に開始してくれ!」
「分かりました。
頑張ってみます。」
大変だけどやりがいもあるし、何よりヒューゴ達の口に合ったと言う事は、他の人にもウケるかもしれないと言う事だ。
「俺だけに作ってくれたら良いのに。
でもラグがこの国で働けて、ずっと居てくれたら、その方が良いしな。」
何だかくすぐったい気持ちになった。
「あ、俺は明日もお弁当宜しくな。
ラグが作り始める五日後なんて待てないからさ。」
「うーん、それですけど、朝と昼はこちらので、夜は家に食べに来ますか?」
昼は準備の為に時間を使いたいって言うのが本音なんだけど。
ヒューゴにも言えてないけど、お金が貯まったら他の国へ行くつもりだし、騎士団お抱えみたいなのは今だけでいい。
ちゃんとお店を構えて、父上に食べて貰いたいからさ。
「夜、行っても良いのか?」
「こんなにお膳立てしてくれるお客様に、少しは融通きかせますよ。」
そう言うと他の隊長さん達も、行きたいと騒ぎ出した。
「あまり広くはない場所ですから、居心地悪いかもしれませんが、どうぞ。
騎士の方が出入りしてると分かれば、昨日の強盗も狙ったりしなかったでしょうに。
うちは防犯にもなるから、良いかもしれない。」
「なら、今夜行ってもいいか?」
「ちゃんと夕飯代払うぞ!」
そんなに来たいものかね?
「ラグ、強盗って何?
聞いてないけど!」
「あの、市場での買い物で良い所の下働きと思われたらしくて、つけられて侵入されたんです。」
途端にヒューゴは険しい表情をして、他の隊長はすぐに警備兵の隊長へ連絡を入れていた。
「不審者がうろつかないように、ロッシ家の敷地前に警備兵を常駐させるように申請させた。
ロッシ家は子爵だしすぐ許可も出るさ」
「あ、ありがとうございます。」
騎士って決断早すぎる気もするけど、戦場では一分一秒の判断で戦況が変わってしまう事もあるから、自分の決断に自信を持つ事も鍛えられているんだろう。
「では、今夜、お待ちしていますね。」
そう言って、空になったお弁当箱を回収して騎士棟を後にした。
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